Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編306. 真冬の十和田湖

2018年01月15日 | Aomori city

 夜半に京都市内にもお裾分けのように少し雪が降った。もちろん屋根に名残がみられる程度。雪がないと冷たいだけの空気がPM2.5とかインフルエンザのウィルスでも運んできているようで勘弁して欲しいのだが、雪が降るとそんなものは水分となって流れて行くようでもあり、開き直ったように街が静かにシンシンと冷えているのが心地よい。こちらは、せっせと暖房に努める。大学センター試験の受験生と監督教員は、ご苦労様なのですが。

 素晴らしいことに雪のため新幹線は5〜10分と遅れている。その程度ではまだ雪が足りない。美景にいたるには30分以上遅れるほどの雪が積もり翌日の朝晴れると霧が地面をはって綺麗だ。もちろん大半の乗客はブラインドを降ろして寝ている間に通り過ぎる美景だが、各駅停車こだま号に乗る乗客は、そのことをよく知っている。

 そして雪で米原で長らく停車すれば外のフレッシュエアをすいながら冬体験となる。隣のホームに後続のぞみ号が停まっているけどドアは開かないから、インフルエンザウィルスの詰まった箱の中で悶々としているわけだ。あれは健康的にやだな。だから私は東京へ行くときは、名古屋まで各駅停車をしてゆくひかり号でゆく。

 なんでも早くゆくなどという勤勉なサラリーマン根性はサッサと捨てるべきだろう。出張の時こそ退屈な日常業務から抜け出せるので大いに旅を楽しべきというのが昔からの私のポリシー。

 私は地域開発の仕事で豪雪地の青森市へでかけたときには、いろんな理屈をならべて雪国を楽しんだ。ときには、プレゼンの時間に間に合わないじゃないかという理由(実際は15分程度だったのだが)で、飛行機からいまはない583系寝台特急電車に乗って修学旅行帰りの高校生達と鉢合わせする幸運に恵まれたり、青森市内の雪道をあるきながらいつものママがいるスナックにでかけ朝まではしゃいでいたり、そうしていると馴染みになってママ達が車で浅虫温泉につれていってくれ、旅館から眺めた冬の青森湾をみながらの昼飯はとてもよい時間だった。そんな風にその土地の時間を楽しみながら日が暮れてから飛行機で東京へ戻ったこともしばしばある。

 ときには、ママ達が真冬の十和田湖につれていってもらい寒さの局地を体験した。青森県人の車の運転は手慣れていて上手だ。その十和田湖のデュープ画像があった。撮影したのは多分2000年頃だろう。当然この寒さ体感の後WEBにはでてこない青森県人しか行かない温泉にいったけど。ここは施設も完備されていて安くてよいところだったが名前は忘れた(笑)。そりゃ最高の保養であり出張よ。

 もちろん様々な青森県人が市内で地元料理をご馳走してくれたし、あるとき私も雪の中をホテル前にある古川市場の路地へでかけ、総菜屋から味噌汁やおにぎりやおかずを調達し、大粒の雪が降るその店の前の小さなテーブルで朝飯をたべたときなんざぁ、わが人生で一番旨い朝飯だった。

 もちろん雪の青森の街を撮影する(当然業務外)ために撮影機材は必須であり、出張の折にフッとみた青森市内の景色はとても魅力的だった。出張の時間こそ最大の息抜きであり撮影日よりなのである。だからって休みだから写真を撮るという意気込みで街を歩いたって撮れるわけではなく、日常の行動のついでにいいなと思った都市の風景を撮影するということこそが撮影の原則だということを忘れてはいけない。

 リニア新幹線ができると、そんな移動も大半がトンネルである。実にくだらない出張になりそうだ。我々はロボットではないのだから、せめて車窓の風景を楽しむぐらいの精神的余裕がビジネスには必要なのである。出張こそは精神的な息抜きなのである。そういう余裕がビジネスを成功させてきた。だからなんでも早ければよいというモノではない。価値観は一つではないのである。

 さて京都も、もっと飽きるぐらいに雪が降らないかなと思っている。雪道を晦庵河道屋の芳香炉を食べに行くなんざあとても心地よい演出なのだが、天気予報をみれば今週は春陽気の日もあり、冬の心地よい時間は望み薄だ。なにしろ京都の雪は降ってもすぐ溶けたいしたことないですから。

 さてブログを書いている場合ではなかった。今日は京都の成人式の行事、三十三間堂の弓引き始めにでかけよう。

 

青森県十和田湖

NikonF4,NikkorAF35-70mm/F2.8,Velvia

 

 

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