喫茶 輪

コーヒーカップの耳

二冊の追慕本

2024-02-09 17:18:13 | 本・雑誌
妻が今朝は地域の老人給食のお手伝いに行った。
自分が十分老人なのですがね。まあ、元気なのでボランティアで。
そこでもらってきたと言って本を二冊。


『「秋子への手紙」亡き妻へ』(坂口哲生著・2023年11月25日刊)と『太陽から星になった妻』(宮崎山動著・2023年9月1日刊)。
著者は別だが、これは偶然なのか?
どちらも妻を追慕するもの。しかも高齢者。長年連れ添った奥様を最近亡くされてのもの。
『「秋子への手紙」亡き妻へ』は二段、三段にびっしり書かれていて、しかも330ページもある。
ちょっと読んでみたが…。
もう一冊の『太陽から星になった妻』は句集である。丁度100ページほど。
これは読みやすい。
しかもその俳句がいいのだ。心が素直に出ている。
心情あふれるものが多い。
俳句と書いたが、季語のないのもたくさんあるから、これは川柳なのか。

   年の暮れ若返った顔で旅に発ち
   手も足も首も温か妻は逝く
   頬ずりを温もりのある頬に添え
   安置室「寒いだろうがこらえてくれ」
   久しぶり口紅見たよ安置室

   明日からの僕の服は誰に問う
   窓拭いて吾が妻の「星」を決めようか
   死んだなんてウソだ妻は生きている


このあとも涙を誘う句が並ぶ。

追記
  驚いた。この著者のことをネット検索したら、二人は同一人物だった。
  だから二冊の本は偶然ではなかったのだ。
  そういえばタイトル文字の筆跡が同じだ。うかつなことだった。
  それにしても内容の趣が違う。句集は読めるがもう一冊の方には手が伸びない。
  同一人物とは思えない。わたしの勘が鈍いのか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

奥さまお手を

2024-02-09 08:54:41 | 日記
昨日の夙川でのこと。

土手の下の遊歩道へ降りようとしたら、思ったより段差があって、危なかった。正規ではない所だったので。
その後、妻も降りて来ようとした。
「奥様お手をどうぞ」(古い映画のタイトルだ)と手を出したら、素直に手を出してきた。

こんな短歌があるのを知った。言い得て妙である。
「手をつなぐほどの若さも老いもなく 妻とゆきたり花の武蔵野」 愛知県 笠井忠政                                     
                  NHK学園武蔵野市短歌大会大賞作(令和元年度)
もちろんわたしどもは「老い」である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする