街中で催事などを撮影していると思うのだが、スチール写真の撮影機材というのは、撮影を職業としている腕章を付けた人達と、撮影を道楽としている人達とが、同じ機材を使用しているというのが不思議な現象だ。
私の大学の研究室を覗くと、工学系の研究室が半分位あるから、当然建築構造や環境設備の実験装置や計測用の機材をみれば、特注制作あるいは専門業者からの調達といってよく、市販されていないものばかりだ。価格をみてもデジタル撮影機材の比ではない。中には、特定国への禁輸プロダクトだってある。
だから私達の世界では、専門家ユースと道楽ユースとの機材とでは基本からしてスペックが異なっているのが通例だ。
それが街中の催事の現場では、皆市場で販売されている同じ撮影機材を使用しているのである。同じ機材を使用していれば、撮影結果に大差がないだろう。となるとあの撮影を仕事とする人達と道楽の人達との違いは、腕に巻き付けた腕章ぐらいか。
私も研究上の必要があれば、催事などの主催者から腕章をもらうことができる。そんなことは大学院生だって論文を書くのに必要だという理由をつければ、貰える程度のものだ。要は正当なる理由があり、催事の趣旨に合致しておれば誰でも貰えるものだ。実際に私の場合は、面倒だからそんな手続きはしないが。となると腕章もどこか自己満足的な道具でしかない。
こうなると、撮影を業とする人達と道楽系との違いはなんだろうと考えていたら、凄いとうならせる人達がいた。商業写真分野のフォクグラファー達だ。この話は次回に続けよう。
京都御所,御常御殿,障壁画.
GF-1,TELE-ELMARIT f2.8/90mm,
シャッター:1/60,絞りf4.0,ISO400,撮影モード:スムーズ.