Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

エッセイ684. 我田引水の食文化海外普及戦略

2024年02月20日 | field work

 トップ画像は随分前から農林水産省が進めている「日本食・食文化の海外普及戦略」の政策を示した概念図(注)。もちろん今もこの政策は続けられている。
 この報告書を読むと、日本の料理は美味しいとする海外の評価があるようだ。それは本当だろうか?。一部の外国人が評価しているだけではないですか?。
 というのも日本人は、なんでも食べるから味覚の感覚的なレンジが外国人より広いだけではなかろうか?。
 例えばお弁当屋さんにゆくと鮭がある。塩鮭でなくても外国人には辛いと評価されるだろう。えてしてお弁当は保存のために塩をよく使う。例え柿安の鮭でも辛いとする外国人はいる。味覚は食生活習慣の影響もあるから、多くの外国人にとって日本食が必ずしも美味しく感じるとは限らない。
 要は舌の味覚を感じるレンジの幅が国によって違うという事だろう。日本人は雑食だから、なんでも美味しいと感じるかもしれないが、外国人によっては必ずしもそうではないということだ。
 だから日本食が世界の料理の中でもとりわけ美味しいというのは、少し我田引水の部分がある。
 世界の何処でも美味しいと思われるのは中華料理だ。世界の大都市には華僑中国人が経営する中華街がある。中国料理をその国の人間の味覚に合わせて調理しているから地元民からは受け入れられている。日本料理もその国の人間達の味覚に合わせて調理されてこそ、日本食・食文化の海外普及戦略だと思われる。だかそんなことは報告書にはかかれていなかった。一番重要なことであろう。
 食も海外普及に熱心な余り、果実などは日本人がたべられないぐらい高価になった。昨年は、桃とか梨や葡萄は食べた記憶がない。どうせ価格が下がるさと思っていたら、いつのまにか商品が市場から消えていた。中国が日本食材輸入禁止なんだからそんなに海外志向で高級化しても売れないじゃん。それでいて高すぎて日本人は食べられないという構造はおかしいと思うけど・・・。
 1つ海外で成功事例ができるとみんなそこへ突入する。だから桃なんか超高くなった。日本人の食を満たす方が先だと思うけどなーー。

注)農林水産省:日本食・食文化の海外普及戦略、平成26年10月。
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