喫茶 輪

コーヒーカップの耳

私家版。

2011-10-07 11:09:56 | 本・雑誌

これまで、孫のことを書いた詩集を10冊以上作った。

すべて手づくりである。

PCを入手する以前はワープロで作成していた。

発行部数はそれぞれ3部のみである。

増刷は一切していない。

他人様にも見せていない。

そこで今回の『喫茶 輪』である。

これも最初は、3部限定のつもりだった。

ところが、そうもいかなくなり、10部ばかり作った。

それで終わりにするつもりだった。

だから、全て手作りである。

一冊一冊、プリンターをガチャガチャ鳴らせ、ホッチキスでとめ、製本テープを貼り、カバーを作り、仕上げた。

が、事態は変転。

もう何部作っただろうか。こんなことなら最初から、印刷屋さんに頼めばよかった。

ということで、もう絶版にしようと思っている。

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杉山平一氏。

2011-10-07 08:45:18 | 喫茶・輪

「詩書展」にお越し頂いた時の杉山平一先生のエピソードを一つ。

お帰りに、付き添いの娘さんがコーヒー代として、2千円をお出しになる。

お二人分でお会計は760円である。

「足りますか?」と仰る。とんでもない。家内がお釣りをお渡しすると、申しわけなさそうになさる。そしてその後だ。

杉山先生が、財布から5千円札をお出しになり、それをそのまま置いて行こうとなさる。

とんでもありません。

「どうか先生、わたしを罪人にしないで下さい。暴利をむさぼる喫茶店の主にしないでください」と思いとどまって頂いた。

そこでである。今朝、ある冊子を読んでいたら、こんなことを、編集工房ノアの涸沢純平さんが書いておられた。

「杉山さんの全詩集、上下巻を作っているときの年末、「ちょっと、寄らしてもらってよろしいか、おられますか」、と中津の路地裏にあるわが社に、杉山さんが来られた。狭くてきたない、普通の家を事務所にしているむさ苦しいところへ、杉山さんは気にされるふうもなく、気さくに足を運んでくださる。その日、杉山さんは、思いもかけぬ金額の小切手を差し出された。私は妻と顔を見合わせた。その年の瀬を、思いもしなかった杉山さんの小切手で、越えたのだった。」

杉山平一という人はそういう人なのだ。

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