ＡＯＲ ＷＬ－５００（ループアンテナ）

　一時期、携帯可能で自宅の屋内でも使用可能なアンテナを探した時期があった。古いＢＣＬラジオをコレクションし始めて、そう月日のたっていない時期である。色々ネットで調べる内に、高級受信機で知られるＡＯＲという会社の、ＷＬ５００というループアンテナを知った。

　仕様はいたってシンプルである。透明な皮膜のついたケーブルとそれを菱形に開くための支え棒。ケーブルにはすでに、3.5～10Mhzと10～30Mhzの受信帯域に同調させる切り替えボックスがついている。この小さなボックスからはアンテナから取り出されるケーブルが出ており、写真左側のコントロールボックスと接続されるようになっている。

　このコントロールボックスには、９Ｖの箱形電池をセットするかDC12Vの外部電源を接続するようになっている。ここから受信機へアンテナからの信号が送られるのだが、接続コネクターはＢＮＣ方式で一般的受信機の形式である。
　ラジオとの接続は、ＢＮＣコネクター付きで、なおかつ取り出すケーブルが２本のワイヤーになっているものを使っている。昨今の受信機ならともかく、直接ラジオに接続するためには、２本のワイヤーが取り出せないと意味がないからだ。

　使用した感じは良好といえるものであった。劇的な効果とは言えぬが、設置場所等をうまいことすると、かなりの効果が望めそうである。携帯ももちろん可能なので、ばらして佐渡などへの帰省の際にも持ち歩いた。釣りの時に使用する玉網の柄の先端にアンテナを引っかけて使用。つり下げるだけなので、設置は至って簡単。この安易さもこのアンテナの長所といえる。

　価格は１万～２万円の間で、小遣いのゆとりのある時に無理をすればといった価格であった。ソニーのＡＮ－１もなかなか便利だが、それが来る前の主力の移動式アンテナとして使っていた。