テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ただひとり。

2017-02-09 22:08:00 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 ゆきィ、ふりましたでス!」
「がるる!ぐるるるるっるがる!」(←訳:虎です!積もらなかったけど!)

 こんにちは、ネーさです。
 悪寒を感じて風邪薬を飲みました……
 週末も寒さが続くようですので、
 皆さま、ムクムクに厚着してくださいね。
 私ネーさもフリースを重ね着して(ガサゴソ)、
 さあ、ここからは読書タイムの始まりです~♪
 
  



      ―― ボブ・ディラン マイ・バック・ページズ ――



 KAWADE夢ムックの文藝別冊は、2016年12月に発行されました。
 先頃のノーベル文学賞受賞のニュースによって
 あらためてその名を世に知らしめたボブ・ディランさんの業績を
 コンパクトに紹介・解説するMOOK本です。

「ひょうしのォ、おしゃしんのァ~…」
「ぐるがるるる!」(←訳:眼が怪しいぞ!)

 物理学賞や化学賞を受賞した科学者さんたちが、
 家族の理解と協力のおかげです、
 先達や同僚の仕事があったからこそ、と
 感激の面持ちで挨拶するのに比べて、
 ああ、この御方は。

 受賞を告知する電話に出ない。
 賞を受け取るか否か、ギリギリまで答えない。
 そして、きらびやかなパーティーは
 先約があるので、と欠席。

「それでェ、いいのでスゥ~!」
「がるるぐぅるるがる!」(←訳:それがディランさん!)

 そうなのよねー、
 ディランさんがノーベル文学賞!って聞いたときも、
 燕尾服にドレスアップして舞踏会とか、
 メダルを手にしてカメラににっこりとか、
 全然想像できないわ~と思ったものです。

 で、その通り、
 うまいことセレモニーをフケちゃったりして、
 やっぱりディランさんはディランさんね、
 なんて安心もしました。

「ちょッぴりィ、かわりものさんッ♪」
「ぐるるるるがる♪」(←訳:ヒネクレ者さん♪)

 そんなディランさんが、
 “詩人”として評価された理由は?

 ディランさんの詩歌には
 どんな背景が息をひそめているのか?

 ディランさんの詩が英語であるだけに
 私たち日本人には解りにくい《英詩》の実情を
 多角的に論じているのがこの御本です。

 執筆者、解説者として登場するのは、
 菅野ヘッケルさん、
 ピーター・バラカンさん、
 礒﨑憲一郎さん、
 四方田犬彦さん、
 石川忠司さん他、
 音楽評論やアート論の名手さんたち。

 また、御本の後半には
 1962年から2016年にかけてディランさんがリリースした
 アルバム・ガイドも掲載されています。

「かッこいいィ~!」
「がるぐるぅ!」(←訳:美男だよぅ!)

 写真、対談、詩句の詳細な訳文など
 さまざまなディランさん論が収録されている中で、
 私ネーさが何度も読み返したのは、

 樋口泰人さんによる
 『巨大なモニターの前の小さな巨人』。

 詩人としてよりも
 歌い手としてのディランさんを描写したこのエッセイ作品で、
 樋口さんはディランさんを“小さな人”と形容します。

 巨大である必要はない、
 偉大である必要もない、
 ただの、小さい人。

 しかし、誰も彼の代わりにはなれない。
 彼のようには歌えない。

「それがァ、りゆうゥ!」
「ぐるがるる!」(←訳:ただひとり!)

 ひとりの詩人の軌跡の、ごく一部。

 そのごく一部を、
 音楽好きな方々、
 活字マニアの皆さまも、
 どうか、ぜひ。
 
 
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ― 巨匠の長い影 ― | トップ | … 異星のひとへ … »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブックス」カテゴリの最新記事