郊外のスケッチを1枚描いて街へ戻る。
いつもの小樽公園から海が見える街の定点観測描写だ。
小春「やっぱり来た!」
いつも同じ時間に放課後の小春に出会うぐらいだから、不規則な生活をしている割には絵を描きに行く時間は変わらない。この森は、この時間の斜光線で描きたいといった光の状態が念頭にあるから、いつも同じ所に同じ時間にくるのだろう。それに小さい街だしさ。
「今日は、話題がないよ!」
小春「私も。だって玲香姉ちゃんは子育てでしょ。一太郎兄ちゃんも子育て、小太郎兄ちゃんは横須賀の防衛大、美希姉ちゃんは札幌の学校に通っている、明菜姉ちゃんは個展の作品を描いている、それから忘れられていた人、ええーっと翼兄ちゃんは銭函ビーチハウスのアルバイトをしながら水産高校でしょ、小春はユウ君と午後のセックスとご飯づくりでしよ。ユウ君のママいつも食事代をおいてゆくの」
「じゃあ、まあ平和なんだ」
小春「今年になったら、みんなバラバラ。小春もだけど・・・。去年は愉しかったなぁ」
「何が一番愉しかった?」
小春「夜、ベッドの上で美希姉ちゃんと明奈姉ちゃんと3人で性教育」
「はあ!」
小春「美希姉ちゃんが怪しい本をテキストにして、正常位はこうやるんだぞ・・、なんて教えてくれるの。それで小春をモデルにするわけ。それでほらお尻の穴をもっと上あげて股間を上に向けるんだよ。足、をもっと開けよ!、といって教えてくれるの。小春が痛いといってもセックスは最初は痛いんだぞー、といって。美希姉ちゃんに処女喪失されるところだったよ!!」
「はっ!!!」
小春「愉しかったなあ、美希姉ちゃんの性教育。じゃあユウ君ちのご飯つくるからバイバイね」
「何にするの?」
小春「今日は、バックかなぁー・・・・」
「はっ!!!」
たくさんしゃべりまくって小春の背中を見送った。
7人の子供達がいたツカモッチャン家も、今年は一気に寂しくなってきた頃だろうか。
みんな自立の頃なんだろう。
それはめでたい事なんだけど、初夏の空気の中に時折冷たい風を感じる。
・・・
小樽も初夏だ。