一昨日の倉庫群(醤油屋)の建築を半田運河の対岸からみた。昔から醤油屋は亀形の亀甲(キッコウ)文様がすきだ。亀甲文様の中に富の文字が入っていると「キッコートミ」が商標であり社名となる。また亀甲文様の中に萬という文字をいれると「キッコーマン」だ。いまや世界167ヶ国に商標権を持つ我が国が誇る世界ブランドだ。
ファッションではイタリアやフランスに負けるが、食の分野で我が国は結構世界ブランドを有している。味噌、煎餅、緑茶、海苔、それにカップヌードルなどは海外のスーパーでもみかける。
さてそのキッコートミの建築は、今は使われていないので廃屋状態だ。それに建物も大分傷んでいるし構造も歪んでいるだろう。崩れ去るのは風前の灯火なのだが、再生できるのが先か、それとも台風などでつぶれさるのが先かという状態である。
だがキッコートミの眼前の護岸はしっかり補修されている。本来はここに原料を船で運んできたから桟橋だったはずである。現在では醤油屋もないし流通も変わったので、都市防災の観点から護岸として整備されている。
だがその整備は首をかしげる。というのもなんで古く美しい建築群の前に青い東屋(画面左側)なんかを新たにもうけたのだろうか。東屋にしては階高が高すぎるし第一視覚的に邪魔だよね。なければ背後の建築群が綺麗にみえるのに。それに街路樹も邪魔だからいらない。いらんものを付けた整備のようだ。それよりかは、むしろ電柱を地中化してほしいのだが。
ということはキッコートミの建築群を重視していないということか。やがてはつぶれるか取り壊されるのかもしれない。だから背後の建築とは無関係に護岸整備や街路整備をおこなったとする見方も推察できる。だがやはりこの古い建築群は美しい。右端の民家なんかきっちりこれとデザインがあっている。
ちなみに画面右側へ歩いて行くとミツカン酢の倉庫群が整備されて残されている。それはまあ美しいのだがどこか現代建築の意匠のようでもあり、個人的にはキッコートミの多彩な建築群の方が面白い。
キッコートミは、風前の灯火かもしれないので記録しておこうというわけだ。
愛知県半田市
EOS1Ds Mark3,EF28-300mm/F3.5-5.6L IS USM
IOS400,焦点距離28mm,露出補正0,f/13,1/400