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☆=☆☆☆☆☆
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エヴォリューション

2017年09月05日 00時12分36秒 | 洋画2015年

 △エヴォリューション(2015年 フランス 81分)

 原題 Evolution

 監督・脚本 ルシール・アザリロビック

 出演 マックス・ブラバン、ロクサーヌ・デュラン、ジュリー=マリー・パルマンティエ

 

 △スペイン・カナリア諸島ランサローテ島

 おもせぶりなだけの退屈な物語っていう印象は拭い去りがたい。

 エヴォリューションってのは変異と淘汰による進化をいうらしいんだけど、女と少年だけの島が未来のありさまなのか、それとも進化の過程の中の実験場なのか、あるいは異星人の侵略の過程なのか、それともこの島だけが特異な進化を遂げてしまったのか、それはわからないし、映画も明確には結論づけてないんじゃないかしら。

 まあ、胎児が体内に埋め込まれて、いわば培養体のようにされたとおぼしき少年マックス・ブラバンの真っ赤なセーターと真っ赤なヒトデがやけに鮮烈で、そのヒトデをマックス・ブラバンが石でみずから叩き潰してしまうのはなんとも暗示的だし、女の背中にある蛸のような吸盤も謎のままだ。

 とはいえ、マックス・ブラバンがこの島を抜け出していくことによって、このふしぎな進化のありさまは世界の知るところとなるのかもしれないし、もしかしたら世界のすべてがとうにこの島のようになっているかもしれないんだけど、そんなことはどうでもいい。つまりは、マックス・ブラバンの自我がめざめ、それによって幼年期から脱していくさまが抽象的に描かれているとおもえばいいんじゃないかと。

 前作の『エコール』もなんとなく似たような世界観で、あちらは少女から女性へ育て上げてゆく一種の孵化器めいた施設を想像させたけれども、この監督ルシール・アザリロビックはやっぱり誕生と進化がモチーフなんだね。どちらも子供と女性だけの世界だけど。ただ、2004年に前作を撮ってまもなくこの作品の製作を希望したらしいんだけど、スポンサーを集めるのに10年も掛かったっていうのは、う~ん、なかなかこういう世界を映像にするのは理解と賛同が得にくいのかしらね。わかるようなわからないような…。

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