テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

 ― 平安オルフェウス翁 ―

2015-02-26 21:49:26 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふゥ~ッ、ほんだなァとのォ、たたかいィはァ~…」
「がるる!ぐるるるるがる!」(←訳:虎です!果てしないです!)

 こんにちは、ネーさです。
 先日購入した『ホイッスラー展』図録(厚い・大型・重い)の
 収納場所の困り切っているのですけど、
 ここらでちょこっと現実逃避!
 読書タイムにいたしましょう。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



             ―― 陰陽師 蛍火ノ巻 ――



 著者は夢枕獏さん、2014年11月に発行されました。
 御本巻末の『あとがき』によれば、

  ―― 清明と博雅の物語を書き続けて、そろそろ三〇年近くになる ――

 と、著者・夢枕さんが感慨をもって述懐する、
 めでたくも長寿な《陰陽師》シリーズの最新単行本です。

「さんじゅうゥねんッ!」
「ぐるるがるるぐる!」(←訳:人気のあかしだね!)

 平安京の護り手・清明さんと、
 清明さんの親友であり笛の名手である博雅さん。

 
 この『蛍火ノ巻』でも、
 もちろん、おふたりは主役の貫録で
 読み手を魅了してくれますが、
 今回に限って?でしょうか、
 在京ふたり組以上の存在感を放っているのは、
 蘆屋道満(あしや・どうまん)さんです。

「ふァ~、あのォおじちゃんッ、でスねッ!」
「がるぐるぐる!」(←訳:髪はボサボサ!)
「まッしろォおひげッ!」

 2014年1月に刊行された『陰陽師 蒼猴(そうこう)ノ巻』では、
 『蒼猴』すなわち青猿さんという存在が、
 敵役(かたきやく)として
 とても印象的でした。

 この御本では、
 《陰陽師》シリーズ全体の敵役/脇役であるはずの道満さん、
 ときに主役を張ります!

「おじちゃんッ、しんしゅつゥきぼつゥ!」
「ぐっるがっるぐる!」(←訳:あっちこっち出張!)

 夜も更けた深山で、
 道満さんがその機略を発する物語、
 『山神の贄(にえ)』……

 ギリシャ神話のオルフェウス譚を
 斜(はす)から眺めたような、
 道満さんの別の顔がひょっこり覗く短編作品は、
 あるいは、
 一宵の夢、なのかもしれません。

「やるねッ、おじちゃんッ!」
「がるる!」(←訳:渋いよ!)

 『筏往生(いかだおうじょう)』、
 『産養の磐(うぶやしねのいわ)』でも、
 道満さんは独走、いえ、独奏状態?
 
 いいなあ、
 日本史の“はぐれ者”道満さんを主人公にした大長編伝奇ロマンを
 読んでみたいなあ~♪と、
 思ってしまう《陰陽師》シリーズファンの方々も
 ひとりふたりじゃない、でしょうね。

「たぶん~ッ!」
「ぐるがるっ!」(←訳:大勢いるっ!)

 次巻の清明さんは・博雅さんは・
 そして道満さんは……と、
 一段と楽しみな《陰陽師》、
 全活字マニアの皆さまに、おすすめです♪



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