デジタルカメラの色の話を続けよう。デジタルの色は、プログラムで再現しているので、当然プロダクト制作者の考え方が反映されてくる。色標を基本に現実に忠実な色をと考えるのは、まっとうな考え方だが、実は現実というのは極めて大きな変数だと私は考えている。
この襖絵に描かれた図版のデザインは、現代作家(注)の手によるが、制作から4年程の時間が経過している。そんな時間のなかで色は退色し、今後も色あせてゆくのである。そう考えれば、現実というのは、変化し続ける、ある時間における一つの状況にすぎない。従ってそんなあやうい存在の今の姿を、忠実に再現されても、私にはあまり意味がない。
むしろ、現実に残されている色を手がかりに、退色する前はもう少し色が際だっていたという解釈を、私は支持する。このカットの襖絵も、私が見た実際の色よりも、少し派手気味に再現されている。
広く私達の空間に眼をひろげれば、屋外の風景には、空の青空が反射されており、夕方になれば建物の色は夕焼け空の色に染まる。そうした環境の影響をうけながら、私達は色をみているのである。つまりそこには環境色という概念がある。このような理解は、実は絵を描く場合の認識方法でもあるのだ。
そんなことを考えてゆくと、デジタル機材、特に撮影素子とブログラムも、ボディメーカー製よりは、これまでフイルムの化学変化による色のあり方を追求してきたフィルムメーカー製の方に一日の長があると私は考えている。 私は、色標に忠実というのではなく、これまで多くの人に使われているベルビアというフイルムのように、相互に影響し合う環境色とい捉え方を、支持しますね。
だから最近、色標測定器みたいな抜けの悪い撮影機材のC社とかN社には全く興味が無く、むしろ環境色という捉え方に近いコンセプトがあるフジの機材を、個人的に評価しているのですね。さらに言えば、現実色よりさらに良い色で表現してもらいたいと (笑)。
注:木村英輝
京都・青蓮院門跡
Fuji FinepixS5pro,AF-SNikkor16-85mm/F3.5-5.6ED
シャッター1/57,絞りf4.5,焦点距離35mm,ISO1600,F2モード
この襖絵に描かれた図版のデザインは、現代作家(注)の手によるが、制作から4年程の時間が経過している。そんな時間のなかで色は退色し、今後も色あせてゆくのである。そう考えれば、現実というのは、変化し続ける、ある時間における一つの状況にすぎない。従ってそんなあやうい存在の今の姿を、忠実に再現されても、私にはあまり意味がない。
むしろ、現実に残されている色を手がかりに、退色する前はもう少し色が際だっていたという解釈を、私は支持する。このカットの襖絵も、私が見た実際の色よりも、少し派手気味に再現されている。
広く私達の空間に眼をひろげれば、屋外の風景には、空の青空が反射されており、夕方になれば建物の色は夕焼け空の色に染まる。そうした環境の影響をうけながら、私達は色をみているのである。つまりそこには環境色という概念がある。このような理解は、実は絵を描く場合の認識方法でもあるのだ。
そんなことを考えてゆくと、デジタル機材、特に撮影素子とブログラムも、ボディメーカー製よりは、これまでフイルムの化学変化による色のあり方を追求してきたフィルムメーカー製の方に一日の長があると私は考えている。 私は、色標に忠実というのではなく、これまで多くの人に使われているベルビアというフイルムのように、相互に影響し合う環境色とい捉え方を、支持しますね。
だから最近、色標測定器みたいな抜けの悪い撮影機材のC社とかN社には全く興味が無く、むしろ環境色という捉え方に近いコンセプトがあるフジの機材を、個人的に評価しているのですね。さらに言えば、現実色よりさらに良い色で表現してもらいたいと (笑)。
注:木村英輝
京都・青蓮院門跡
Fuji FinepixS5pro,AF-SNikkor16-85mm/F3.5-5.6ED
シャッター1/57,絞りf4.5,焦点距離35mm,ISO1600,F2モード