テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

夢二さんの、京都。

2017-02-18 21:31:43 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 しゅうまつはァ~りらッくすゥ!」
「がるる!ぐるがるるる?」(←訳:虎です!少しのんびり?)

 こんにちは、ネーさです。
 今週は各都道府県で高校受験が行われたり、
 学生さんにとっては気の抜けない期間だったようですが、
 どなたにとってもブレイクタイムは必要です。
 さあ、週末のひととき、
 読書をサボって展覧会情報を、どうぞ~♪

  



         ―― 夢二と京都の日本画 ――



 静岡県静岡市の静岡市美術館にて、
 会期は2017年2月18日~3月26日(月曜休館、ただし3/20は開館し3/21は休館)、
 『Takehisa Yumeji and Modern Nihonga in Kyoto』と
 英語題名が付されています。

「わほォ~! これはァきれいィでス♪」
「ぐるるるがる?」(←訳:舞妓さんかな?)

 そうね、チラシ(フライヤー)に印刷されている↑この作品の題名は
 『鴨東夜花』。

 推察しますに、
 京都の鴨川の、その東といえば、祇園ですねえ。
 画のモデルさんは祇園の舞妓さんかもしれません。

  

 竹久夢二さん(1884~1634)は、
 京都と縁のある御方でした。

 初の個展は、京都府立図書館で。

 大正2年(1912年)の11月から2年間は、京都に暮らし。

 大正7年(1918年)には、再び京都府立図書館で個展を開催しています。

「きょうとォ、おすきィだッたのでスかッ♪」
「がるるるるぐる~!」(←訳:分かる気がする~!)

 この展覧会では、
 夢二さんの作品と資料約80点、
 夢二さんが滞在した時代の京都の日本画約40点など、
 合わせて約120点が展示されます。

 チラシ(フライヤー)裏面には、ほぉら!

  

 上村松園さんの『春光』。

「ふわわわァ~…♪」
「ぐるがる!」(←訳:美人さん!)

  

 秋野不矩さん、竹内栖鳳さんといった画家さんの作品も
 アート好きさんには見逃せませんね。
 会期中は講演会、ギャラリートーク、
 ミュージアムコンサート、
 チビッこのためのアート体験プログラムなども予定されています。

 JR静岡駅から徒歩3分の静岡市美術館へ、
 美術館HPを参照のうえ、
 夢二マニアさんは、ぜひ、お出掛けを~♪



   さて、恒例のオマケ画像も、抜かりなく!
   
   『不二家』さんの
   《LOOK 抹茶フォンデュ》は
   春の新作ですってよ。
   「おおォ!ほろにがィ!」
   「がるるぐる!」(←訳:そこがいい!)
   オトナにおすすめのお抹茶ショコラ、
   ゆったり味わいながら、
   皆さま、どうか穏やかな休日を♪

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― ヴィクトリアンの森へ ―

2017-02-17 22:03:18 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぱふふゥ! すなァあらしィ~!」
「がるる!ぐるるる~!」(←訳:虎です!春一番だ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 強風のせいで髪がグシャグシャになった金曜日ですが、
 お家に帰ってリラックスしたら、
 さあ、週末の読書タイムです。
 本日は、こちらのアート系ノンフィクション作品を、どうぞ~♪
 
  



      ―― ウィリアム・モリスの遺したもの ――



 著者は川端康雄(かわばた・やすお)さん、2016年12月に発行されました。
 『William Morris and His Legacy』と英語題名が、
 『デザイン・社会主義・手しごと・文学』と日本語副題が付されています。

「あはァ! でざいなーさんッ!」
「ぐるるるるるがるるる!」(←訳:デザイン界の巨匠さん!)

 ウィリアム・モリスさん(1834~1896)を、
 はて、どう形容すべきでしょうか。

 グラフィックデザイナーさん?
 テキスタイルデザイナーさん?
 詩人であり、文学者であり、
 “世界で最も美しい”と評される書籍を作り、
 政治運動にも参加した19世紀英国のアーティストさん?

「どのォおしごともォ、ぜんりょくゥとうきゅうゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:手抜きなし!)

 ひとつ名言できるのは、
 100年以上も前の19世紀人でありながら、
 モリスさんのお仕事は現役である、ということです。

 ロンドンのリバティ百貨店へ行けば、
 V&A美術館へ行けば、
 モリスさんがデザインした布地や壁紙が今でも売られていますし、
 日本のデパートでもライセンス製品が販売されていますね。

 100年経っても古びない。
 
 いえ、100年経ってもますます人気沸騰中。

「それッてェ、すごいィでス!」
「ぐるがる!」(←訳:ほぼ奇跡!)

 飄々と奇跡を実現させているひと=モリスさんとは、
 いったどんな人物なのか。

 著者・川端さんは日本人ならではの知識・視点から
 モリスさんが多分野に残した《遺産》をつなげてゆき、
 また、モリスさんが日本文化に及ぼした影響についても
 丁寧に追跡して行きます。

「えッ? にほんにィ?」
「がるるるっる!」(←訳:知らなかった!)

 この御本は大きく三つのパートに分かれています。

   第Ⅰ部『タペストリーの詩人』
   第Ⅱ部『日本への波動』
   第Ⅲ部『ヴィクトリア朝と現代』

 という構成ですが、
 注目すべきは、第Ⅱ部!
 ここで“主役”になっているのは、

  《あまりにもモリスさんの仕事に感化されちゃった或る日本人》。

 お名前を御木本隆三(みきもと・りゅうぞう)さん、と記したなら、
 分かる御方には分かるでしょうか……

「みきもとォさんッ??」
「ぐるるっ?」(←訳:もしやっ?)

 御木本隆三さんは、
 ええ、苗字から察したアートマニアさんもおられるでしょう、
 《真珠王》と称された、
 御木本幸吉さんの息子さんです。

 御木本幸吉さん(1858~1954)の長男として生まれた
 隆三さん(1893~1971)は英国文学者であり、
 著書の殆どがモリスさんも参加した
 《アーツ&クラフツ運動》関連のものなんです。

 隆三さんの生涯がどれほど“モリス”色に染まっていたか、
 モリスさんと親しかった
 美術評論家J・ラスキンさんの思想に影響されていたのか、
 それゆえに困難な生涯を送らねばならなかったかを
 遠く見送るかのようなこの章は、
 静かな朗読を想わせます。

「こんなァれきしがァ~…」
「がっるるる!」(←訳:あったんだ!)

 古びた遺産ではなく、
 今もなお活き活きと産み出され続ける
 モリスさんのデザイン。

 その前後の、背後の、
 モリスさんとモリスさんを囲む人びとの息づかい。

 英国のアートが好きな御方にも
 近代史好きな活字マニアさんにも
 おすすめの作品です。
 できれば、モリスさんのデザイン図集を傍らに、
 ぜひ、一読を♪
 
 
 
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美味しくて、ミステリアス?

2017-02-16 22:04:51 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス! 
 うむッ! きょうはァ、はらんッなしィでス!」
「がるる!ぐるがる^!」(←訳:虎です!ひと安心~!)

 こんにちは、ネーさです。
 チャンピオンズリーグ16強戦、今日の結果は……
 レアルとバイエルンが勝利して予想外の波乱は起きませんでした。
 なので、心穏やかに読書タイムを過ごせる本日は、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪
  
  



         ―― マカロンはマカロン ――



 著者は近藤史恵(こんどう・ふみえ)さん、2016年12月に発行されました。
 『タルト・タタンの夢』『ヴァン・ショーをあなたに』に続く
 《ビストロ・パ・マル》シリーズの第三作目が
 お久しぶりの登場です~!

「きゃぽゥ! しぇふゥ~!」
「ぐっるるる!」(←訳:待ってたよ!)

 詳しい住所は明らかにされていませんが、
 東京圏のどこかにあると思われるフレンチ・レストラン
 《ビストロ・パ・マル》――

 グラン・メゾンと呼ばれる高級店ではなくても
 料理の美味しさに毎日の予約表はきっちり埋まる、
 そんなお店を舞台にした愉しいミステリの新作を
 首を長~くして待っていたファンの方々は
 大勢おられるに違いありません。

「ふァいッ! こんかいもォ~」
「がるぐるるる!」(←訳:味は保証付き!)

 《パ・マル》は小さなお店です。

 テーブルは五つ。
 カウンター七席。

 シェフの三船さんがいて、
 スーシェフ(二番手のシェフ)の志村さんがいて、
 スムリエール(女性ソムリエ)の金子さんがいて、
 語り手であるサーヴィス係のぼく=高築(たかつき)くんの、
 わずか四人のスタッフが働く、
 “庶民的”なフランス料理店。

「でもォ、しぇふさんにはァ~もうひとつゥ~…」
「ぐるがる!」(←訳:別の顔が!)

 料理人であることは、
 接客業を営んでいるということでもあります。

 そして、お店にやってくるお客さんの中には、
 もちろん、何の鬱屈・問題も抱えていない人もいますけど、
 胸の奥にちょっと……いえ、ずっしりと、
 重たい淀みを溜め込んでいる人もいる……。

 その淀みを、
 感じ取り、
 見抜き、
 スパッと一刀両断しちゃうのが――

「しぇふゥさんッ!」
「がるぐるるる!」(←訳:鼻が利くんだ!)

 お客さんの言動から、
 予約時のリクエストから、
 シェフの五感は作動します。

 豚足にまつわる謎?
 姿を消したパティシエが残した言葉の謎?
 高級ワイン6本持ち込みの謎・

「もふふッ♪ どれもォ、おいしそうゥ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:うん美味しい!)

 私ネーさのおすすめは、
 『ムッシュ・パピヨンに伝言を』。

 《パ・マル》を訪れた大学教授さんを悩ませる謎は、
 おお、なんと!!
 イタリアはトリノでの物語っ?

「ネーさッ、ちがいィまス!」
「がっるーぐるるるるる!」(←訳:サッカー出てきません!)

 そうなのよねえ、
 ユヴェントスの本拠地トリノが背景だというのに
 ユーヴェのユの字も出てこないのは寂しゅうございますが、
 ご安心ください、
 映画にしたいような美しい筋立ては、
 いっそ中編か長編で読みたい!と思ってしまいましたよ♪

「テディちゃもォ、おすすめッ!」
「ぐるる!」(←訳:ボクも!)

 食材いろいろ、
 お料理いろいろ、
 謎も、いろいろ。

 短編8作品から成る連作ミステリ、
 美味しいものが大好き!な活字マニアさんは
 ぜひ、一読を!

 (シリーズの前2作品未読の御方は、そちらもぜひ~♪)

 
 
 
 
 
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― 直線と曲線のグラフィック ―

2017-02-15 22:13:23 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ネーさァ、ぼうぜんッなのでス!」
「がるる!ぐるがっるる!」(←訳:虎です!衝撃だったね!)

 こんにちは、ネーさです。
 世界中のサッカーファンが注目するチャンピオンズ・リーグ、
 16強が激突する決勝ラウンドが始まったわ!と思ったら、
 え? 優勝候補のバルセロナが大敗ですって???
 なんかもうキツネかタヌキに騙されてる気分のまま、
 本日は、えーと、
 読書をサボって展覧会情報を、どうぞ~♪

  



       ―― カッサンドル・ポスター展 ――



 埼玉県さいたま市浦和の埼玉県立近代美術館にて、
 会期は2017年2月11日~3月26日(月曜休館、ただし3/20は開館)、
 『グラフィズムの革命』と副題が付されています。

 カッサンドルこと
 アドルフ・ムーロン・カッサンドルさん(1901~1968)さんの名は、
 そうねえ、超メジャーであるとは言えないかもしれませんけど……

「うむむッ? どんなひとォでスかッ?」
「ぐるるるがるる?」(←訳:画家さんですか?)

 その問いへの答えは……
 はい、↓こちらを御覧あれ!

  

「あッ! こういうのォ!」
「がるぐるがる!」(←訳:見たことある!)

 そうよね、
 カッサンドルさんのお名前を知らなくても、
 このポスター画に見憶えがある御方は多いはず。

 アールデコ芸術を象徴するような、
 直線と曲線を組み合わせた幾何学的なデザイン。

 アールヌーヴォーの時代に比べると、
 シンメトリーで重量感のあるタイポグラフィー。

「じどうしゃァとかッ♪」
「ぐるがる♪」(←訳:列車とか♪)

 アールヌーヴォーの美は
 しばしば《植物の美》に喩えられますが、
 アールデコの美は
 《工業の美》でしょうか。

  
 
 この展覧会は、
 ウクライナに生まれ、フランスで活躍し、
 2018年に没後50年を迎えるカッサンドルさんの業績を、
 ファッションブランド『BA-TSU』の創業者にしてデザイナーであった
 故・松本瑠樹さんのコレクションから紹介するものです。

 カッサンドルさんの代表作とされるポスター作品、
 とても貴重なカッサンドルさん直筆のポスター原画などを展示する
 国内では約20年ぶりとなる回顧展は、
 20世紀前半のアートが大好き!という方々には
 垂涎の企画展ですねえ♪

「こんさーとォ、ありまスゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:講演会もね!)

 岡部昌幸さんによる講演会
 『なんというかっこよさ!魅惑のカッサンドル』は2月26日に、
 ミュージアム・コンサートは3月11日に、
 学芸員さんによるギャラリートークは
 2月19日と3月12日に予定されています。
 
 詳細を美術館HPで確認の上、
 アールデコマニアの皆さま、ぜひ、お出掛けを♪
 
 
 

    では、ここでオマケ画像も、じゃじゃ~ん!
   
    『キャンベル』さんの
    《ペパリッジファーム ミラノ》!
    製品名な《ミラノ》ですけど、
    米国のお菓子ですよ♪
    「わふふゥ!いまァ、うわさのッ!」
    「ぐるがるる!」(←訳:舶来焼菓子!)
    TVで話題になって売れ行き急上昇中のお菓子、
    一度食べると……美味しくってクセになる?
    「もふふッ♪」
    「がるるっ♪」
    食べたことないわ!という御方は、
    輸入食品屋さんで探してみてくださいね!



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~ 盤上の楼閣 ~

2017-02-14 22:12:07 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むぎゅゥ!にがてェでスゥ~!」
「がるる!ぐるるがるぐる~…」(←訳:虎です!ボクも自信ない~…)

 こんにちは、ネーさです。
 チェス。囲碁。将棋。オセロ。
 双六やバックギャモンなどの、ボードゲーム――
 私ネーさ、その手の勝負ごとを大の苦手としておりますが、
 本日の読書タイムは、ええ、困ったことに、
 ↓そ~んなジャンルの御本を、さあ、どうぞっ♪

  



           ―― 月と太陽の盤 ――



 著者は宮内悠介(みやうち・ゆうすけ)さん、2016年11月に発行されました。
 『碁盤師・吉井利仙の事件簿』と副題が付されています。
 ええ、御本の表紙デザインから、
 一目で分かっちゃいますわね。
 黒と白の碁石と、碁盤らしき模様と……

「いごォ、でスゥ!」
「ぐるる!」(←訳:ムズい!)

 この御本の主役は、
 或るいは人間ではなく、
 《囲碁》というゲームと、
 ゲームの舞台となる《碁盤》である、と言えるかもしれません。

 収録されている短編ミステリ6作品のどれに於いても、
 碁盤が、囲碁が、
 物語を動かしています。

「ふわァ~…てだしィできないィでス!」
「がるるるぐる!」(←訳:ボクらは観客!)

 ハイレベルなゲームを進めるプレイヤーは、
 碁盤師の吉井利仙(よしい・きせん)さん。

 プレイヤーの助手として
 私たち読み手と近い位置にいるのは、
 囲碁棋士の愼(しん)くん。

 愼くんはまだ16歳、
 将来を嘱望される若手棋士のひとりですが、
 幼いころから彼が親しんできたのは
 コンピュータ画面上の碁盤でした。

「うむうむゥ、でしょうゥねッ!」
「ぐるがるる!」(←訳:手軽だもん!)

 PCで碁を打つこと、
 所属将棋団体の会館で人間相手に碁を打つこと、
 どちらも得意としてはいても、
 愼くん、ときに感じ入ります。

  僕は、棋具についての知識がない……。

「きぐゥ??」
「がるるぐる?」(←訳:道具のこと?)

 碁盤の材質、
 盤の顔といわれる木目、
 製作者による違い等々。

 棋具について学びたくて、
 何より棋士だった頃の利仙さんの棋譜に心を打たれて、
 愼くん、
 利仙さんと行動をともにしています。

「それがァ、やまあるきィ?」
「ぐるるがるるるー!」(←訳:すごい山奥だよー!)

 利仙さん、なにしろ碁盤師さんですから。

 碁盤にするには最上の材である
 榧(かや)の木を探して歩いています。

 でも、碁盤にするのにぴったりの榧の木って
 そうそう生えているものじゃないのね。

 立派な榧を見ぃつけた!
 サイズもナイス!

 で、切ってみて、
 木の内部が洞(うろ)になっていたら?

「あちゃちゃッ!」
「がるるるぅ!」(←訳:イタいよぅ!)

 良い榧の大木があると聞けば、
 道なき谷も尾根もなんのその。

 訪ねてゆく利仙さんと、
 利仙さんにくっついてゆく愼くんの前には、
 たびたび《事件》が起こります。

 今日もまた良い榧の木に巡り会えなくて、
 二人して切り株に腰掛け、
 ぽそぽそと話し合っていると。

「ひィッ! ひとかげェ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:こんな山奥に!)

 榧の樹霊に導かれての幻想譚を想わせる『青葉の盤』、
 トリックと駆け引きが連続する『焔の盤』、
 挑戦意欲満々の表題作品『月と太陽の盤』など、
 囲碁好きな方々がニヤリ♪とするこの御本、
 ボードゲームにまるきり不案内な私たちも
 楽しく読めましたよ。
 
 勝者と敗者と、
 碁盤と碁盤師、
 モノと人の思惑が交錯するエンタなフィクション作品を、
 活字マニアの皆さま、ぜひ!

「はらはらのォ、すりるゥ!」
「がるるるぐる!」(←訳:おすすめです!)
 
 
 
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キッチンの巨匠さん。

2017-02-13 22:17:06 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おくりものォ、じゅんびィおっけィー?」
「がるる!ぐっるーがる!」(→訳:虎です!オッケーです!)

 こんにちは、ネーさです。
 明日14日はバレンタイン!
 ショコラ尽くしの一日!……なんですが、
 甘いものを苦手にしている人のために御煎餅も用意しましたよ。
 イベントって楽しいけどややこしいわね~とバタバタしながら、
 さあ、本日の読書タイムは、こちらを、どうぞ~♪
 
  



     ―― もっと知りたい パウル・クレー ――



 著者は新藤真知(しんどう・まこと)さん、2011年5月に発行されました。
 『生涯と作品』と副題が付されています。

 先日ご紹介しました、
 加藤浩子さん著『音楽で楽しむ名画』。
 そこで知ったクレーさんの“主夫”っぷりが、
 私ネーさ、どうにも気になりまして……

「まいにちィ、ごはんづくりィ!」
「ぐるるがる!」(←訳:洗濯に掃除!)
「こそだてもォ!」

 いわゆる《家事》。

 21世紀の現代でも、
 食事作り・掃除・洗濯・育児・その他雑事を
 全部みごとにやってごらんなさい!
 と言われて、
 ハイハイっと出来ちゃう人が
 男女を問わずどれだけいるかというと……

 あんまり多くない、でしょうね。

「でもォ、ぱうるゥおじさんはァ~」
「がっるるぐる!」(←訳:やったのです!)

 前衛絵画、抽象絵画、線描主義、
 ナチス・ドイツによれば退廃芸術。
 クレーさんの作風の呼び名はさまざまです。

 しかし、20世紀美術を代表する画家さんであることに
 疑いはありません。

 そんな御方が、本当に、
 洗濯や繕いものをしながら、
 愛息フェリックスくんのおしめを替えたりしながら、
 ひっそりとキッチンの片隅で
 絵を描いていたなんて、
 ねえテディちゃ、虎くん、本当なのかしら?

「うそのォようなァ、まことッ!」
「ぐるがる!」(←訳:本当です!)

 1906年、9月。

 著者・新藤さんによれば、この時から

 《クレーはハウスハズバンドとなり、一切の家事を引き受ける》。

 ピアノ教師となって妻リリーさんは働き、
 夫クレーさんは息子フェリックスくんが3歳の誕生日を迎えるまで
 近郊にスケッチに出掛けることも控え、
 本気で家事に邁進(まいしん)します。

 では、この“主夫”生活を
 クレーさん本人はキャリアのマイナス点かと考えていたか、
 というと……?

「そうでもォありませんッ!」
「がるるるるー!」(←訳:暗くないよー!)

 それはクレーさんにとって、
 フェリックスくんにとっても、
 必要な日々だったのかもしれません。

 幼い我が子に寄り添う。
 健やかに育て、と心を砕く。

 当時はまだまだ、
 医薬品が思うように入手できず、
 インフルエンザが世界的に流行して数百万人が亡くなり、
 結核の治療薬もなく、
 もちろん洗濯機も電子レンジもない時代です。

 電話一本で救急車が小児科専門病院へ搬送してくれるような、
 そんな環境ではなかった――

 現代と同じように、
 現代以上に、
 育児は楽なものではなかった、はずですが。

「やりぬいたのでス!」
「ぐるっるる!」(←訳:頑張ったよ!)

 御本の21ページ左下に
 小さなモノクロ写真が掲載されています。

 1916年、
 9歳になるフェリックスくんの誕生日プレゼントに、と
 クレーさんが手作りした指人形、
 人形たちが歌い踊る?芝居小屋までも。

「かんぜんッってづくりィ!」
「がるる!」(←訳:お手製!)

 フェリックスくんに注ぐ愛情の、大きさ、深さ。

 フェリックスくんもまた、
 父パウルさんの愛情に応えます。

 クレーさんが没してのち、
 父の作品が散逸するのを防ぐべく奔走し、
 クレー財団を設立したのは
 フェリックスさんでした。

「いつもォ、いッしょにッ?」
「ぐるがるるる?」(←訳:心もひとつに?)

 知って満足、では終わらず、
 いやもっともっと知りたくなったぞクレーさんのことを!

 そう思わせてくれるアートブックです。
 絵画好き&伝記好き&歴史好きな御方は、
 ぜひ、一読を♪
 
 
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《笑》のレジェンド自伝!

2017-02-12 22:07:01 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 ……うむむッ? へんなのがァ、きましたでスゥ!」
「がるる!ぐっるぅがる!」(←訳:虎です!めっちゃ不審!)

 こんにちは、ネーさです。
 バレンタイン商戦で自分への御褒美ショコラを勝ち取ったら、
 さあ、次は読書タイムに専念いたしましょうか。
 本日は、最高に奇妙で最高に愉快な
 こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



     ―― モンティ・パイイソンができるまで ――



 著者はジョン・クリーズさん、
 原著は2014年に、画像の日本語版は2016年12月に発行されました。
 『ジョン・クリーズ自伝』と副題にありますように、
 英国のコメディグループ《モンティ・パイソン》の中心メンバー
 ジョン・クリーズさんの自伝作品です。

「あはァ! のっぽォおじさんッ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:すこぶる奇怪な!)

 ええ、そうです。
 1969年から英国BBCテレビで放送が始まったコメディ番組
 《モンティ・パイソン》♪

 テレビ番組にとどまらず、
 ライヴ、映画、アルバム、書籍など
 多分野で大人気となった彼ら《パイソンズ》の初期メンバーは

 グレアム・チャップマンさん、
 ジョン・クリーズさん、
 テリー・グレアムさん、
 エリック・アイドルさん、
 テリー・ジョーンズさん、
 マイケル・ペイリンさん、の6人とされています。

 その6人のひとりが
 著者・クリーズさん、という訳ですね。

「ぷふふッ♪ あるきかたがァ~」
「がるぅぐるぅ!」(←訳:がしゃがしゃ!)

 《パイソンズ》のメンバーのうち、
 がしゃがしゃっとした歩き方にはつい笑わせられちゃう、
 という身長196㎝のノッポさんがいたら、
 はい、そのお方がクリーズさんです。

 がしゃがしゃ歩きの紳士(っぽい人物)、
 カツラとガウンの上から目線弁護士(っぽい人物)、
 怒れる独裁者(っぽい人物)
 その他もろもろの“何かヘン”なキャラを
 自在に創出してみせたクリーズさんが、
 どんな少年時代を過ごし、
 
 『ラグビーやマルボロに比べると格段に落ちる』が
 『ちゃんとしたパブリックスクール』(←本人談)

 へと進学し、
 ケンブリッジ大学に入学、
 相棒グレアムことチャップマンさんと
 『喜劇漬け』になってゆく過程、とは……

「けんぶりッじィ~!」
「ぐるーるる!」(←訳:エリートだ!)

 ええ、クリーズさんたち《パイソンズ》の面々は
 エリートと呼ぶに相応しい頭脳&学歴の持ち主さんなのですけど。

 エリート?

 いやいやいや、
 政治家や役人や実業家をやるよりも
 舞台で笑いを取って、
 TVスタジオでバカを演る方がだぁ~い好き♪という方ばかり。

「さもォありなんッ!」
「がるるぐるるるる!」(←訳:それがパイソンズ!)

 御本の第1~2章で語られる少年時代のお話は
 ちょこっと地味目で、
 クリーズさんのファンでない方々は
 挫折しかけてしまうかもしれません。

 でも、第4章のパブリックスクール時代あたりから、
 じわり、じわ~りと
 《パイソンズ》の雰囲気が漂い出してきます。

 そして、笑いこそ我が人生!

 と思い定めた後の各章は――
 
「ぷふふふッ♪」
「ぐるるっ♪」

 の連続!

「そうこなくッちゃァ!」
「がるるー!」(←訳:ブラボー!)

 私ネーさ、残念ながらリアルタイムで
 《モンティ・パイソン》を拝見できた世代ではないのですが、
 映画やDVDで《パイソンズ》の大ファンになった御方に、
 ぜひぜひ、おすすめしたい一冊です。

 なお、本屋さんで探すときは、
 自伝や伝記……ではなくて
 映画関係のコーナーへ行ってみてくださいね~♪
 
 
 
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~ 2017・お買いモノの(プチ)旅♪ ~

2017-02-11 22:12:59 | ショコラ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しょくじつゥでェ~しゅうまつゥでェ~♪」
「がるる!ぐるるるるるがるる!」(←訳:虎です!バレンタイン直前で!)

 こんにちは、ネーさです。
 建国記念の日であり、バレンタインも間近な本日は、
 さあ、読書をサボり、展覧会情報もサボり、
 年に一度の?ショコラまつり!
 昨日(2/10)は私ネーさ、
 新宿のデパート各店さんへ
 ショコラ探しに行ってまいりました♪
 
「ふァいッ! まずはァ、ここからッ!」
「ぐるるがるぐる!」(←訳:伊勢丹さんです!)
 
  

 伊勢丹新宿店さんでは
 《SWEETS COLLECTION 2017》が開催中ですが……
 大混雑です!

「すごいィ~ねッきでス!」
「がるるぐるぅ!」(←訳:品切れ続出ぅ!)

  

 長い行列ができているのは、
 『パティシエ エス コヤマ』さんのブースですね。

 そして、フロアの奥には
 ↓『ル ショコラ ド アッシュ』のコーナーがあって、
 ディスプレイがとても美しかったわ♪

  

 一方、↓こちら南口の新宿タカシマヤさんでは
 《アムール・デュ・ショコラ》が開催中で、これまた……

  

「あるけないィ~ほどのッ?」
「ぐるるる!」(←訳:人また人!)

 来場者数が予想を上回り、
 カタログがなくなってしまうほどの盛況です。
 なので、すみません、写真があまり撮れなくて……(涙)

「みなさんッ、ほんとうゥにィ!」
「がぅるぐるる!」(←訳:チョコ大好き!)
 
 では、あちこちのお店で購入してきた
 ネーさおすすめのショコラをちょっとだけ御紹介しましょう♪

  ↓こちらは伊勢丹さんに出店している
  ベルギーの『デジレ』さんのアソートセットです。
  
  

  ↓こちらも、やはり伊勢丹さんで購入しました、
  モロゾフさんが展開するブランド『ベルジュール』の
  TEA(お茶)をテーマにした詰め合わせのBOXなんですよ。

  

  ↓こちらの小箱は、ラスクで有名な
  『ガトーフェスタハラダ』さんの『ショコラ・デ・ロワ プレミアム』。
  京王百貨店新宿店さん地下の『ハラダ』さんのお店で販売しています。
  
  

 もっと高級なショコラが欲しい~!
 自分への御褒美にとっておきのショコラを!
 という超級ショコラマニアさんには、
 はいっ、↓こちらのお店をおすすめします。

  

   小田急百貨店さんの地下フロアにお店を構える
   『ラ・メゾン・デュ・ショコラ』さん!

   こちらのお店は
   バレンタイン期間限定のイベントブースではないので、
   製品の種類と数量が豊富です。
   販売員さんのアドヴァイスを参考に、
   お好みのトリュフ、ボンボン、タブレット、
   お菓子やケーキを選んでくださいな。

「ふわァ~♪おいしそゥ~♪」
「ぐる!」(←訳:絶品!)
   
   



    さて、今回のオマケ画像はこ~んな感じで!
   
    伊勢丹新宿店さんの5Fだったかしら、
    《フィギュアの世界》と題されたコーナーを覗いてみたら?
   
    あらまっ、アメコミのヒーローさんたち?
   
    『ピクサー』のヒーローくんたち、
    スヌーピーくんもいて?
   
    ん?この『マリオ』キャラくんたちは……
   
    日本版じゃなくて米国版の『マリオ』グッズ?
   「きゃわゆいッ!」
   「がーるぅ!」(←訳:クールぅ!)
   愉快なオモチャたち、
   美味しいショコラに、
   春の新作アパレル。
   伊勢丹新宿店ってお買いもの天国だわぁ~と
   行くたびに溜め息させられます。

   明日は私もバレンタインのお買い物に行きます!という方々は、
   どうか充実&満足!な一日になりますように♪
   
   
     
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… 異星のひとへ …

2017-02-10 22:16:52 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 ひょええェッ、ふぶきィ??」
「がるる!ぐるるるがるるっ?」(←訳:虎です!ホワイトアウトっ?)


 こんにちは、ネーさです。
 今日の午後のお天気の急変にはビックリでしたね。
 僅かな間でしたが、
 横風と雪に建物のシルエットも見えなくなるプチ吹雪が!
 こんなのイヤだ~早く春よ来ておくれ~と南の空を仰ぎつつ、
 さあ、週末の読書タイムです。
 本日は、こちらの新書を、どうぞ~♪

  



         ―― デヴィッド・ボウイ ――



 著者は野中トモさん、2017年1月に発行されました。
 『――変幻するカルト・スター』と副題が付されています。

 前回記事の『ボブ・ディラン マイ・バック・ページ』に続いて
 今回も音楽系ノンフィクションといったらいいのかしら、
 ひとりのミュージシャンを主題とする作品をチョイスしてみました。

「ふァいッ! てんらんかいィ、やッてまスゥ!」
「ぐるるる!」(←訳:大規模に!)

 そうですね、現在、
 『DAVID BOWIE is デヴィッド・ボウイ大回顧展』
 (~2017年4月9日、寺田倉庫G1ビル/天王洲にて)が
 開催されているためでしょうか、
 書店さんの音楽本コーナーに行くと
 ボウイさん関連の書籍が多数並んでいます。

 ビジュアルに注目した作品、
 ステージ衣装を紹介する作品など、
 カメレオンを想わせるボウイさんの多才ぶりが窺える
 とてもカラフルな書籍の群の中で……

 最も地味、なのが、この御本かも?

「からーのォおしゃしんッ、ないィでスッ!」
「がるがるぐるるがるる~!」(←訳:そもそも写真が少ない~!)

 写真資料はモノクロで、
 しかも小さくて。

 けれど、そのぶん、著者・野中さんは
 力を込めて《デヴィッド・ボウイ》という
 稀有な“存在”を
 デビュー時から年代順に追ってゆきます。

 ロンドン郊外で過ごした少年時代から、
 20歳で家を出てロンドン中心部で暮らし始め、
 音楽活動を本格化しながら、
 舞台芸術に触発され、
 下積み期間を経て、
 やがて『スペイス・オディティ』発売。

「まッしぐらにィ~」
「ぐるーる!」(←訳:スターへ!)

 いえ、順風満帆だった訳じゃないのよ、
 『ジギー・スターダスト』でブレイクするまでは、
 そしてブレイク以後も
 アンフェアな契約に縛られて、
 ボウイさんの生活は大変だったようです。

 曲が売れても、
 世界中の音楽ファンに顔と名が知られるようになっても、
 延々と束縛される……

 或いは、その苦悩が、
 ボウイさんの創造力のエンジンだったのでしょうか。

「かいほうゥされたらァ~…?」
「がるるぐるる?」(←訳:何かが変わる?)

 契約にまつわるしがらみから解放されたボウイさんは、
 どうなったか。

 著者・野中さんはその頃を
 『インターナショナル・スーパースター』として
 御本の第五章に描いています。

 それは、頂点なのか、
 円熟期なのか。

 華やかなワールドツアーが敢行され、
 アルバムはチャートの一位に輝き。

 それなのに、ゆっくりと
 露出度は減ってゆく。

 創作を続けても、
 新曲を発表しても、
 顔は出さない。

 このあたりがまた、
 ボウイさんと他のミュージシャンさんたちの
 違っているところ、ですね。

「ふしぎなァ、おひとでス!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:ホントに宇宙人!)

 ボウイさんを論じるというよりは、
 フェアな視点を持った評伝、という方が
 この御本の性格を表せるかもしれません。

 静かに、
 見守るように、
 一人のアーティストの“公私”を辿る。

 彼が遺した波紋の大きさを噛みしめながら……

「またァ、あいたいィでス!」
「がるるるぐるるがる!」(←訳:大好きな宇宙人さん!)

 またいつか、
 異星のひとがこの地球へ帰ってきてくれますように。

 そんな思いを抱くボウイさんのファンの方々は、
 ぜひ、一読を♪
 
 
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ただひとり。

2017-02-09 22:08:00 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 ゆきィ、ふりましたでス!」
「がるる!ぐるるるるっるがる!」(←訳:虎です!積もらなかったけど!)

 こんにちは、ネーさです。
 悪寒を感じて風邪薬を飲みました……
 週末も寒さが続くようですので、
 皆さま、ムクムクに厚着してくださいね。
 私ネーさもフリースを重ね着して(ガサゴソ)、
 さあ、ここからは読書タイムの始まりです~♪
 
  



      ―― ボブ・ディラン マイ・バック・ページズ ――



 KAWADE夢ムックの文藝別冊は、2016年12月に発行されました。
 先頃のノーベル文学賞受賞のニュースによって
 あらためてその名を世に知らしめたボブ・ディランさんの業績を
 コンパクトに紹介・解説するMOOK本です。

「ひょうしのォ、おしゃしんのァ~…」
「ぐるがるるる!」(←訳:眼が怪しいぞ!)

 物理学賞や化学賞を受賞した科学者さんたちが、
 家族の理解と協力のおかげです、
 先達や同僚の仕事があったからこそ、と
 感激の面持ちで挨拶するのに比べて、
 ああ、この御方は。

 受賞を告知する電話に出ない。
 賞を受け取るか否か、ギリギリまで答えない。
 そして、きらびやかなパーティーは
 先約があるので、と欠席。

「それでェ、いいのでスゥ~!」
「がるるぐぅるるがる!」(←訳:それがディランさん!)

 そうなのよねー、
 ディランさんがノーベル文学賞!って聞いたときも、
 燕尾服にドレスアップして舞踏会とか、
 メダルを手にしてカメラににっこりとか、
 全然想像できないわ~と思ったものです。

 で、その通り、
 うまいことセレモニーをフケちゃったりして、
 やっぱりディランさんはディランさんね、
 なんて安心もしました。

「ちょッぴりィ、かわりものさんッ♪」
「ぐるるるるがる♪」(←訳:ヒネクレ者さん♪)

 そんなディランさんが、
 “詩人”として評価された理由は?

 ディランさんの詩歌には
 どんな背景が息をひそめているのか?

 ディランさんの詩が英語であるだけに
 私たち日本人には解りにくい《英詩》の実情を
 多角的に論じているのがこの御本です。

 執筆者、解説者として登場するのは、
 菅野ヘッケルさん、
 ピーター・バラカンさん、
 礒﨑憲一郎さん、
 四方田犬彦さん、
 石川忠司さん他、
 音楽評論やアート論の名手さんたち。

 また、御本の後半には
 1962年から2016年にかけてディランさんがリリースした
 アルバム・ガイドも掲載されています。

「かッこいいィ~!」
「がるぐるぅ!」(←訳:美男だよぅ!)

 写真、対談、詩句の詳細な訳文など
 さまざまなディランさん論が収録されている中で、
 私ネーさが何度も読み返したのは、

 樋口泰人さんによる
 『巨大なモニターの前の小さな巨人』。

 詩人としてよりも
 歌い手としてのディランさんを描写したこのエッセイ作品で、
 樋口さんはディランさんを“小さな人”と形容します。

 巨大である必要はない、
 偉大である必要もない、
 ただの、小さい人。

 しかし、誰も彼の代わりにはなれない。
 彼のようには歌えない。

「それがァ、りゆうゥ!」
「ぐるがるる!」(←訳:ただひとり!)

 ひとりの詩人の軌跡の、ごく一部。

 そのごく一部を、
 音楽好きな方々、
 活字マニアの皆さまも、
 どうか、ぜひ。
 
 
 
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