Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編333. ビゾフレックス

2018年04月12日 | Photographic Equipment

 こうした撮影システムの知識を詰め込むと、余録でシステムとしての中古機材は増殖する。その都度毎にニューヨークのブロックリンカメラやウッドゥンカメラにメールを送り、すくなくとも当時の日本の半額以下の価格で調達した。フィールド調査というよりは、こんなシステムで使ってみようという研究姿勢の方が旺盛だ。

 秀逸だったのは、ライカM4-Pにつけたビゾフレックスである。画像のビゾフレックスは最後のタイプだが、ビゾフレックスのなかにミラーがはいっており、横のミラーアップレバーでミラー跳ね上げると同時にシャッターを押すことができる。つまりレンジファインダーの機材が一眼レフに変身する。もちろんビゾフレックスのファィンダーでピントが合わせられるので、写る画像をそのままみていることになる。当然マクロ撮影もでき、大変優れたライツ製マクロレンズがあった。

 だから我が国のこれまでの一眼レフは、すべてこの戦前につくられたライツシステムを参照してつくられていることになる。一眼レフは決して日本のオリジナルではないのだ。こうした大変精度がよいドイツ製は、往事のドイツの技術力をみているようだった。

 ビゾフレックスには、戦前に開発されたヘクトール・レンズの先端部分が外せるので、2つのライツ製リングを調達してビゾフレックスに付けられる。その一つは三脚座のネジがしこまれている。このあたりの考え方に無駄がなく、実に合理的なドイツデザインだ。もちろんこのシステムは、今でも一眼レフ同様に使うことができる。

 だから現在のミラーレスというのが、ライツを超える新しい構造を持った我が国固有のプロダクトだろう(そういえばスマホカメラはミラーレスだな)。私がニコンのミラーレスと騒ぐのも、実はこうした理由からだが、なかなか発売されない。

 さて目下撮影機材の整理をしている。暖かくならないとやりたくない雑用だが、不用機材13点を買い取ってもらったので整理の見通しがついてきた。なにしろ最後は大型トランク4個にまとめるのが目標。どの機材をすて、どれを残すかの日々である。そんなことしないで全部中古カメラ屋へ、それが一番部屋が片づくけど、そこまで潔くない。

 さて京都も昨日は、曇天に雨模様で春の強い風が吹き、少し肌寒い。これが暖かくなる頃には、しっかり夏だろうな。ああっ、もう夏近し、来月はもう初夏。足指骨折はいまだ回復に至らない。

 

1996年筑波ハッカーアパートメント

撮影機材不明

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする