Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

京都暮らし86. 四寺廻廊その二・続

2009年09月01日 | field work
通例登山道であればあまり感じないのだが、立石寺の五大堂に向かう柵のない道は、恐怖感が迫ってくる。何しろ200m下にある麓の景色がモロに見えているので、道幅が広いにもかかわらず、不思議と怖さを感じる。こういうときは、頭の中で念仏を唱えながら歩くしかないだろう。
 だが実際には、道の外がいきなり200m下の麓というわけではなく、下からあがってくる階段に、この道が接しているのである。それでも落ちれば、重傷だろう。
 実は、みえがかりて麓が迫ってくるように視界に入ってくるような、道の設えなのである。なにしろ修行者達の山だから、こうした設えが随所にあるのかもしれない。恐怖感にとらわれていないで現実を静かに観察しなさい、そうすれば恐怖感は消えるであろう、という仏教の教えなのではないかと私は、類推した。まあ考え過ぎかと思うが。
 それにしても、麓の風景がどこかヨーロッパ的にみえる。ここは、そういう地域の自然環境なのだろうけど、案外山形県は美しいのもかも知れないなどと、勝手にイメージしてしまうところが、心憎い。

山寺・立石寺
Fuji FinepixS5pro,AF-SNikkor16-85mm/F3.5-5.6ED
コメント
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