押入れの中を整理していたら、もう10年近く放置していたフィルム機材FUJI GS645Wが出てきた。6×6フイルムを用いた中判機材だ。画面サイズは6×4.5cmであり、フルサイズ3.6×2.4cmの3.1倍だから、EOS1DsMark3の2,100万画素を基準とすれば約6,200万画素となり、そりゃ超高画質機材だ。ただしプリントするか高解像度でスキャンすればだが。
印刷の出力解像度カラーの場合は350dpiだから、この解像度でデジタル化するとA2位までゆけることになる。350dpi以上になると人間の目では識別できないそうだ。
さて露出計がついているが、距離は目測であり、その分距離計という面倒な機構がなく、シャッターはパッケージ化されているのでメンテナンスは楽だ。はて使えるかと思ったらちゃんと動き露出計用のLR44バッテリーも使えたのは驚き。レンズは、EBC FUJONON W 45mm/F5.6オンリーだから広角専用(フルサイズで28mm)の無理がない設計だろう。無骨なスタイルだけど、ヘリコイドに絞り、シャツター速度、ピントの数値が一様に並ぶ様はなかなかよさげだ。
まさに忘れていた機材だ。指骨折足を引きずって近所徘徊の試写。デジカメでは体験できないフィルムを巻き上げる感触が新鮮。15枚撮りなのでいつでもリュックに入れておける。このいつでも・・・という感覚が重要なのだ。よしっゃ、今日は気合いを入れて撮影するぞ!、といって構えて街を出歩るいたところで被写体に遭遇するわけではない。だから普段の生活の中で、ふと、にみつけたという感覚でありたい。そうなるといつでもリュックの隅にいれておける小ささであることが重要になる。
しかし本当にこんな機材を使うのかなぁーと自問すると自信が無い。実をいうと部品取り用にもう1台同じ機種があるんだ。押し入れに忘れられた機材が2台あった。フイルム機材だから1本1000円相当のリバーサルフィルムと現像代がかかるのでデジタルよりは高くつく。いまでは贅沢な道具になった。
さしあたりトライXでも、つめてリュックの隅にでも入れておこう。トライX!、高っ!!・・・。それに4月7日の毎日新聞朝刊ではFUJIFILMのモノクロフィルムACROSが83年の幕を下ろしたと記事にはあった。実に悩ましい。フィルムという選択肢があってもよいだろうし、選択肢が減ってよいのだろうか。まあ他社のフィルムを使うほかないが。
さて京都も、今週末あたりは夏日の予報。一体春はどうしたんだ、いや私が気がつかないうちに通り過ぎたのか。それでも朝晩は寒く、ストーブが必要な日々である。
OLYMPUS OM-D E-M1Mark2,LEICA DG MACRO-ELMARIT45mm,f2.8
ISO2000,露出補正-1.3,f/6.3,1/80