日沖さんの本(注)のなかでユニークなシステムだと私が思ったのが、二眼レフを標準レンズに据えたシステム。なるほどこういう手があったかと当時思った。そこで実際に使うことはないけど、試みとして構成してみた。
二眼レフ:Rolleiflex、Zeiss Opton Tessar75mm/F3.5
ボディ:E-M1Mark2、
レンズ:M.ZUIKO DG 17mm/F1.8、LEITZ TELE-ELMARIT90mm/F2.8
フルサイズ換算の焦点距離は、35mm、50mm、180mmの準広角-標準-望遠となり、標準レンズに二眼レフを使い、少し望遠系に配慮したシステム。
このローライフレックスがシステムの要であり、二眼レフだから6×6サイズのフィルムを使います。もちろんリバーサルフィルムを使えば大変綺麗な色の画像が得られます。Optonと記載してあるのは東西ドイツが分断された当時の西ドイツ側の生産であり、東ドイツ製はJENAと記載されています。だから東西ドイツの記載をわざわざするぐらいだから、当然私の廉価版ローライフレックスは1950-60年代頃の西ドイツ生産。
それに二眼レフは腰の位置で撮影することが多く、被写体に頭をさげて撮影するという格好が、どこか謙虚になったみたいで精神上心地よいところがあるのは不思議な感覚です。もう一つローライには、露出計代わりのデータが裏蓋に印刷されている。これが結構役に立つんですね。
M.ZUIKO17mmは、老体著しいローライフレックスが故障したり、あるいはデジタルで広角側の画像が欲しい場合を想定した。接写は0.25mであり、通例のポストイットの150m×100mmサイズ(660PR-50Y)までなら接写可能。特にE-M1Mark2にZUIKO17mmレンズを付けたときの使い心地が軽快で、これ1本ですんでしまいそうなほど便利なフルサイズ換算で35mmレンズ。
LEITZ TELE-ELMARIT90mm/F2.8は解像度はよいけどピントはマニュアル。ただしフルサイズ換算で180mmとなり、ちと焦点距離が長すぎる嫌いもあるので、45mmなどにすれば使い勝手はよくなる。なおE-M1のデジタルテレコン機能を使うと、この小ささで360mmになる。サンニッパというわけだ。マイクロフォーサーズの撮影素子が小さいということは、こういう機能が特性なのだ。
いつもシステムにはオリンパスが登場するが、私のキヤノンは高性能ズームレンズシステムなので他社機材が介入する余地がない、ニコンはデジタルボディがない、というわけでいつもこれ!。
WEBサイトをみると個々の機材毎のユーザー評価は多数見られますが、システムとして構成した提案が全くみあたらない。やはり一眼レフはレンズ交換ができることが最大の特徴なので、これを活かして小型軽量でリーズナブル且つ高性能なシステムで提案してみた次第。
そしてフィールド調査に使える機材システムという視点で複数案を過去ログ(2018年4月22日、5月3日、5月13日)で述べた。ここでオリンパス機材にこだわるのは、建築調査で必須のデジタルシフト機能がついているからだということを付け加えておきます。
小型軽量な機材システムですが、世界のどこへ旅に出ても、しっかり撮っておける構成ではあります。旅で出会った情報もまた一期一会。・・・ここまでは調子よく書いてきたけど、私のボロ・ローライフレックスはもう青息吐息状態。綺麗に写るときもありますが、半分ぐらいは露出の加減が違って真っ暗とか・・・。ほんまにこれ、もうええわっ・・。二眼レフ好きのシステムといったらよいかな。
追補だが、複写するとき6×6ネガの画像を、それより小さなイメージサークルのデジタル機材で複写すると、ネガ本来が持っている解像度と比較すればデジタル複写の解像度は下がります。そこでスキャナーで等倍でスキャンする方法もあるが、これは色があまり良くない。やはり解像度は落ちるがデジタル機材でデュープした方が色はネガ忠実に出ます。
さて京都も、土、日と寒い週末だった。こういうときは、外の光が綺麗だし撮影日よりだったかな。それにしても、この時期にこんな寒い日があったかとなあと昨年のことを思い出しているけど思いつかない。ハワイの火山が噴火するなど自然界の変化が激しい1年なのかもしれない。
注:日沖宗弘:プロ並みに撮る写真術2.-一人で仕事をする研究者・ライターのために、勁草書房、1993年
α6000,Carl Zeiss Vario-Tessat16-70mm/F4.0、ISO8000,焦点距離70mm,露出補正+1.7,f/8,1/125