「こんにちわッ、テディちゃでスッ!
うむッ!きょうはァ~」
「がるる!ぐるぐる!」(←訳:虎です!読書です!)
こんにちは、ネーさです。
ショコラへの未練を振り捨てて、
本日はがっちり読書タイムですよ。
さあ、こちらの御本を、どうぞ~!

―― 神坐す山の物語 ――
著者は浅田次郎さん、2014年10月に発行されました。
(『坐す』には『います』とルビがふられています)
現在は文庫化されている浅田さんの著作『あやし うらめし あな かなし』に続く、
《お山の怪談》、いえ、《お山の夜語り》シリーズともいうべき
“こわいおはなし”の御本です。
「ここここッ、こわッ??」
「ぐるる~!」(←訳:鳥肌が~!)
短編7編から成る連作集の舞台は、実在の土地です。
東京の、奥多摩にそびえたつその山の名は
武蔵御岳山。
御岳山と書いて『みたけさん』と読みます。
木曽の御嶽(おんたけ)と混同されがちですが、
多摩地域に住む者にとっては
御岳といえば『おんたけ』よりも、まず『みたけ』、なんですよ。
「おくたまはァ、すごいィのでス!」
「がるるぐるるる!」(←訳:東京とは思えない!)
そうね、
緑深く、谷は険しく、峰は高く。
そんな東京とは思えない土地の、名所のひとつが
御岳山の神社です。
古くから尊崇を集める神社は
古い血を伝える神職一族の《家》でもありました。
物語の語り手である《私》は、
《家=一族》の一員ではあるのですが、
住まいは都会の一隅です。
お休みのたび、
少年の《私》は、国鉄の電車に揺られて
《家》へと向かいました。
「ふァ? こくてつゥ~?」
「ぐるがぅるるる?」(←訳:JRじゃないの?)
《私》が少年であったのは、昭和の30年代でしょうか。
《家》に着けば、待っているのは
神職の伯父と、
同じ年頃の大勢のいとこはとこたち。
そして、“こわいおはなし”を聞かせてくれる
美しい叔母……。
「うううゥ~ッ!」
「がるぐる!」(←訳:また鳥肌!)
山上の神社と《家》へ向かう道すがら、
もうすぐ御嶽山最寄りの駅に近付く様子を
《私》は次のように形容します。
―― いよいよ異界である ――
ええ、確かに、そこは人ならざるものの領土、
神の住居に接するゆえに
不思議が不思議とは見えぬ土地であるかのようですが……
本当に、そうでしょうか?
「ええッ?」
「ぐるっ?」
異界は、どちらでしょう?
千年も昔とさして変わらぬ御山と、森と、社(やしろ)と。
数十年前には影も形もなかった
アスファルトと鉄骨と硝子で出来た都会と。
ふいっ、と消えてしまう蜃気楼に似ているのは、
御山と、町の、どちら?
「うううゥ~んッ?」
「がるるぅ~…」(←訳:それはァ~…)
確固たる存在は、山か、町か。
この地の本来のありよう――
武蔵野の姿を感じてみたい御方は
ぜひ、一読してください。
折り目正しく凛々しい文章が教えてくれますよ、
太古の御山の息吹きを。
うむッ!きょうはァ~」
「がるる!ぐるぐる!」(←訳:虎です!読書です!)
こんにちは、ネーさです。
ショコラへの未練を振り捨てて、
本日はがっちり読書タイムですよ。
さあ、こちらの御本を、どうぞ~!

―― 神坐す山の物語 ――
著者は浅田次郎さん、2014年10月に発行されました。
(『坐す』には『います』とルビがふられています)
現在は文庫化されている浅田さんの著作『あやし うらめし あな かなし』に続く、
《お山の怪談》、いえ、《お山の夜語り》シリーズともいうべき
“こわいおはなし”の御本です。
「ここここッ、こわッ??」
「ぐるる~!」(←訳:鳥肌が~!)
短編7編から成る連作集の舞台は、実在の土地です。
東京の、奥多摩にそびえたつその山の名は
武蔵御岳山。
御岳山と書いて『みたけさん』と読みます。
木曽の御嶽(おんたけ)と混同されがちですが、
多摩地域に住む者にとっては
御岳といえば『おんたけ』よりも、まず『みたけ』、なんですよ。
「おくたまはァ、すごいィのでス!」
「がるるぐるるる!」(←訳:東京とは思えない!)
そうね、
緑深く、谷は険しく、峰は高く。
そんな東京とは思えない土地の、名所のひとつが
御岳山の神社です。
古くから尊崇を集める神社は
古い血を伝える神職一族の《家》でもありました。
物語の語り手である《私》は、
《家=一族》の一員ではあるのですが、
住まいは都会の一隅です。
お休みのたび、
少年の《私》は、国鉄の電車に揺られて
《家》へと向かいました。
「ふァ? こくてつゥ~?」
「ぐるがぅるるる?」(←訳:JRじゃないの?)
《私》が少年であったのは、昭和の30年代でしょうか。
《家》に着けば、待っているのは
神職の伯父と、
同じ年頃の大勢のいとこはとこたち。
そして、“こわいおはなし”を聞かせてくれる
美しい叔母……。
「うううゥ~ッ!」
「がるぐる!」(←訳:また鳥肌!)
山上の神社と《家》へ向かう道すがら、
もうすぐ御嶽山最寄りの駅に近付く様子を
《私》は次のように形容します。
―― いよいよ異界である ――
ええ、確かに、そこは人ならざるものの領土、
神の住居に接するゆえに
不思議が不思議とは見えぬ土地であるかのようですが……
本当に、そうでしょうか?
「ええッ?」
「ぐるっ?」
異界は、どちらでしょう?
千年も昔とさして変わらぬ御山と、森と、社(やしろ)と。
数十年前には影も形もなかった
アスファルトと鉄骨と硝子で出来た都会と。
ふいっ、と消えてしまう蜃気楼に似ているのは、
御山と、町の、どちら?
「うううゥ~んッ?」
「がるるぅ~…」(←訳:それはァ~…)
確固たる存在は、山か、町か。
この地の本来のありよう――
武蔵野の姿を感じてみたい御方は
ぜひ、一読してください。
折り目正しく凛々しい文章が教えてくれますよ、
太古の御山の息吹きを。