◇ワンダー・ウーマン(2017年 アメリカ 141分)
原題 Wonder Woman
監督 パティ・ジェンキンス
出演 ガル・ガドット、クリス・パイン、エレナ・アナヤ、デヴィッド・シューリス
◇セミッシラ島の王女
なにがびっくりだといって、監督のパティ・ジェンキンスだ。2003年、シャーリーズ・セロンの『モンスター』で初演出して以来ずっと沈黙してきたのが、いきなりこの作品の監督になるってのはどういう展開なんだろうか。1作目と2作目の違いというより、14年間もなにをしてたんだろっておもうし、作品の選択肢はほかになかったのかって気もする。ただ、女性監督の作品としては史上最高の大ヒットだっていうんだから、これはこれでよかったのかもしれないね。
次にびっくりしたのは、ガル・ガドットだ。祖国イスラエルで18歳から2年間兵役に就いていたせいで、この作品はレバノンで上映不可らしい。なんなんだ、それは。いや、レバノンにしてみれば、イスラエルは共に天を戴かずというほどの敵国なんだから上映禁止にするというのもわからないではないけど、なんだかな~とはおもう。
その昔『アマゾネス』を見たとき、なんだかもうたまらずわくわくしたものだけれども、そのアマゾンの王女っていう設定かとおもえばそうじゃなくってまるで異次元のアマゾンの王女だったのね。なるほど~。だから第一次世界大戦のときにこっちの世界に来て現代になってもおんなじ姿かたちなわけなのね。とはいえ、この時代設定、ちょっと難しくないか?ことに日本人には馴染みが薄いし、どれくらいの観客が理解できてるんだろう?
まあ、そんな余計な心配はともかく、ようするにヒッポリタ女王の娘ダイアナの紹介篇っていうわけで、冒頭とラストは現代だし、もうバットマンことベン・アフレックからのメールが届いて、正義の戦いを予感させるわけで、これからは『アベンジャーズ』みたいになっていくのねって感じだ。ふ~む、なんだかな。