狸爺の産科病棟も若い患者さんが一気に押しかけた。
というのも高校の卒業記念でみんな孕む約束をした同窓生達だ。
卒業式の三月に受精するという算段だった。
彼氏には、市場に勤めだした彼氏とか、親の漁師の家をついだり、東京の大学生というのもいたが、嫁達は小樽を離れることはない。
それから10か月近く経過し出産の日を迎えることになった。
もちろんみんなが同じようにゆくわけはないが、それでも何人かは同時に受精に成功して一緒に産科病棟に転がり込むことが出来た。
同級生ばかりだから、産科病棟で1年ぶりの同窓会である。
もちろん狸爺の手抜きで同時にやっちゃいましょうというので、同じ日に出産予定もあった。なにしろ年齢が同じだから母胎の特性も類似しているし、処理するにしても同時の方が対応しやすいという医者の科学的判断らしい。
そんなわけで、マタニティ・フォトグラファーの内職をしている美希姉ちゃんが呼ばれたわけだ。
美希「病院で撮るの!、えっ、三人同時!!」
・・・
美希姉ちゃん「つまりこの日に生まれた子供達は、将来みんな同窓生になるわけだ。親も同学年。子供も同学年。下手すりゃ先生も一緒だったりして・・・。なんじゃその思い出深いシチュエーションは!」
でっ、看護師さん達に超お願いして小さな研修室をあけてもらったわけだ。
机を並べてモデル台にして、カメラを据えて小さなストロボを複数セットした。
「私は、子供3人ぐらい産んだら旦那が勤め出す頃だから彼氏の給料で大学にでも行こうかな!」
「あら私なんか地味暮らしだよ。市場で旦那の手伝いかなぁー」
「私は、旦那と一緒にウニでもとるんかなぁー!?」
夢は膨らむ愉しい撮影会だった。
美希姉ちゃん「うらやましいなぁー・・・。」
そういいつつ、美希姉ちゃんが撮影しまくっていた。
・・・
小樽も雪の中である。
追記
快感違いだが、最近YouTubeの登録解除をする快感にはまる。解除するときに、お前は貧乏になれ!、と念じて解除する。どうせメーカーから機材やサービスの提供を受けてYouTubeで広告映像を制作しているから、その姿勢が既におかしい。つまり企業の肩を持ちすぎなのである。例え欠陥があっても言わないというわけだ。
それは置いといてYouTubeで登録者1,000人を越すと、広告収入が映像制作者のもとにはいる。最初は500円とかその程度だが、それが数万回以上の再生回数になると、そこそこの金額になる。従ってビジネスとして成立し、テレビ向け制作企業も力を入れている。
しかし所詮広告映像ばかりであり、役に立つ情報は少ない。最近同様の事をX(Twitter)でもやりだした。そしたら東南アジアの小国がヒット映像を組み合わせて(もちろん著作権無視)再度アップし日銭稼ぎをしていると聞く。そんなのまででてくると、このサイトも深入りしたくない。
京都の観光映像などを見ていると、聞いたことがない料理店ばかり登場し、こちらはあんなのがうまいのかなぁー!?、首をひねる。
そんなおかしい情報ばかりで世の中が動いているというのが、今の時代なんだ。そんな映像は、お里が知れて早晩飽きられるだろう。飽きられたらお終いの世界である。