都市の混沌ばかりでは退屈だ。人間が欲しい。人間も外見とは裏腹に意識の中で混沌としているのだろう。
そんな人間達をとるのにミノルタCLEが便利だった。絞りオートで撮影できるこの機材は、広角レンズのパンフォーカスを使えば何も操作することがなく、街のスナップには最適であり結構使い回した記憶がある。だから無理してオートフォーカスとかデジタル化してくれなくてもよかったのだけど。それにしてもこの画像は、エルマリートの描写が大変綺麗だ。SONYα6000で使用するとカリッとした描写になるが、こちらはやたらととがらず、それでいて柔らさが残る、そして黒が締まる描写がエルマリートの特徴だ。
しかし、多用しているとついに電子部品が壊れてしまった。つまり電子シャッターだったわけだ。だからメーカーに持参したが修理不能となり、部品撮取り用に後輩にあげてしまった。いまなら直せるんですという情報もあり、ちと早まったと思ったが、その後デジタル化時代が始まったので、まあいいかの気分だった。いまでも小さく軽く最も使いやすい高性能の機材である。
それは別としても、押し入れのフィルム撮影機材を全部売却した。なかにはファィンダーがブラックアウトしたライツM3とか、動作のいかがわしいハッセルブラッド用ツァィス・プラナーなどというのもあり、とにかく全部引き取ってくれたことに中古カメラ屋さんに感謝。おかげで大きなプラスチックケースが消え、アルミトランク4台にニコン用、キャノン用、オリンパス用、フィルムカメラ用に見事分類できたのは快挙だ。中古カメラ屋さんありがとう。その差額でSONYのマクロレンズとオリンパスの水中撮影に使用する60mmマクロレンズが調達できた。
あまり動けないからこそ、今まで手が付かなかった押し入れの整理をしていた。まあくだらない話なのだけど、そんなことでもしつつ意識は前向きに努力中。
さて足指骨折から調度一ヶ月。最大のダメージは運動不足。だから体は肥満状態に向かいつつある。肥出すと、動き無精になるので様々な意欲がなくなる。といって全治二ヶ月だから、もしここでスポーツをして骨がずれたりしたら全部最初からやり直しですよと医者から脅されている。ならばあと一ヶ月じっとしているほかない。それが最短コースなのだ。あっーあっ!、やれやれ、この陽気のよい時にプールで泳ぐなんざとても快適なんだけどさぁーー。
1997年東京都大田区、ミノルタCLE,Leitz Elmarit28mm/F2.8,トライX