喫茶 輪

コーヒーカップの耳

論文・北山冬一郎

2010-09-07 19:05:41 | 日記

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昨日、『KOBECCO』の編集長が取材に見えたことを書いた。

今日になって思い至った。

10月号の特集記事は「阪神間レトロ・モダン物語」と予告がされていたのだ。

それで、わたしの知るレトロ建築を紹介したのだが、彼女は、わたしをも取材して帰った。

そうだったのだ、わたしも知らぬ間にレトロの対象になっていたのだ。

そうですねえ、もう、この人間けっこう古いです。

そして、決してわたしはモダンではありません。

      

「輪」オープン以来たしか22年を過ぎたと思うが、これまでで最も遠い地からのお客様があり

ました。

2番席に着かれたその人は、大きなバッグを傍らに置き、

「Iさんでしょうか」と。

「ハイそうです」と答えると、

「わたし、U崎と申します」と礼儀正しく答えられた。

驚いた。まさかである。千葉県の人である。

バスでやって来たのだと。関西は初めてだと。恐れ入りました。

彼はバリトンの声楽家であり、今、幻の詩人、北山冬一郎のことを論文に書き進めておられ

る。

で、わたしがブログに、北山冬一郎のことをチラッと載せたものだから、検索にかかってコメ

ントを寄せて下さった。それ以来、メールでやり取りしていた人なのである。

彼は非常によく調べておられる。自分が集めた資料をわたしにも惜しげなく提供して下さって

いる。誠実そのものの人だ。

しかしまさか、千葉からやって来られるとは思ってもみなかった。

せっかくだから、わたしも、わたしが知りうることをお話し申し上げた。

北山冬一郎のことは、これまで誰も詳しいことを書いていない。しかし浮かび上がって来るも

のには、不思議な魅力がある詩人である。終戦直後の混沌の時代を、一時脚光を浴びなが

ら、後は誰にも顧られることなく駆け抜けた人である。異臭ふんぷんたるものがある。

この人を論文の対象にしたU崎さん、偉い!

  「頑張って、いい論文書いて下さい」

U崎 「はい、書けたら、Iさんにお送りします」

で、帰って行かれたが、今夜は大阪ドーム球場でロッテ・オリックス戦を観戦して、明日帰る

のだと。

彼は、ロッテファンなのだ。

         

明日8日(水)の「輪」のおすすめ定食は、

「カツ丼」です。

よろしくお願いいたします。

コメント (4)
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