喫茶 輪

コーヒーカップの耳

「坂本遼展 ~生誕110年~」

2014-12-07 16:14:00 | 
加東市滝野図書館で催されている「坂本遼展」に行って来た。

滝野図書館は播磨中央公園にある。
播磨中央公園には8年ほど前に宮崎翁、坂野女史と行ったことがある。
その時は足立巻一先生の詩碑に用があって。
その詩碑の拓本を坂野女史と宮崎翁とが採って下さって、後わたしに提供して下さった。
今もうちにある。
今日出かけたのは、記念講演があってそれを聞こうと思ってのこと。
講師は先日有本芳水の件でお世話になった姫路文学館の学芸員、甲斐史子さん。

前に播磨中央公園に行ったのは車でだったが、今回はわたし一人でもあるし、午前10時半から始まるという時間制限もあったので電車で。
ところがこれが面白かった。
加古川で加古川線に乗り換えるのだが、待ち合わせが3分しかない。ホームが違う。わたし、加古川線に乗るのは初めて。駅員さんに確認しながらホームに上がると、これから出発する電車がドアを閉ざしている。わたしあわてて「乗ります」と言いながらドアをノックした。すると後ろから来られた婦人が「これを押すと開くんです」と言ってボタンを押された。そしたらドアが開いた。「知らないもので」と言ったが恥ずかしかった。
車内アナウンスで「後ろの車両はドアが開きません。お降りになる方はお早めに一番前の扉に」と。いわゆるワンマンカーなのだった。運転手がキップを確認するのだ。無人駅が多いのですね。しかも「ドアは自動では開きません。ドア横のボタンでお開き下さい」とのアナウンス。わたしは戸惑ってしまい、まるで自分が田舎者のような気分になりました。
滝野駅に9時50分に着いたが、受付は10時から。会場の図書館までは15分とある。しかし場所がすぐにはよく分からない。それでタクシーで行こうかと思ったがタクシーがいない。仕方なく歩く。歩くのは苦ではないが結構遠かった。地図で確認はしていたのだが合ってるのかどうかちょっと不安だった。わたしの足で15分ぐらいだったから、普通なら20分ぐらいでしょうね。
なんとか会場に着いて、先ず展示会場へ。遼さんの生原稿や草野心平などからの書簡などが展示されている。高橋夏男さんの著書も展示されていた。そういえば、高橋夏男さんにもお会い出来るかもと思っていたのだが、来てはおられなかった。
講演会場は別室で思ったより広い。定員100人でほぼ満席、盛況だった。
始まる前に甲斐さんにちょっとご挨拶して、「後でお渡ししたいものがあります」と告げる。
この前お世話になった「有本芳水」のことを書いた「KOBECCO」12月号と、1月号の原稿をお見せして間違いがあればご指摘を、のつもり。
講演はピッタリ12時に終わる。見事に組み立てられた講演だった。あれなら坂本遼を知らない人にもよく分かっただろう。しかも声がソフトで聞きとりやすい。慣れてもおられるのだろうが良かった。
終わって、さてと思ったが、彼女はたくさんの人と次々にご挨拶。わたしは遠慮してしばらく待つ。その間に、坂本遼さんのご子息、阪本章さんに初対面のご挨拶。章さんは二年ほど前に、坂本遼さんのことを書いたわたしのブログにコメントを寄せて下さり、しかもその後「喫茶・輪」まで来て下さったことがあるのだ。その時丁度、わたしは留守にしていて申しわけなかったのでした。今回のこの催しも、章さんからのコメントで知ったのでした。そんなこともあり、少々遠いところだったが思い切って行ったのでした。
章さん、わたしに「これをどうぞ」と言って、持っておられたお弁当を下さった。
多分、主催者(加東市教育委員会)から関係者に配られたものだったのだろう。
「いえいえ、それは…」とご辞退したが「どうぞどうぞ」と、戴いてしまった。しかしこれは大いに助かった。
甲斐さんに渡すものを渡して、さて帰るのだが、わたしにはもう一つ目的があった。
播磨中央公園の「いしぶみの丘」に行きたいのだ。章さんに道を聞いたが「わたしもここは初めてで…」知らないと。仕方なく、なんとかなるだろうと勘を頼りに歩いて行くことにした。この公園は広大な広さがある。頂いた弁当が助かる。この辺りに食事の出来る施設がない。で、公園のどこかで食べようと思った。もしこの弁当を戴いていなかったら、「いしぶみの丘」は諦めて駅の方へ帰るしかなかった。
「いしぶみの丘」を公園内の駐車場の絵地図で見つけて歩いて行ったのだが、やはり道に迷ってしまった。変な所へ出てしまって困り、また元の方へ少し帰って、公園事務所があったのでそこで尋ねた。親切に地図のプリントを下さって教えて下さった。ついでにそこでトイレをお借りし、ベンチを指差し「ここで弁当を食べてもいいですか?」と言うと。公園利用者が使う部屋を示して、「あそこにテーブルがありますからどうぞ」と。自販機でお茶を買って弁当を食べ、助かった。
教えてもらったように歩いて行き、結構歩いたが、すぐに分かった。しかも前の時には行かなかった杉山平一先生の詩碑もすぐに見つかって、これはうれしかった。写真撮ったのでまたここにアップします。
そこからまた歩く。天気は良く、汗ばむほど。小鳥が啼いてのどかだ。少々歩いて、以前宮崎翁たちと来た所へ出た。懐かしかった。足立巻一先生の詩碑だ。そして白川渥、竹中郁さんと三基の文学碑。小道を挟んで富田砕花師の大きな文学碑。いやホントに懐かしかった。
さあ、帰りだ。電車は一時間に一本と聞いていた。各時間の51分に来るだけと。時計を見ると、1時20分だった。1時51分に間に合うだろうか?到底無理のような気がした。でも急ぎ足で歩くことにした。やっと先の図書館のところまで来た時が1時35分だった。これなら急げば間に合う、と思い歩く。汗が出た。上着を脱いだ。なんとか間に合った。
来た電車は今度は一両だけだった。滝野駅で「加古川方面乗降口」とホームに印があるところで待っていたのだが、わたしのほかの二人の女性が別の「西脇方面乗降口」と印のあるところで待っておられた。ちょっとおかしいなと思ったのだが、単線でホームは片側だけなので、私とは逆方面に行く人だと思った。しかし、止まった電車に乗ろうとしたがわたしの前の扉は開かない。先のことを思い出してボタンを押したが開かない。ふと見ると「西脇方面乗降口」のところにいた人は乗ってしまっている。あわててそこへ向かって「乗ります!」と走って行き、なんとか乗れた。
まるで珍道中でした。




コメント
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