Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

EOSな日133. 路地 

2018年01月09日 | Kyoto city

 丸太町周辺で撮影した画像の民家に挟まれた正面の門をくぐると路地奥の民家へ通じている。京都の旧市街地は路地が多い。

 一般には旗竿敷地と呼ばれるものだが、大半が行き止まりであり撮影するのも不可能なぐらい民家群が路地沿いに隣接し密集している。屋内に陽が入るのかと疑問に思われるようなところが多く、例えば物干し場があれば、すぐ隣の家というぐいらなのだから、限られた空間を過密に利用しているといってもよいだろう。むしろそれがこの街では一般的といってよく、大概は撮影不可能なほど狭隘で混沌としているし、隠れ家のようなプライベート性の高い空間だから、私は素通りしてゆくことがおおい。

 そんなかでも家主の世代交代がうまく進んでいるところは、古い民家様式を維持しつつ、アトリエや焼き菓子屋やパン工房などの新しい機能が加わったあじき路地のようなところもある。(2017年6月22日,13日ブログ)

 大和大路通より1本西側の通り、町名でいえば北御門町、山城町あたりだろうか。この辺は路地が結構多く、このあたりの街並みの画像は昨年5〜7月のブログでも紹介した。

 京都の街は、大きな四角い街区で構成されているから、そうした街区の中に入るのにはどうしたらよいかとする方法が路地なのだろう。もちろん民家は建築基準法上は既存不適格なので、新築したら建物のセットバックを余儀なくされるので新築される可能性は少ない。また路地は公道なのかとする疑問もあるし一体所有者がいるのだろうか。そのあたりの事情は京都市に尋ねないとわからない。従って路地沿いの民家は再利用、つまり内装の模様替えで更新されており、そのことが皮肉にも古い民家景観を残している結果になっている。

 そして路地奥の民家は、昔の社会ならば、出職人、左官、鳶職、口入れ(人材派遣業)、賃仕事、家内職人、足袋職人、紺屋、仕立屋、洗い張り屋、寡婦、芸人、芸者、棒手売り、旅芸人、お坊さんといった多彩な人たちの隠れ家だったのかもしれない。

 

京都市東山区

EOS1Ds Mark3,EF16-35mm/F2.8 L USM

IOS400,焦点距離34mm,露出補正0,f/11,1/250

 

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