西麻布に会社があったから、六本木界隈は土地勘がある。東京も丘と呼べる高台が島のように点在する。赤坂から坂を上がり六本木交差点で頂点。そして西麻布にかけて下り坂となり、西麻布の交差点から渋谷にかけてまた坂を上がりといった具合に地形のアップダウンが連続している。そこへ街がへばりついている。だから街の徘徊はおもしろかったのである。
旅機材の続編を続けよう。例えば、貴方が海外へゆくことは決まっていた。だが前日まで仕事が続き最終電車で家にたどり着いた。明日は朝一番の電車で空港にゆかなければならない。そんなケースは誰にでも訪れてくれる。旅の支度で目一杯の所へ撮影機材の選択なんかしている暇はない。パスポートとお金があればいいさというあきらめモードになって、そのまま旅に出るというわけだ。
だから普段から、そのまま旅に出ても後悔しないぐらいの機材は、毎日の鞄の中に入れておくべしというのが私の考え方だ。いつもリュックの中に入っている機材でそのまま旅に出る。被写体と光は向こうからやってくる。仕事で機材も持たずに出かけたら素晴らしい光景に出会ったなんていう皮肉はよくある話。
さて足指骨折も医者からスポーツしてよいですよと診断され、昨日はスイミング教室へ出かけた。二ヶ月ぶりの水泳をしたら体中が筋肉痛で縛られているみたいだ。少し水に慣れたり体をほぐしながら一ヶ月後からダイビングを再開しようと目論み、ホテルも飛行機も取れた。あとは行くだけ。沖縄も混んでくる時期、もう主なホテルは満室の気配濃厚。つまり沖縄は夏真っ盛りだ。
1997年、東京都港区六本木、LEICA M4-P、Elmarit28mm,トライX