「こんにちわッ、テディちゃでス!
♪るるゥ~♪はァるばるゥ~きましたァ~♪」
「がるる!ぐるる~♪」(←訳:虎です!京都へ~♪)
こんにちは、ネーさです。
いざ、京都の町へ。
それも、海を越えて、大陸の西のはてから、
はるばると京都へ――
本日の読書タイムは“究極の京都本”ともいえる
こちらの御本を、さあ、どうぞ~!
―― 清少納言を求めて、フィンランドから京都へ ――
著者はミア・カンキマキさん、
原著は2013年に、
画像の日本語版は2021年7月に発行されました。
それは、9月の京都――
いえもう、東京もなかなか暑いんですけどね、
京都で、夏で、といったら、やっぱり。
「あついィ~ッ!」
「ぐるるる!」(←訳:盆地の熱!)
日本人もヘトヘトになる晩夏の京都へ、
著者・ミアさんはやって来ました。
涼しい北欧の国・フィンランドから。
観光旅行、ではありません。
これは、長期休暇制度を利用し、
助成金を取得しての“学びの旅”で、
目的は……
《清少納言を研究する》。
「わおゥ! ようこそォ~!」
「がるるぐる!」(←訳:古典の都へ!)
暑い暑い京都の町で、
日本人女性を見習って日傘をさし、
さっそく研究に取り組むミアさん。
ただし。
研究対象が清少納言さん、という点が
ちょっとばかり厄介です。
『源氏物語』なら、その作者の紫式部さんなら、
いろんな言語に翻訳されていて、
研究書も出版されていて、と、
西欧社会ではけっこう知られているのです。
比べるに、『源氏物語』以外の作品は……
ややマイナーな?
「これからァ、でスよゥ!」
「ぐるるるがるぅーるぐるるる!」(←訳:これからメジャーになるんだ!)
本分398ページに、ミアさんはこう記しています――
《西洋の言語で
あなたについて書かれているものはない》。
そう、《あなた》とは
清少納言さんのこと。
ミアさんは、
『セイ』と清少納言さんに語りかけ、
問いかけながら、
ゆっくり京都の町を歩き、
図書館に通い、
思いをめぐらせます。
《セイ、
何があなたに『枕草子』を書かせたのか》
「うむむぅ! しんぷるゥ~だけどォ」
「がるるぐるがる!」(←訳:急所を突く質問!)
京都の四季、
日本の文化や、歌舞伎見物。
滞在中に起きた東日本大震災のため、
いったんは国外へ退避したものの、
再び京都へ。
こうして、
現代の悲劇と混沌を乗り越え、
1000年の時を超え、
ミアさんはいよいよ王手をかけます。
『セイ』の《真実》、
『枕草子』を著した動機とは――
「まるでェ、みすてりィ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:かなりミステリ!)
長編エッセイ作品、ではありますが、
終盤の勢いはさながら探偵小説のような、
ミアさんの《セイを探す旅》。
本国フィンランドで大ヒット、
イタリア語やドイツ語他にも訳され
大好評を得たこの御本は、
エッセイ好きな方々に、
古典好き&旅好きな活字マニアさんに、
いえ、全活字マニアさんに
激おすすめの一冊ですよ。
これから京都旅行にお出掛け予定の御方も、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪