Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング843. 小説:小樽の翠751. 花街

2024年02月09日 | field work

 雪が道に高く積もっていても、マサヒロ君の家でクロッキー教室がある。
吹雪の中をモデルのジェシーが札幌からやってくる。
もちろんいつものメンバー達も休まずにやってくる。
・・・
帰りにジェシーと駅までの道を下る。
ジェシー「日本旅館は、娼婦付きなのか!?」
「はあ!?、聞いたことないけど・・・。」
ジェシー「ここに書いてある。」
そういって鞄から小樽の花街について書かれた本をみせてくれた。
「なるほど、宿代に、食事代、娼婦代込みだな・・・これ明治の頃の遊郭だよ。住の江町とかにあってさ・・・。」
ジェシー「昔の話か・・!?。日本は便利な国だな。同じ遊女のもとに通い詰めると心も通じ、身請け人になって、嫁にして所帯を持つ、だってさ、気立ての良い遊女を集める商売人もいるんだって。そんでここに遊女達の顔写真があるのだが、みんな美人なんだよ。美人で気立てが良い女を抱ける、こんな仕組みは日本だけだぜ。」
「なるほど、みんな美人だな。それで気立てが良けりゃころっとゆくな。でも身請けには遊女の借金を返したり、金がかかるんだよ。商家の主とかさ金持ちの旦那の仕事だよ。」
ジェシー「いくらぐらいの金だろうね?」
「京都の舞妓さんで数千万ぐらいと聞いたことがある。」
ジェシー「ゲッ!、その金はどこへゆくの?。」
「舞妓さんが暮らしながら修行する置屋とお茶屋で分け合うのだろう。舞妓さんにはゆかないよ。小樽の遊女だって身請けするときには借金があったから、相当のお金が払われたんだろう。」
ジェシー「遊女も金かかるなぁー。」
「花街の世界は、金次第でしょう。」
ジェシー「ふぅーーん、それで小樽は栄えたか。」
「そればかりじゃないですが。」
ジェシー「ニシンに石炭だろ。」
「今日は、ステーキのお肉は?。」
ジェシー「もちろんいるさ。駅前のスーパーにゆこう。」
寒くてもステーキか・・・。
ジェシー「ステーキが発熱量が高いから冬のセックスには必需品だよ。ゴムも欲しい。学生だからまだ子供をつくれない。悲しい。」
「ふーーん、医者の旦那と仲睦まじいのだ」
ジェシー「そうでなきゃ、一緒に暮らす必要がなくなるよ。」
・・・
そういってジェシーは札幌行きの快速列車に乗り込んだ。
小樽の駅も吹雪で道路の灯りがぼんやしている。
それは北の町の風景だ。
さてアチキも寒いから、家へ急ごう。
翠は日勤だから帰っているころだろう。
コメント
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