Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編334.  レチナⅢCで・・・

2018年04月13日 | Tokyo city

 この頃、20世紀末東京の雑然とした都市の混沌を撮ることにした。混沌が、私が専門とするアカデミックな都市景観の考え方とは正反対だというところが面白い。調度そのとき横浜美術館が10回ぐらいのレクチャーでフォトグラファーの金村修さんを呼んだのだった。だからレクチャー用の写真を撮るつもりで街を歩いていた。それは次第に金村さんの目線になってしまうのだけど、電柱も放置された自転車も絵になる・・・。

 この画像は、いつか全紙にプリントしおきたいと思っていたが、月日がたって忘れてしまった。画像には、選挙のポスターだ、キャベツの箱やら傘だ自転車だ、奇抜な暖簾だ、洗濯物だ、床を掃除している叔母はんだ、路地だといった具合に、多数の要素が脈絡も無く配置されている。旧東海道品川宿へ行く途中にみかけた都市の風景だ。もうこの場所は思い出せない。

 ここではドイツ・コダックのプロダクト、レチナⅢCで・・・。たまたま画角が標準レンズで納まったので使ったのだが。この機材は中古アメリカ調達だから3万円程度だった。だがこれが空気まで撮すと思われるぐらい大変優れたシュナイダーのレンズ付き、恵まれないのは被写体か・・・つまり歩き方が足りないというわけだ。操作は面倒だけど、この機種のファンがいるわけだ。何でカラーフイルムのない時代にカラーが綺麗だったのだろう。

 そんなわけで、街歩きが始まったのだが、とても東京の全部の街を回ることはできなかった。しかし二十歳の写真学校に通う女子学生がオリンパスXA4を1台持ち東京のありとあらゆる所を撮りまくったなんていう話を聞くと、街歩きにはバイタリティーが必要だ。そんな撮影方法を私もやりたいと思うだけで月日が過ぎ、もう体力、いや根性がない。

 先日その既にくたびれていたレチナ3Cは売っちゃった。買い取り価格は5,556円。値段がついてホッとしている。

 今日は足指骨折で医者へ。3週間目にしてギブスがとれたけど、ギブス足になれたのか歩くのが怖いな。まあようやく風呂に足をつけられる・・・。ということは仮に、体の肋骨とかを骨折するとすくなくとも3週間以上は風呂には入れないんだと類推する。そりゃ夏の厚さはつらいだろうな。こちらは足指で軽くてよかったぜ。でも遠出は夜のお仕置き(夜になると、歩いただろ!、てんで痛みがグン来るわけ)があるからできまへんな。

 

1997年、東京都北品川

レチナ3C、トライX

コメント
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