さて2020年度から始まる大学入学共通テストの記述式問題があるというアナウンスだが、どうやって採点するのだろうか。数学なんか全ての解答を採点者が解く必要があるよね。それは興味深い。1科目2〜3問出題と入試案内には記載されている。1科目3問として60万人が受験したとする条件でシミュレーションしてみよう。
1)先ず採点の作業量はどれぐらいか?。
一人1日1000回答は採点するハードスケジュールモデルを想定。それとて私の経験では大変な作業量だ(数学ではそれは無理だな)。当然複数の人間がとりかかるから2人で採点する、国語の場合50万人が受験したと条件設定すると話は簡単だ。
50万回答/1,000回答日=500日、それが3問設問があるから3倍、つまり1500日必要だ。つまり延べ1500人日かかる。これを発表までの期間を踏まえて10日で行うとすると、1500人日/10日=150人,二人で同一設問を採点するので150人×2人=600人となり、つまり600人の採点者が10日間国語の採点に従事することが必要になる。それが30科目とすると600人×30科目=18,000人の採点者が10日間採点に従事する必要がある。
2)さて18,000人の採点者を極秘裏に10日間拘束できる場所はどこだろうか?。
現在の大学入試センターは東京・駒場にあるが、18,000人×オフィス必要最小面積4㎡/人とすると、72,000㎡の空間が必要になる。しかし駒場にそんな広いスペースがあっただろうか?。そうするとどこかに場所を借りなければならない。東京ドームあたりを使うのだろうか。この時期10日間閉鎖されていながら大量の人間が出入りすれば社会的にわかっちゃうよね。そこで沖縄の某所で、例えば自衛隊の空き倉庫などを使って採点するのだろうか、それは作業環境としては最悪だけど。いずれにしても採点場所の設定は大きな課題だろう。
3)次の問題として、誰が採点するのか。
18,000人の人間を10日間拘束できる人材はどこにいるか?。先ず大学教員は、共通テスト後の大学毎の入学試験準備があるから関われない。当然予備校関係者も立場上無理。とすると・・・出題内容を理解できる高校教員!、だがこの時期授業があるから共通テスト実施日をクリスマスあたりに設定する必要がある。やだねぇー、そして冬休み正月返上で高校教員が採点するなら可能性はあるだろう。文科省が提唱する高大接続改革というのは、そういう意味か。採点者は高校の先生なのか1?。
そのほかには大学院生あたりのアルバイトということになる。しかし毎年一定数確保できるのか疑問が生まれる。国語などは民間事業者に採点を委託するというのだから、多分民間事業者は採点ルールを簡略化して、アルバイトのおばちゃん達を大量に臨時雇用するのかな。おばちゃんたちはなんだかわからないけどあらかじめ定められたルールに従って○とか×とかいれて採点するわけだ。記述式の出題でそんなことありえるのだろうか。あるとすれば設問方法を変えることだろう。あらかじめ決められた幾つかのキーワードが書かれてあれば○といった具合にだ。そうなると記述式の意図が形骸化するだろう。つまり採点者の確保も大きな課題だ。
4)さて採点作業に従事した場合のアルバイト料はいくらか?。
受験料が現状程度の18,000円とすると、受験料収入が108億円。現状のバイト料が15,000円だから、15,000円×18,000人×10日=27億円となる。高校の先生のバイト量としては正月返上して10日間従事し15万円だからまあええんちゃうやろか。だが教員が 勤務時間中に採点報酬をもらうとダブル勤務となる。そこで採点報酬は高校の運営費にされるだろう。精々実質正月休日返上手当ぐらいは教員に支給されるが、いいとこ3万程度かなと推測。
大学の場所は貸してあげるからさぁー、高校の先生が試験監督と採点してちょ!、という流れになれば、私の説通りになるので、よい傾向なのだが・・・。なんたって高大連携でしょ!。
5)試験結果はどの程度活用されるのか?。
そこまで大げさにして、大学共通テストの試験結果が大学入試に繁栄されるかというと大学によってまちまちでしょう。だってデッサンなどの実技試験のある美大なんかは、共通テストの結果を繁栄させたらとんでもないことになるよ。つまり共通テストは学科試験のみで実技試験なんかないから、学科の成績がとてもよかったので入学してきたけど、美大で行ったデッサンの試験は1点だったという学生が入ってくる。当然絵は描けないよね。「俺って美術嫌いだから」と軽く言ってのけたりして。だから美大などは絵の描けない学生にはあまり来て欲しくない学科もあるわけです。そうなると大学共通テストは大学受験のための資格試験といったらよいか。受けておけばよいという程度のもの、という見方もできるわけです。
6)結論
まあいろんな課題をかかえつつ走っているわけだから、傍観者である都市開発のプロデュースの立場からは、どうやって多数の難問を解決してゆくかというところを興味津々と眺めていたいわけです。まあプロジェクトXかな。このようにシミュレーションするといろんなことがわかって面白い。
さて、昨日は火山噴火にアラスカ沖の地震に首都圏の大雪ときた。まあ京都は晴れ模様なので特に話題も無い。
沖縄県慶良間諸野崎
OLUMPUS E-M1,M.ZUIKO DG FISHEYE 8mm/F1.8
ISO200,露出補正-1,f/3.2,1/1000