寒波は男と女の距離を縮める。翠は先日夜勤の後に熱く萌えたなということを思い出しながら昼時を過ぎた食堂へ出かけたら大きなお腹のコウさんがいた。
翠「まあ!、もうじき出産だから産休とってたんじゃないの?」
コウさん「退屈だから昼間の勤務しているの。だって病院も忙しいから、休めないわ。」
翠「だからコウさんは、みんなに好かれるのよね。」
コウさん「私の性分よ。ゆんべも旦那と萌えちゃったん。そしたら今朝はなんかお腹がゴロゴロとうごくのよ。」
翠「生まれるんじゃないの?」
そんな会話をしながら食堂で昼ご飯を食べていた。
帰りしなコウさんが立ち上がろうとしたら・・・
コウさん「いたたたっ!・・・・」
そういって椅子に座り込んでしまった。
よくみると破水しているようだ。
翠「うーーん、生まれる兆候だな!!」
翠は経産婦だから。そこはよくわかる。
翠「はい!、今から入院だな!!」
そういって翠は産婦人科の狸爺にスマホをいれたら、おっとり刀で狸爺がやってきた。
狸爺「こりゃ今晩生まれる!。じゃ分娩室へ運びましょう。」
翠は事務にコウさんの産休報告をしたら事務長がやってきた。
事務長「ほなら今から産休にしときますぅー・・・。あとで誰か手続きを・・・。」
翠が担架を運んできた。
まわりから看護師達が集まってきた。ワーーー生まれるんだ・・と歓声が上がり、おめでとうの祝福まで飛んでいる。みんなで一緒にコウさんを担架にのせている。「私なんか下帯をタクシーの外に垂らしながら病院へいったもんさー」などと笑い話が飛び交っている。知らない人は怪訝な顔して眺めている。看護師が担架に乗せられているからね。
翠「出産セットはロッカーかな?。」
コウさん「更衣室の鞄に入れてある。保険証もある・・・・・。」
翠「OK!、とってくる。事務手続きをしておくよん。」
みんなで担架をおしてゆく、その一群の周りに光が射したみたいに祝福モードだ。
コウさん「なんか恥ずかしいわ(*^▽^*)」
狸爺「まあ、女の晴れ舞台かなぁー!。」
コウさんは服部君に電話している。
みんなに祝福される出産前の風景というのも珍しいしさ・・・。
・・・
翠は夕方勤務あけに分娩室をのぞく。
コウさんは、唸っている。
服部君もいる。
既に陽も沈んだ小樽は、寒波が通り過ぎて晴天の空だ。
追記
例年ならば2月の2日と3日は節分の取材に明け暮れるのだが、今年はすべてスルーした。というのも吉田神社は出店もこれまでになく多く、そして例年以上の人出だったと聞く。廬山寺の鬼放楽なんか、今年は大河ドラマの影響もあり、あの狭い境内に大挙して参拝者が訪れていただろう。鬼放楽は脚立を持ち込まないと撮影できないが、今年はそんなことは許されないだろう。
そんな話しを聞くと、京都の節分が面白いということが世間に知れ渡ったので、私が出かけることはない。所詮は、少しちゃちで滑稽な民俗芸能なのだから、もう私の取材対象ではない。既にこのブログでは、何回も、そしてお薦めコースも紹介しているので、あとはお好きにの世界だ。
その節分の翌日に散歩に出た。あらもうレンタル着物の柄が春めいているではないですか。そのとき立春を実感した。こちらはしっかり映像に収めた。寒い節分よりは、やはり温かい方が良いですね。
そう思っていたら底冷えがする京都。東京は雪か・・・。