△アウトロー(2012年 アメリカ 130分)
原題 Jack Reacher
staff 原作/リー・チャイルド『ジャック・リーチャー ・シリーズ One Shot』
製作/トム・クルーズ ドン・グレンジャー ポーラ・ワグナー ゲイリー・レビンソン
監督・脚本/クリストファー・マッカリー
撮影/キャレブ・デシャネル 美術/ジム・ビゼル 音楽/ジョー・クレイマー
cast トム・クルーズ ロザムンド・パイク ロバート・デュバル リチャード・ジェンキンス
△ジャック・リーチャー
ときどき、邦題に首をひねることがある。
これも、そうだ。
この先、何作のジャック・リーチャー・シリーズが映画化されるかわからないけど、
やっぱり第1作のタイトルは『ジャック・リーチャー』だけで好くない?
その後も『ジャック・リーチャー2』とかでいいような気がするわ。
副題は、付けても付けなくても、どちらでもいいけど。
だって『アウトロー』って題名は、どうしてもクリント・イーストウッドなんだもん。
でも、それはそれとして、
どうしてトム・クルーズはこの映画を撮りたかったんだろう。
製作したのは、トム・クルーズ・プロダクションだから、
クルーズ自身が陣頭に立って原作を取り、映像化したんだろうけど、
観ている最中、そればかりが気になってた。
だって、渋さをとおりこして、地味なんだもん。
そりゃあ、CGを多用した映画ばかりに出演していると、
どうしてもCGを極力排除した古典的な撮り方の作品に出たくなるのは人情だ。
渋い演技陣で固めて、カーチェイスだって自分でこなしたいとおもったりするだろう。
でも、カーチェイスだったら『雨の訪問者』や『ブリッド』を凌駕しないといけないし、
数人の悪党相手に地味な戦いをこなすんなら『刑事ジョン・ブック目撃者』とか、ある。
どうしても、この作品だけのオリジナリティが必要になってくる。
5人の被害者を出した狙撃事件が実はたったひとりを狙ったもので、
しかも容疑者となっている男は、ジャック・リーチャーが危険視していた人物だったけど、
実はスケープゴートにされていただけって謎解きが、前半の途中で明かされる。
つまり、これらの謎は最初から誰にでも想像のつくもので、
佳境まで引っ張るものではなく、早い内にばらしてしまって、
あとは、ひたすら、敵を追い詰め、追い詰められ、
西部劇のように決闘にいたるくだりをじりじりと描いていくという構成にしたものの、
さて、どうだったんだろう?
ようやく出てきてくれたか~とおもったのは、射撃場の親父ロバート・デュバルで、
この先もしもシリーズ化されたときに登場するかどうかはわからないけれど、
ともかく、渋みの先輩として、要所をかためてくれる。
デュバルの存在は大きいね。
大きいといえば、ヒロインの弁護士ロザムンド・パイクは体がでかいですね。
なんだかものすごく豊満な印象があって、弁護士っていうよりモデルみたいだ。
バストショットの切り返しのときとか、もしかしたら、トム・クルーズは壇に乗ってないかしら?
そんな余計な話はともかく、この文章を書いている今、ぼくは片目をつむってる。
なぜって?
「視力をたくわえておくためさ」