Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング610. 小説:小樽の翆534.自立の頃

2022年06月09日 | Sensual novel

 

 郊外のスケッチを1枚描いて街へ戻る。

いつもの小樽公園から海が見える街の定点観測描写だ。

小春「やっぱり来た!」

いつも同じ時間に放課後の小春に出会うぐらいだから、不規則な生活をしている割には絵を描きに行く時間は変わらない。この森は、この時間の斜光線で描きたいといった光の状態が念頭にあるから、いつも同じ所に同じ時間にくるのだろう。それに小さい街だしさ。

「今日は、話題がないよ!」

小春「私も。だって玲香姉ちゃんは子育てでしょ。一太郎兄ちゃんも子育て、小太郎兄ちゃんは横須賀の防衛大、美希姉ちゃんは札幌の学校に通っている、明菜姉ちゃんは個展の作品を描いている、それから忘れられていた人、ええーっと翼兄ちゃんは銭函ビーチハウスのアルバイトをしながら水産高校でしょ、小春はユウ君と午後のセックスとご飯づくりでしよ。ユウ君のママいつも食事代をおいてゆくの」

「じゃあ、まあ平和なんだ」

小春「今年になったら、みんなバラバラ。小春もだけど・・・。去年は愉しかったなぁ」

「何が一番愉しかった?」

小春「夜、ベッドの上で美希姉ちゃんと明奈姉ちゃんと3人で性教育」

「はあ!」

小春「美希姉ちゃんが怪しい本をテキストにして、正常位はこうやるんだぞ・・、なんて教えてくれるの。それで小春をモデルにするわけ。それでほらお尻の穴をもっと上あげて股間を上に向けるんだよ。足、をもっと開けよ!、といって教えてくれるの。小春が痛いといってもセックスは最初は痛いんだぞー、といって。美希姉ちゃんに処女喪失されるところだったよ!!」

「はっ!!!」

小春「愉しかったなあ、美希姉ちゃんの性教育。じゃあユウ君ちのご飯つくるからバイバイね」

「何にするの?」

小春「今日は、バックかなぁー・・・・」

「はっ!!!」

たくさんしゃべりまくって小春の背中を見送った。

7人の子供達がいたツカモッチャン家も、今年は一気に寂しくなってきた頃だろうか。

みんな自立の頃なんだろう。

それはめでたい事なんだけど、初夏の空気の中に時折冷たい風を感じる。

・・・

小樽も初夏だ。

コメント
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