先に、我が国の人口減少に伴う建築衰退論、ひいては産業衰退論を述べた。そんな中で生き残り策はあるのだろうかというのが、今日のテーマ。
忘れてはならない視点として、社会基盤が衰退していると同時に、今後も私達の生活の質は向上してゆくことが大きなニーズとして存在している。建築需要は減っても、今以上に優れたデザイン(エコという概念も含めて)の建築提案は、社会で必要なのである。そうした新しいタイプの建築提案を、社会システムとしてどのように構築するかという大きな課題がある。
そんな課題を踏まえながら考えると、小さな単体建築スケールでみれば、最初に再生という方向がある。すべての建築が新築とは限らず、従来の住宅やビルを再生させながら生活の質の向上に合わせて実現してゆく、方向性は今後も十分あるだろう。よく考えるとヨーロッパやニューヨークの都市の建築をみていると、みんな再生デザインではないか。
もう一つの方向は、複数の建築を扱うアーバンデザイン的な方法だろう。再開発や地区計画などある程度まとまったエリアの環境水準をあげてゆくために、建築群を計画的に再配置してゆく方法だろう。今後文化財としてまとまったエリアを再整備する等の新しい需要も出現するだろう。世界遺産等の指定を目指すならば、相当に緻密で高度なデザインが求められるだろう。
さらにアーバンスケールを拡大すれば、海外、特に鳩山政権がマニュフェストにかかげている東南アジアとの連携はあるだろう。そんな候補を探ると、中国がある。中国は、既に多くの世界企業そして建築家が進出しているが、それもまだ都市部に限られており、中国奥地は未開発に近い。またベトナムをはじめとする東南アジアや、インド及び隣国のバングラディッシュなども、開発援助を必要としている。アフリカに至ってはまだ未整備も甚だしい。
このような地域からは、日本のJICAに数多くの仕事の依頼がきている。その多くは、都市計画であり都市開発である。こうした地域の仕事は、自国民の居住環境水準を向上できる、居住施設群や都市そのものをつくってゆくことが、求められている。これらは、我が国の場合1兆円規模の円借款による対外援助で資金調達されている。立派な日本の国際貢献である。
今日、ドムーロン、コールハース、ノーマンフォスターといった建築家の仕事をみれば、世界規模でデザインするということが当たり前になってきている。
本大学も、名古屋発想を振りかざしていては、出遅れるばかりである。大いに海外に出て行って、世界感覚で仕事をすべき時代なのである。そうでなければ建築都市デザインは、生き残れない。
清水寺
Fuji FinepixS5pro,AF-SNikkor16-85mm/F3.5-5.6ED
シャッター1/142,絞りf6.7,焦点距離85mm,ISO100,F2モード
忘れてはならない視点として、社会基盤が衰退していると同時に、今後も私達の生活の質は向上してゆくことが大きなニーズとして存在している。建築需要は減っても、今以上に優れたデザイン(エコという概念も含めて)の建築提案は、社会で必要なのである。そうした新しいタイプの建築提案を、社会システムとしてどのように構築するかという大きな課題がある。
そんな課題を踏まえながら考えると、小さな単体建築スケールでみれば、最初に再生という方向がある。すべての建築が新築とは限らず、従来の住宅やビルを再生させながら生活の質の向上に合わせて実現してゆく、方向性は今後も十分あるだろう。よく考えるとヨーロッパやニューヨークの都市の建築をみていると、みんな再生デザインではないか。
もう一つの方向は、複数の建築を扱うアーバンデザイン的な方法だろう。再開発や地区計画などある程度まとまったエリアの環境水準をあげてゆくために、建築群を計画的に再配置してゆく方法だろう。今後文化財としてまとまったエリアを再整備する等の新しい需要も出現するだろう。世界遺産等の指定を目指すならば、相当に緻密で高度なデザインが求められるだろう。
さらにアーバンスケールを拡大すれば、海外、特に鳩山政権がマニュフェストにかかげている東南アジアとの連携はあるだろう。そんな候補を探ると、中国がある。中国は、既に多くの世界企業そして建築家が進出しているが、それもまだ都市部に限られており、中国奥地は未開発に近い。またベトナムをはじめとする東南アジアや、インド及び隣国のバングラディッシュなども、開発援助を必要としている。アフリカに至ってはまだ未整備も甚だしい。
このような地域からは、日本のJICAに数多くの仕事の依頼がきている。その多くは、都市計画であり都市開発である。こうした地域の仕事は、自国民の居住環境水準を向上できる、居住施設群や都市そのものをつくってゆくことが、求められている。これらは、我が国の場合1兆円規模の円借款による対外援助で資金調達されている。立派な日本の国際貢献である。
今日、ドムーロン、コールハース、ノーマンフォスターといった建築家の仕事をみれば、世界規模でデザインするということが当たり前になってきている。
本大学も、名古屋発想を振りかざしていては、出遅れるばかりである。大いに海外に出て行って、世界感覚で仕事をすべき時代なのである。そうでなければ建築都市デザインは、生き残れない。
清水寺
Fuji FinepixS5pro,AF-SNikkor16-85mm/F3.5-5.6ED
シャッター1/142,絞りf6.7,焦点距離85mm,ISO100,F2モード