カットは、フォーサーズ様式だと270mmになるLヘクトール135mmレンズをGF-1に付けて、手持ち撮影をしてみた。ボディ+レンズで重さは600g代だろう。
デジタル一眼レフに約300mm近いレンズを付けて、この質量は大変軽い。長焦点レンズだと手ぶれ補正が欲しいとする人もいるだろうが、ライツレンズは軽く保持しやすいので、そんな必要ない。
通例、デジタル一眼レフシステムには自己矛盾がある。高仕様にして重くすれば、当然手ぶれ補正が必要となり、さらに質量は増えてくるというわけだ。
35mmフィルムを用いて小型軽量で手持ち撮影というのが、ライツLやMシリーズの開発コンセプトだった。だからライツの膨大なアクセサリーの中でも、屋外で使用する三脚の開発は不熱心だった。携帯用の小さな折りたたみタイプがあった程度と記憶している。
ヘクトールは、15年前に銀座のスキヤカメラで1万5千円で購入した。1933年頃の設計だから、リバーサルフィルムで撮影すれば、光の状態によっては盛大にハレーションをおこし、当然色も大変クラシックだ。
GF-1で撮影すると、ライツとデジタル技とが組み合わさって面白い写りとなる。通例のレンズだとカット右下にある京都の家並みがもう少し撮されているはずだが、ここでは適度にぼかされて結構面白い古都の風景になった。
昨今、ロモ等のトイカメラが支持されているが、適度にボケてクラシックな写り方というのも、レンズの性能であり被写体を選べば優れた特徴である。
眼が慣れてしまうということもあり、それ自体がライツの曲でもあるのだが、 確かに京都の街の古さにはヘクトールが大変よく似合う写り方をすることがまれにある。
清水寺から撮影
GF-1,Hector,f4.5/135mm.
シャッター1/1300,絞り4.5,ISO400.露出補正-2/3,スムーズモード
2009年11月4日水曜日
京都暮らし134. 背景のボケ味
2009年11月5日木曜日
デジタル一眼レフで撮影していると、ズームレンズを多用するために、レンズの特性上 画面全体にわたりシャープな画像のストックが増えてくる。 だから時として単焦点レンズが持っている良好なボケ味を、私自身が忘れそうになる。それでGF-1で古ライツレンズを用いるといってよい。
古ライツレンズに共通して言えることだが、ボケ味はどのレンズも優れている。そこが最近のデジタルレンズとの大きな違いだろう。といって万人向けに古ライツレンズをお勧めするわけにはゆかない。というのも順光線の普通の標準的なアングルで撮ると、実に写りが悪いときがありがっかりさせられる場合があるからだ。
だからこのレンズのベストな使用方法は、日陰や曇り空といった直射日光の射さない被写体を選び、ボケ味を多用できるようなアングルを探すことだろう。つまり天気が悪い時こそ、古ライツレンズが活躍できるという曲者である。厚い雲に覆われた冬のヨーロッパ育ち故か。それにしてもGF-1は、倉庫に眠っていた機材をたたき起こすなど、罪づくりな機材である。
そろそろ京都は紅葉の時期だが、もう1週間程辛抱のようだ。今年は冬が早く、時には雪景色が撮影できるのではと、個人的な期待感を持っている。
府立植物園,2009年10月
GF-1,ELMARIT,f2.8/28mm.
シャッター1/250,絞り4.0,ISO100.撮影モード:スムーズ