テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― たからもの ―

2015-02-17 21:53:48 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぴよぴよッ!」
「がるる!ぐるるるるがる!」(←訳:虎です!ぴよぴよの大群!)

 こんにちは、ネーさです。
 auのCMシリーズ、いいですねえ♪
 桃太郎さんに庇護のもと、
 すくすく育つ雉のピヨっ子ちゃんたちの映像にはココロ和みます。
 本日の読書タイムでも、
 或るお父さんと息子さんが大きく羽ばたいてゆく一冊を、さあ、どうぞ~!

  



          ―― スコット親子、日本を駆ける ――



 著者はチャールズ・R・スコットさん、2015年1月に発行されました。
 英語原題は『RISING SON A Father and Son's Bike Adventure across Japan』、
 『父と息子の自転車縦断4000キロ』と日本語副題が付されています。

「よんせんきろッ!」
「ぐるるる!」(←訳:自転車で!)

 前回・前々回記事ではフィクション作品を御紹介いたしましたが、
 こちらはノンフィクション!
 書名からもその凄さは一目瞭然ですね。

 自転車で!
 日本縦断4000キロの旅!
 しかも“相棒”たるショウくんは、
 お母さんと離れて長旅などしたことがない八歳の少年です。

「テディちゃにはァ~むりィ~…」
「がるるるぐる~…」(←訳:ボクにも無理~…)

 ええ、誰もがそう思います。
 ムリだろ、って。

 実は、著者・スコットさん御自身も
 成功を危ぶんでいたのです。
 
 リスク、不安、予想されるさまざまな障害……
 実現可能なのだろうか。

「それでもォ~…」
「ぐるがるぐる!」(←訳:突き進むのだ!)

 御本の冒頭で驚かされることは、
 米国では長期休暇の取得が簡単でない、という事実です。

 長い休暇がない、って
 日本の話じゃなくてアメリカで?
 と、耳目を疑いたくなりますけど、
 スコットさん、一流企業の幹部職員でありながら、
 上役や社長の認可がないと
 自由に休暇を取れない……

 もし、許可が下りなかったら、
 クビになっちゃう?

「えええェッ??」
「がるるぅ!」(←訳:そんなぁ!)

 そこまでして、
 そこまでの覚悟をして、
 キツい自転車旅に出たいのは、なぜなんでしょう?

 絵に描いたようなエリートの生活――
 私たちも名を知る世界的な企業で高サラリーを得、
 日本人の奥さまは国連の職員、
 郊外の邸宅、二台の車、
 NY中心部にもアパートメントを借りる豊かな生活。

 これで、いいのか?

「なにかがァ、たりないィ?」
「ぐるるがるる?」(←訳:大事な何かが?)

 職を失う危険か。
 それとも、
 我が子たちとともに過ごす時間を選ぶのか。

 貴重な子ども時代は、あっという間に過ぎ去ってしまう。
 忙しいだけの人生で、いいのか?

「よくないィ~でス!」
「がっるるぐる!」(←訳:だったら旅だ!)

 困難を乗り越え、
 自転車旅行のスタートラインに立つスコットさん一家のその後は、
 敢えてここには記さないでおきます。

 はたして、旅は少年ショウくんにとって宝物となったのか、
 それとも……?

「さいこうのォたびにィ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:なるといいなあ!)

 ちょうどいま、たくさんの方々が日本観光にいらしているようですね。
 国籍も性別も年齢も超えて、
 どうか、この国の旅が良い思い出になりますように―― 
 



コメント
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