▽はじまりへの旅(2016年 アメリカ 118分)
原題 Captain Fantastic
監督・脚本 マット・ロス
出演 ヴィゴ・モーテンセン、フランク・ランジェラ、キャスリン・ハーン
▽『モスキート・コースト』のワシントン州版か
アメリカ北西部ワシントン州の山奥にこもってサバイバルライフを実践している父と6人の子供たちという設定だけは妙に『北の国から』みたいで魅惑的だったんだけれども、ところがどうして父親のヴィゴ・モーテンセンはなんとも偏屈すぎて、その偏執すぎる生活と教育に妻のキャスリン・ハーンは心を病み入院の果てに死に、娘の死に堪えられなくなった舅フランク・ランジェラがちからづくで孫たちをひきとるっていう展開はまだ納得できるものの、それが結局、爺さんちから脱走して母親の遺灰を散じて弔うという、もういつの時代だよっていいたくなるような内容に、実は辟易した。
アナログにはアナログの好さがあるし、自然回帰はそれなりに有意義だろう。もちろん、そんなことはわかってるけど、過激な行為の果てには無理が祟って周りや家族に迷惑をかける。そんなことをしてまで押しとおさなくちゃいけない拘りは、ぼくは認めたくないな。でも、ふしぎなくらいに評価が高いんだよね。ぼくの目が曇ってるのかな?