Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

京都暮らし138. 歪曲収差

2009年11月09日 | Kyoto city

 今日は、いつも私が使用しているFuji FinepixS5proにニコンのズームレンズを付けて撮影した画像をアップさせた。これと、古ライツMレンズとの大きな違いは、歪曲収差である。
 このカットでは、それはあまり解らないが、建築物を撮するとすかさず違いがわかってくる。S5で使用しているズームレンズは、当然歪曲収差が盛大に現れる。私のように建築写真を職業柄記録する場合、歪曲収差は大変気になる存在だ。ただ、Fujiはどんな被写体に対しても、過不足無く撮してくれるので、私の信頼性は高い。その辺が重宝している所以だろう。
 だからGF-1において古ライツMレンズが使いにくくても、時には使用せざるを得ないのである。単焦点レンズ故歪曲収差は大変少ないのである。GF-1にライツレンズを付け、撮影していて気がつくことは、歪曲収差が少ないのに加え、ボディの軍幹部がフラットで水平であるので、傾いたカットが少ないことに気がついた。そこがライツカメラと共通する性能だと思われる。カメラの軍幹部は水平であるべきだ、というのは、今でもライカMシリーズが維持しているデザインだが、意外に大切なことではないかと思われる。
 昔、良い写真を撮る秘訣を著名なグラフィックデザイナーに尋ねたことがある。彼曰く、先ず水平にカメラを構えること、そして一歩前に出て撮影すること、だけであった。これは確信をついた秘訣である。それぐらい水平垂直というのは、大切な要素だし、逆に言えば、それがかなえられていれば、多くの写真は大変良く見えるのである。
 最近のズームレンズが主流の時代では、水平垂直というのが相当に甘くなっている。なにしろ小さなファインダーで覗いているのだから、それは、わからないといったほうが良いだろう。
 昔ニッコール単焦点レンズ28mmの撮影テストをしたことがある。単焦点レンズでも歪曲収差が見られるのである。だからズームレンズならば、盛大に歪曲収差が発生するのが当たり前である。そんなことを気にしだすと今の私達は、歪んだ画像を腐るほど見せられて麻痺しているのである。
 そう考えたら、歪曲収差の少ないレンズを使うべきである。私の場合、撮影した写真から建築図面を起こしたりすることもあるので、古ライツMレンズを、写りが悪くても、使い勝手が悪くても、使わざるを得ないのは、そんな理由からなのである。
 歪曲収差が少なく、水平垂直がとれるというのが写真の基本であり、良いレンズの条件であるということを念頭に置いといてもらいたいと思う。だから私はカールツァイスの単焦点レンズを2本を最初に購入したのである。その後に、FujiのS5のボディを購入した。そして最後に利便性を考慮してズームレンズを購入したのである。
 このブログを読んでいただいている皆さんは、GF-1にどのズームレンズをつけようかといった、ステレオタイプ化した思考にはまっていませんか? 私から言えば比較的優れものの20mmのパンケーキレンズ1本があれば、先ずはそれで十分だと思います。GF-1 は、その程度の気軽さと、いつでも持ち歩ける携帯性の良さと、そしていざというときに、優れもののレンズが使える汎用性を兼ね備えた機材だと思います。

京都御所,皇后宮常御殿
Fuji FinepixS5pro,AF-SNikkor16-85mm/f3.5-5.6ED,
シャッター:1/570,絞りf3.5,,ISO100,

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする