Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

エッセイ689. 冬の京都のプロモーションにのって

2024年02月25日 | field work



 かって冬の京都が話題になった。
 今でも端境期である冬の京都を堪能しに観光客が来る。これは広告代理店の戦略勝ちである。観光客が来ない端境期があるのは日本の観光地の宿命だ。それをプロモーションで観光客を呼び寄せたいというのは観光地の人間達にとって悲願と言えよう。
 1996年、名古屋の大学へ赴任した年に私もプロモーションにもろにのって、冬の京都の徘徊を繰り返していた。今考えるとそんなのが簡単に撮れるとは思われないけど。
 それに手元にライツレンズが付けられるマウントを持ち、1/4000の高速シャッター、絞り優先AE、自動巻き上げのレンジファィンダー機材ConicaのHexerRF(注)があった。ついに当時ライカの悩ましい点を克服してくれた機材が登場した。それはミノルタCLE以来の出来事だった。満を持して登場した機材だが、すでにデジタル興隆の頃であり商品開発はあまりにも遅すぎた。中古市場での人気は高そうだが・・・。
 そのHexierRFのホディからライツの明鏡玉ズミクロン35mm8枚玉を高瀬川に落として拾いにいった経験があった。私と相性の悪い悪いボディは、早々に人にあげてしまった。だが大変優れたフィルム機材であっことは記しておこう。
 ライツマウントのカメラとしては完成形とも言えるのだが、何故か好きになれなかった。だから差し上げてしまった。ボディがライツと同じ大きさというのが張りぼてのように思われ、好感が持てなかった。いまでもミノルタCLEの価値を継承するといえばSONYα6000位だろう。小さく軽く高性、それがこの機材に求められる仕様だと思われる。
 さて寒波が来ると豪雪日本海側と異なり、冬の京都は晴天日が続く。つまり日本海側が豪雪になるほど太平洋側は暖冬というわけだ。寒いところはより寒く、太平洋側はより温かくといったように、両極のレンジが極端な方向へ広がったんだろう。


注)KONICA TECHNICAL REPORT VOL. 13(2000):Hexar RFの開発,吉 間 睦 仁* 鈴 木 和 彦* 大 田 耕 平

京都祇園(1996年)
HexerRF,Leitz Elmarit28mm/F2.8,プラスX.
コメント
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