Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編49. GF-1と作例4.ヘクトール

2009年11月01日 | Kyoto city

 今日のブログは、府立植物園でヘクトールf4.5/135mmを試写してみた画像をアップさせた。1933年以降の生産なので、カラーフィルムすらなかった時代のレンズである。それがデジタル一眼レフでは、どう写るかは興味深かった。LレンズだからM用アダプターを付けた上で、さらにパナソニックのライカMマウントが必要になる。ヘクトールというのは、当時のレンズ設計者が飼っていた犬の名前だということを何かの本で読んだ。
 このレンズをFujiの一眼レフFinePixS5proに付けて撮影した際は、やはりフィルム時代の往年レンズらしく古色蒼然とした写りであった。
 GF-1に付けて撮影すると、そこそこの発色の良さを見せてくれているではないか。もちろん全体としてみれば、近年のレンズではみられない古くさい傾向は感じられるが、使えないと言うほどではない。 GF-1が、レンズ固有の発色傾向を薄め、現代の色に近づけようとしているようだ。やはりパナソニックの色の設定によるところが大きいのだろう。この辺りがレンズを選ばないGF-1の優れたところかもしれない。もちろん、そのことをつまらないというライツマニアはでてくるだろう。
 このレンズは、レンズヘッドと鏡胴部分が分割できるので、ビゾフレックスに付属品を用いて使用したり、あるいはアダプターを介してニコンに着けたりできるなど、意外に汎用性が広いのである。今のデジタルレンズでは先ずあり得ない仕様なのである。
 ヘクトールは、GF-1に付けた時は270mmとなり、手ぶれ補正もないのでどうなるかと思ったが、意外に小さい上に手持ちでしっかり保持できるので、気にするほどではなかった。小さいということは、何かとメリットを生むようである。
 当然のことながらピント合わせは、慎重にすべきだろう。また順光の発色は時として昔の時代を感じさせてくれ、逆光には大変弱くハレーションをおこしたようになる。だから晴天を避けて、曇天や日陰で多用したいレンズだと思われる。
 晴天の風景を避ける!、それではレンズではないでしょうと思われる人もいるだろう。だがそれこそが古ライツレンズの特徴の一つだと私は解釈している。

府立植物園,2009年10月
GF-1,Hector,f4.5/135mm.
シャッター1/400,絞り5.6,ISO100.露出補正-1/3

コメント
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