寒波がきているから、小樽の街はお休みかと思ったら路線バスは動いているし、翠の病院も休むことはない。それに翠は夜勤だし、夜中の看護師達のお茶タイムもある。今日は百合さんという新人がいる。晃子さんもやってきた。
百合「なんかねぇー、病室のアンコウさんという80歳のお爺さんのところがほのかに光が漏れるんですよ!。それで絶対これは夜中にスマホでアダルトサイトをみているなと思って私巡回の時に注意したんです。『おじいちゃん、ちゃんと睡眠時間をとらなきゃだめよ』といって。それでわかったといってスマホをしまうんですが、私がいったあとまたスマホをいじっているんですよ。どうしようかなぁー。」
翠「ああっ、あのおじいちゃん元気だから大丈夫よ。私も不審に思って尋ねたことがあるの。そしたらね『新しい恋人をさがしているんだよ』だって。それでメッセンジャーで結構仲の良いお友達がいるんだって。なんでも新しい女の子を見つけると身体が俄然元気になるんだって。それが若さの秘訣らしいよ。だから私も諦めたのよ。」
晃子「80歳の爺さん。さいきんスーパーシニアというのがいるんだよ。80歳になってもエアロビやったり。それが長く続けているから身体が動いて、しかも筋肉質なんだよ。もちろん頭も元気だし、普通に会話できるんだよ。だからあっちも元気だよ。そんな元気なのが何で入院したんだー?。」
百合「あばら骨と大腿骨の骨折!。ラクビーのまねごとやろうとして骨おっちゃったんだって。」
翠「一寸やりすぎたか・・・、あのお爺さん何の仕事してたの?」
百合「彫刻家なんだって。」
晃子「ハァハーーん、アーティストか・・。何故かアーティストは頭が老化しないんだよ。やっぱ創作するって身体にいいんだな。」
翠「アチキがいってた。絵を描いたりしていると頭がフル回転して元気印でいられるんだってさ。」
晃子「芸術って老化防止作用があるんだ。」
翠「あっ!、それで女の子を裸にして彫刻のモデルにするのよ。それに恋が加われば人間はいつまでも元気よ。身体は老化はするけど頭はぼけないのよね。」
百合「馬鹿となんとかは頭の使いようってやつですか?」
晃子「はあっ!、それはちと違うんじゃない!!」
((*^▽^*))
翠「まあクリエイションよね。」
晃子「クリエイターって頭は最後まで元気らしいよ!!」
百合「うわーーっ、そんな才能私も欲しいなぁーー」
翠「ちゃんと勉強して積み上げなきゃダメよ。そうしないと感覚だけで創作しているから、つまり子供の落書と一緒だね。其れだと気分転換にはなるけど頭は、あまり使わないのよ。」
晃子「じゃあ百合もアンコウさんの裸のモデルだ(*^▽^*)。アンコウさんは、この時間もスマホで夢中になっているよ。恋は人間を元気にさせるもん。最高の薬だよ。」
百合「私、脱ぐんですかぁー」(*^▽^*)
翠「老人に若い恋人か・・・・」
晃子「若い女子が老人に興味を持てばだけどね・・・。」
翠「それが今の若い男子の恋人では飽き足らない女の子もいるんだよねぇーー。」
百合「世の中うまく出来てるんですねぇー」
・・・
外は強い風の音がしている。
波も高いのだろう。
酷寒の小樽である。