「こんにちわッ、テディちゃでス!
これにてェ、いッけんらくちゃくゥ~!」
「がるる!ぐるっ!」(←訳:虎です!ははっ!)
こんにちは、ネーさです。
奉行所のお白州に響く小気味よい声――
はい、本日の読書タイムは、
江戸の法曹システムをテーマとする
こちらの新書作品を、さあ、どうぞ~♪
―― お白州から見る江戸時代 ――
著者は尾脇秀和(おわき。ひでかず)さん、
2022年6月に発行されました。
『《身分の上下》はどう可視化されたか』
と副題が付されています。
「おぶぎょうゥさまのォ、めいさばきィ!」
「ぐるるるがる~!」(←訳:難事件も解決~!)
近年、映像化されることは少ないものの、
かつては大人気だった
名奉行さんが主役の映画やドラマ。
そこに登場するのが、
奉行所の中に設えられた《お白州》であり、
ドラマを大いに盛り上がる大舞台、と申せましょう。
「じつざいィ、しましたでス!」
「がるるぐっるるる!」(←訳:資料も残ってます!)
《お白州》の構造は。
その歴史の始まりは。
以前は『庭』と記述されていたものが、
『白州』へと変わったのは、いつのことか。
裁判(公事訴訟)の仕組みや手続きが整ったのは、
いつ頃のことか。
そして――
《お白州》内部の、
秩序やルールとは?
「むむむッ! ややこしィ~!」
「ぐるがるる!」(←訳:複雑だよう!)
法の名の下、
物事にきっちりカタをつける、って、
これがなかなか簡単には行かぬようです。
《お白州》での席順、
役人さんたちの服装、
身分や、先例や、
本当にもう、大混乱で。
そしてまた、
仕来り(しきたり)を長く積み重ねて、
あれやこれやの法務が定まってきた、
と思ったら――
「わわッ! ばくまつゥ~!」
「がるるぐるぅっる!」(←訳:維新が来ちゃった!)
江戸から明治へ、
法体制も大転換。
2021年放送の大河ドラマ『青天を衝け』では
描かれなかった新時代の裁判システムや司法の稼働、
すなわち
徳川体制下の《お白州》の終焉を、
著者・尾脇さんは丁寧に追跡してゆきます。
近代へ、
さらには現代へも通じる
ひとつの道筋を。
「じみィだけどォ~」
「ぐるるがる!」(←訳:大きな変化!)
《お白州》から明らかになる
江戸の社会と、構造と、歴史。
近代史好きな活字マニアさん、
時代劇好きなの方々にもおすすめの
ノンフィクション作品ですよ。
なお、徳川慶喜さんについて書かれたパートは
あまり多くはないのですが、
“最後の将軍“の革新者ぶりが伝わってきますので、
『青天を衝け』ファンの方々も、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫