「こんにちわッ、テディちゃでス!
きょうはァ~ふぁぶりッくゥ、なのでスゥ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!紙から布へ!)
こんにちは、ネーさです。
ええ、《紙》をテーマにした前回記事から転じて、
本日の読書タイムは……《布》!が主役のようですね。
さあ、↓こちらの御本を、どうぞ~♪
―― クローゼットファイル ――
著者は川瀬七緒(かわせ・ななお)さん、
2022年7月に発行されました。
『ヴィンテージガール』に続く
《仕立屋探偵 桐ヶ谷京介》シリーズの第2作は、
短編6作品から成る連作ミステリとなりましたよ。
「まッてェましたでスよゥ~!」
「ぐるる~!」(←訳:祝再会~!)
服飾――アパレルの知識を駆使しての
大胆かつオシャレな探偵さんの誕生に
拍手喝采した長編ミステリ『ヴィンテージガール』。
続編はいつ?
と待ち焦がれておりましたら、
おおお、出た! ついに出ましたよぉ!
「どろろォ~んッ!」
「がるぐるるがぅるるるるるる!」(←訳:いやオバケじゃないんだから!)
桐ヶ谷京介(きりがや・きょうすけ)さんは、
有名なファッションブランドと
職人さん&町工場のマッチングを行う
服飾ブローカーさんです。
つまり、
世界的なハイブランドが求める
高い縫製技術を持つ職人さんや、
優秀なパタンナー、
特殊な布地を作り上げる工場などを
探して、紹介して……というのが
京介さんのお仕事である、のですが。
京介さんには、
もうひとつ、ちょっと特殊な能力があって。
「いちもくゥ~りょうぜんッ!」
「ぐるがるぐるるる!」(←訳:シワから読み取る!)
衣服の、シワ。
布地についたクセ、伸び具合、こすれ具合。
京介さんの眼には、
シワやクセが生じた原因が見えてしまいます。
なぜ、ここにこんなシワが出来たのか。
なぜ、この布地はこんなに歪んでいるのか。
それが、どうということのない
平和な理由だったらいいけれど、
ときには犯罪や事件の気配が漂うシワもある……。
「こんかいィはッ?」
「がるぐるるる?」(←訳:何が見えるの?)
第1作『ヴィンテージガール』で知り合った
杉並署の捜査官・南雲(なぐも)警部が
京介さんのアトリエへ持ち込んできたのは、
一枚の古びたTシャツ、
いえ、
Tシャツをベビー服に仕立て直したもの、でした。
もう12年も前、
ひとりの赤ちゃんが着ていたベビー服。
さして特徴もなさそうなこの衣服から、
京介さんが読み取った“物語”の顛末は――
「むむむゥ! そうだッたのでスかッ?」
「ぐるる!」(←訳:炯眼だ!)
ミステリ作品ですから、
これ以上はネタバレ回避のため
お喋りできませんけれど、
はい!
これぞ、待った甲斐もあったというもの!
京介さんをはじめ、
すべてのキャラクターが呼応し合い、
織り成してゆく6篇のミステリは、
ミステリ好きな活字マニアさんに
激おすすめですよ。
いつか映画かドラマにならないかぁ~♪
とも思わされるエンタな一冊を、
皆さま、ぜひ!