テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 布が語る、糸が囁く ~

2022-08-19 20:50:09 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 きょうはァ~ふぁぶりッくゥ、なのでスゥ!」

「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!紙から布へ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ええ、《紙》をテーマにした前回記事から転じて、

 本日の読書タイムは……《布》!が主役のようですね。

 さあ、↓こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

     ―― クローゼットファイル ――

 

 

 著者は川瀬七緒(かわせ・ななお)さん、

 2022年7月に発行されました。

 『ヴィンテージガール』に続く

 《仕立屋探偵 桐ヶ谷京介》シリーズの第2作は、

 短編6作品から成る連作ミステリとなりましたよ。

 

「まッてェましたでスよゥ~!」

「ぐるる~!」(←訳:祝再会~!)

 

 服飾――アパレルの知識を駆使しての

 大胆かつオシャレな探偵さんの誕生に

 拍手喝采した長編ミステリ『ヴィンテージガール』。

 

 続編はいつ?

 と待ち焦がれておりましたら、

 おおお、出た! ついに出ましたよぉ!

 

「どろろォ~んッ!」

「がるぐるるがぅるるるるるる!」(←訳:いやオバケじゃないんだから!)

 

 桐ヶ谷京介(きりがや・きょうすけ)さんは、

 有名なファッションブランドと

 職人さん&町工場のマッチングを行う

 服飾ブローカーさんです。

 

 つまり、

 世界的なハイブランドが求める

 高い縫製技術を持つ職人さんや、

 優秀なパタンナー、

 特殊な布地を作り上げる工場などを

 探して、紹介して……というのが

 京介さんのお仕事である、のですが。

 

 京介さんには、

 もうひとつ、ちょっと特殊な能力があって。

 

「いちもくゥ~りょうぜんッ!」

「ぐるがるぐるるる!」(←訳:シワから読み取る!)

 

 衣服の、シワ。

 布地についたクセ、伸び具合、こすれ具合。

 

 京介さんの眼には、

 シワやクセが生じた原因が見えてしまいます。

 

 なぜ、ここにこんなシワが出来たのか。

 なぜ、この布地はこんなに歪んでいるのか。

 

 それが、どうということのない

 平和な理由だったらいいけれど、

 ときには犯罪や事件の気配が漂うシワもある……。

 

「こんかいィはッ?」

「がるぐるるる?」(←訳:何が見えるの?)

 

 第1作『ヴィンテージガール』で知り合った

 杉並署の捜査官・南雲(なぐも)警部が

 京介さんのアトリエへ持ち込んできたのは、

 一枚の古びたTシャツ、

 いえ、

 Tシャツをベビー服に仕立て直したもの、でした。

 

 もう12年も前、

 ひとりの赤ちゃんが着ていたベビー服。

 さして特徴もなさそうなこの衣服から、

 京介さんが読み取った“物語”の顛末は――

 

「むむむゥ! そうだッたのでスかッ?」

「ぐるる!」(←訳:炯眼だ!)

 

 ミステリ作品ですから、

 これ以上はネタバレ回避のため

 お喋りできませんけれど、

 はい! 

 これぞ、待った甲斐もあったというもの!

 

 京介さんをはじめ、

 すべてのキャラクターが呼応し合い、

 織り成してゆく6篇のミステリは、

 ミステリ好きな活字マニアさんに

 激おすすめですよ。

 いつか映画かドラマにならないかぁ~♪

 とも思わされるエンタな一冊を、

 皆さま、ぜひ!

 

 

コメント
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