二日ほど所用で東京に出かけていた。そんな中でプロジェクトディレクターと、ささやかな酒宴をしていた。話題はリーマンショック以後の我が国のあり方とでもいっておこうか。
実は2004年頃から日本の総人口が継続的に減少している。日本の歴史の中で、このような変動は、これまでにない経験である。従って人口や需要の増加を前提とするマーケティング理論をはじめとする多くの諸理論は、今後は使えないという大問題が発生してくる。
我々は数年前から、そうした事態を予測していたので、特にこの時期になって慌てるような話ではない。ついに、くるものがきたかというスタンスである。
リーマンショックというのは、単なる不景気ではなく、こうした我が国の構造的な問題を顕在化させたと考えている。重要な事は、もう景気の良い時代は、我が国には二度とこないだろうという予測だけである。いづれ中国経済が、我が国を追い越してゆくであろうし、例えば米国のシンボルであったIBMのように、中国企業に買収される我が国の企業も出てこよう。つまり日本の国力は、現状では衰退する方向にしかないということである。それも人口減少に伴う需要減という構造的な課題があるので、容易に解決は出来ない。
だから東京の建築設計事務所は、どこでも所員をリストラし、相当の減量経営に勤めている。一昨年私のゼミから院生を、私が知っている設計事務所に入れ込んだ経緯もあり、その後どうしたかと案じていたが、彼女は減量した設計事務所で仕事をしていたようである。おそらく私のゼミ生を設計事務所におくるのも彼女が最後であろう。
すでに建築の仕事の中心は、中国をはじめとする東南アジアに移行しており、我が国の仕事は、個人住宅を細々と行う程度の需要しかない。
にもかかわらず、我が大学では建築設計系のゼミに人気があり、学生達が集まるのであるが、これから設計という仕事のない時代に、そんなに人を集めて大丈夫なのだろうかと懸念する。海外の仕事をしていれば少し生き残れるが、国内ではもう設計が発生するような仕事は構造としてはない。こんなとき20世紀であれば、私の懸念が杞憂に終わればと書くところだが、今はもうそんな悠長な時代ではなくなっている。
清水寺・青龍会
Fuji FinepixS5pro,AF-SNikkor16-85mm/F3.5-5.6ED
シャッター1/90,絞りf8,焦点距離85mm,ISO100,F2モード
実は2004年頃から日本の総人口が継続的に減少している。日本の歴史の中で、このような変動は、これまでにない経験である。従って人口や需要の増加を前提とするマーケティング理論をはじめとする多くの諸理論は、今後は使えないという大問題が発生してくる。
我々は数年前から、そうした事態を予測していたので、特にこの時期になって慌てるような話ではない。ついに、くるものがきたかというスタンスである。
リーマンショックというのは、単なる不景気ではなく、こうした我が国の構造的な問題を顕在化させたと考えている。重要な事は、もう景気の良い時代は、我が国には二度とこないだろうという予測だけである。いづれ中国経済が、我が国を追い越してゆくであろうし、例えば米国のシンボルであったIBMのように、中国企業に買収される我が国の企業も出てこよう。つまり日本の国力は、現状では衰退する方向にしかないということである。それも人口減少に伴う需要減という構造的な課題があるので、容易に解決は出来ない。
だから東京の建築設計事務所は、どこでも所員をリストラし、相当の減量経営に勤めている。一昨年私のゼミから院生を、私が知っている設計事務所に入れ込んだ経緯もあり、その後どうしたかと案じていたが、彼女は減量した設計事務所で仕事をしていたようである。おそらく私のゼミ生を設計事務所におくるのも彼女が最後であろう。
すでに建築の仕事の中心は、中国をはじめとする東南アジアに移行しており、我が国の仕事は、個人住宅を細々と行う程度の需要しかない。
にもかかわらず、我が大学では建築設計系のゼミに人気があり、学生達が集まるのであるが、これから設計という仕事のない時代に、そんなに人を集めて大丈夫なのだろうかと懸念する。海外の仕事をしていれば少し生き残れるが、国内ではもう設計が発生するような仕事は構造としてはない。こんなとき20世紀であれば、私の懸念が杞憂に終わればと書くところだが、今はもうそんな悠長な時代ではなくなっている。
清水寺・青龍会
Fuji FinepixS5pro,AF-SNikkor16-85mm/F3.5-5.6ED
シャッター1/90,絞りf8,焦点距離85mm,ISO100,F2モード