Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

京都暮らし89. 四寺廻廊その三・続

2009年09月04日 | field work
 平たく言えばデザイン研究とはいえ、大半のお堂が消失しているいささか退屈な毛越寺を歩いていたら、出口付近に往事の姿の復元図に遭遇した。
 複数の寺が池に向かって廻廊を延ばしてゆく姿は京都にもあまり例がなく、独創的なデザインだ。おそらく本堂から左右の廻廊に囲まれつつ、正面の池を望むことが出来るのであろう。だから建築やランドスケープの空間としては、興味深い構成だと思われた。毛越寺の歴史を読むと、往事は堂塔40僧坊500と記載されているので、 復元すれば、なかなか堂々とした立派なお寺である。実現には多額の資金をようするが、復元する価値はあるだろうと判断できた。
 浄土式庭園で知れ渡っているのは、宇治の平等院鳳凰堂である。往事の毛越寺は、それと並び称されてもよいぐらいの特色あるデザインであったといえよう。それにしてもこの地方の京都志向、正確に言えば都志向には何故か根強いものを感じる。
 1189年この地方で自害した源義経主従をしのび松尾芭蕉は、ここでも名句を残している。
 「夏草や 兵どもが 夢の跡」

平泉・毛越寺
Fuji FinepixS5pro,AF-SNikkor16-85mm/F3.5-5.6ED
コメント
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