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エイリアン コヴェナント

2017年09月24日 02時03分37秒 | 洋画2017年

 ◇エイリアン コヴェナント(2017年 アメリカ、イギリス 122分)

 原題 Alien Covenant

 監督 リドリー・スコット

 出演 マイケル・ファスベンダー、キャサリン・ウォーターストン、ダニー・マクブライド

 

 ◇『エイリアン パラダイス・ロスト』

 そうか、ついにデヴィットの物語になってしまったのか。

 マイケル・ファスベンダー演じるデヴィットとウォルターが『プロメテウス』との懸け橋になってるっていうか、もはや、この2作はデヴィットの物語になってしまっている。まあそれならそれでいいのだけれども、いってみればもともと主役は誰あろうエイリアンなわけで、これまで語ることをせずにきたエイリアンがデヴィットというアンドロイドを下僕にしてしまったことで、脳髄と言語を得たということになる。この成長は凄いっていうか、ようやくっていうか、ともかくそういうことだ。ただ、コヴェナントという単語の意味は「契約、約束、 誓約、盟約」といったことだから、誰と誰が約束したのかといえば、やっぱり、デヴィットとウォルターってことになるのかな?それとも、デヴィットとエイリアンなのかな?

 ちなみに、宇宙探査船プロメテウス号が惑星LV-223に向けて地球を出発したのは西暦2089年で、到着したのは2093年12月25日ということになってて、それから10年後に植民船コヴェナント号が到着したようだから、この物語は2103年に起こったということになる。さらにいうと『エイリアン』において宇宙貨物船ノストロモ号が地球へ帰る途中に小惑星LV-426(惑星LV-223じゃないのね)に降り立ってしまったのが2122年だから、リドリー・スコットが設定した年賦どおりに進んでいることになる。さらにちなみにエレン・リプリーの乗ったノストロモ号が発見されたのはエイリアンとの遭遇から57年後とされているから、2179年ってことになるのだ。ただまあ、エイリアンのシリーズも3.4になるとちょっと食傷気味にはなるんだけどね。

 ただまあ、物語という観点からいえば、あきらかに『プロメテウス』の方が厚みがある。この『コヴェナント』は惑星LV-223の超古代文明が圧倒的な数のエイリアンによって滅亡してしまった風景だけは観ることができるものの、あとは『エイリアンⅡ』のように「今度は戦争だ!」といいきってしまいそうな感じだった。ただ、コヴェナント号に乗り込んでしまったエイリアンの子供たちのその後の物語が制作されないとはいいきれないわけで、何部作になるのかはわからないけれど、次回作に期待するしかないような繋ぎの作品であることはまちがいないかな。

 なんにしても、今回はちょっといただけない。

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