△たかが世界の終わり(2016年 カナダ、フランス 99分)
原題 Juste la fin du monde
英題 It's Only the End of World
監督・脚本 グザヴィエ・ドラン
出演 マリオン・コティヤール、ナタリー・バイ、ヴァンサン・カッセル、レア・セドゥ
△死期を知ったときのリアリズム
まあふつうはどれだけ疎遠にしていても、死期が迫ったことを知らせようとしたときに、電話やメールとかでまずはそれとなく前置きするような気がするんだけど、どんなもんだろね?
そんなことをしてしまったら物語にはならないかもしれないけど、仲の悪い家族、ぎこちない家族、ほんとうはそんなことはないのについつい諍いをおこしてしまう家族、愛しているというのは簡単だし子供が帰ってきたらおもいきり楽しませてやろうとおもいつつもどうにも感情がちぐはぐになって喧嘩してしまう家族、世の中にはいろんな家族があるもので、けど、死期という問題はそういうことを超越したところにあるような気がするんだけどね。
で、この作品なんだけど、ギャスパー・ウリエルが死期をつきつけられ、疎遠にしていた実家に戻ってきて、自分の長くない人生を語ろうとするものの、案の定、ばらばらの家族はささいなことから喧嘩をしてとても死の宣告をされたことを告げられない。嫁という立場から客観的に物事を見ることのできるマリオン・コティヤールがいても尚、感情の起伏の激しい家族の仲は上手に行かないのだという、そういうもどかしさと哀れさはよくわかるんだけど、実際の家族はどうなんだろう?
そういうことからいえば、あんまりリアリティを感じなかったな。