テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 千年の旅をゆく ~

2022-08-23 20:47:09 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ♪るるゥ~♪はァるばるゥ~きましたァ~♪」

「がるる!ぐるる~♪」(←訳:虎です!京都へ~♪)

 

 こんにちは、ネーさです。

 いざ、京都の町へ。

 それも、海を越えて、大陸の西のはてから、

 はるばると京都へ――

 本日の読書タイムは“究極の京都本”ともいえる

 こちらの御本を、さあ、どうぞ~!

  

 

 

 ―― 清少納言を求めて、フィンランドから京都へ ――

 

 

 著者はミア・カンキマキさん、

 原著は2013年に、

 画像の日本語版は2021年7月に発行されました。

 

 それは、9月の京都――

 いえもう、東京もなかなか暑いんですけどね、

 京都で、夏で、といったら、やっぱり。

 

「あついィ~ッ!」

「ぐるるる!」(←訳:盆地の熱!)

 

 日本人もヘトヘトになる晩夏の京都へ、

 著者・ミアさんはやって来ました。

 涼しい北欧の国・フィンランドから。

 

 観光旅行、ではありません。

 これは、長期休暇制度を利用し、

 助成金を取得しての“学びの旅”で、

 目的は……

 《清少納言を研究する》。

 

「わおゥ! ようこそォ~!」

「がるるぐる!」(←訳:古典の都へ!)

 

 暑い暑い京都の町で、

 日本人女性を見習って日傘をさし、

 さっそく研究に取り組むミアさん。

 

 ただし。

 研究対象が清少納言さん、という点が

 ちょっとばかり厄介です。

 『源氏物語』なら、その作者の紫式部さんなら、

 いろんな言語に翻訳されていて、

 研究書も出版されていて、と、

 西欧社会ではけっこう知られているのです。

 

 比べるに、『源氏物語』以外の作品は……

 ややマイナーな?

 

「これからァ、でスよゥ!」

「ぐるるるがるぅーるぐるるる!」(←訳:これからメジャーになるんだ!)

 

 本分398ページに、ミアさんはこう記しています――

 

 《西洋の言語で

  あなたについて書かれているものはない》。

 

 そう、《あなた》とは

 清少納言さんのこと。

 

 ミアさんは、

 『セイ』と清少納言さんに語りかけ、

 問いかけながら、

 ゆっくり京都の町を歩き、

 図書館に通い、

 思いをめぐらせます。

 

 《セイ、

  何があなたに『枕草子』を書かせたのか》

 

「うむむぅ! しんぷるゥ~だけどォ」

「がるるぐるがる!」(←訳:急所を突く質問!)

 

 京都の四季、

 日本の文化や、歌舞伎見物。

 滞在中に起きた東日本大震災のため、

 いったんは国外へ退避したものの、

 再び京都へ。

 

 こうして、

 現代の悲劇と混沌を乗り越え、

 1000年の時を超え、

 ミアさんはいよいよ王手をかけます。

 

 『セイ』の《真実》、

 『枕草子』を著した動機とは――

 

「まるでェ、みすてりィ!」

「ぐるるがるるる!」(←訳:かなりミステリ!)

 

 長編エッセイ作品、ではありますが、

 終盤の勢いはさながら探偵小説のような、

 ミアさんの《セイを探す旅》。

 

 本国フィンランドで大ヒット、

 イタリア語やドイツ語他にも訳され

 大好評を得たこの御本は、

 エッセイ好きな方々に、

 古典好き&旅好きな活字マニアさんに、

 いえ、全活字マニアさんに

 激おすすめの一冊ですよ。

 これから京都旅行にお出掛け予定の御方も、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

コメント
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