Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

エッセイ691. うちの嫁

2024年02月27日 | field work
 
 今では古い話に属するが、私の大学時代の同窓生の彫刻屋のオカンがフィリピーナだから里帰りするときについていったことから始めよう。それはフィールドワーク目的であり、フィリピンのリアルな生活が体験出来る良い機会だった。それにブラカンに友達ができたのも、よい体験だった。これこそがフィールドワークの醍醐味である。
 コロナ過で世界的に渡航制限がはじまった頃、彫刻屋のオカンから「この娘少し面倒見てあげてよ」とブラカンのギャルを紹介された。それに友人のオカンの家の前に住むローウェルからは「処女ですよ」と尋ねもしないのに売りこんできた。つまり25歳はフィリピンでは歳もいってるし、余っているからかたづけたいらしい。
 こちらの気分としては19世紀フランスの画家ゴーギャンみたいだ。ゴーギャンの作品には、「いつ結婚するの」があり、タヒチの女達から慕われていたことがうかがえる。しかし私としては、ゴーギャンみたいなライフスタイルも面白いかもしれないと考えた。
 そうしているうちに当人からチャットが来た。それが今の嫁である。
 嫁は既に両親を亡くしているからオジさんのところに預けられつつ、小屋のような質素なアパートに住み、印刷工場でバイトをして細々と暮らしてる子供好きの25歳のギャルだった。
 数回チャットを続けていると、「土地が欲しい、家が欲しい、ベイビーが欲しい、だから結婚して!」。そらきたおねだりのラッシュが。当時の画像をみたら男かよ!。ゴーギャンの絵画に登場するタヒチの女達と大差ない。
 まあ男みたいな女だけど、超ボロい自転車で通勤するのも限界みたいだからホンダのバイクでも与えよう。そんなわけで嫁はコロナ過に赤いホンダのバイクを乗り回し、息をひそめて暮らしていた地元の人間達を驚かす結果になったが、私と相性がよかった。この男みたいなギャルとフィーリングが合っていたこと自体が不思議な出会いだった。
 やがて小屋のような彼女の住処は水害に遭い、少し高台のアパートに引っ越しをさせて私が面倒をみることになった。その後バイクで事故ったりと一連の経験を積みながら、髪型を整え化粧をしだしたら。あら!!、こんな綺麗な女の子だったの!!!。
 それはイソップ物語の黒いアヒルの子だった。私は黒いアヒルでもいいよといって磨いたら、それは白鳥だった。ふぅーーん人生、いや女とは、そんなもんですか。
 今月のエッセイは、嫁にまつわる話しを書いてみよう。

今の嫁の画像
コメント (3)
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