Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング616. 小説:小樽の翆540.幕間 リーダーだったら博士号ぐらいもっていて当たり前だろ!

2022年06月15日 | Sensual novel

 

 仕事場のモニターの先に垣間見えるようにテレビを置いてある。今時ニュースはツイッターのほうが早い。だからパソコン画面に視線を合わせ続けていた眼を遠くをみて回復する訓練。ブログを書きながらNHK感染症の報道ぐらいは見ている。

 感染症は科学の世界、つまり医学・理工学系の話だ。だからこの文科系政治家のレジリエンスを示さない説明を聞いても、私にはわからない。さらに個人情報に該当するというので属地的情報を全部カットしている。

 こちらは建築学上の関心しかないのだから、誰が感染したかには興味がない。ただどこで感染が発生したかは知りたい。それは屋外なのか、屋内なのか、屋内とすればマンションなのか、そうでないのか。複数の発生地の間に感染関連要因があるのではないか、そういった質問にまったく応えない政治家やメディアを文科系と呼んで軽蔑している。感染症の広がりを抑えようとするとき、必ず定量的な都市工学の知識が必要になる。

 だから私は、国家や企業等のリーダーぐらいは、高度な科学思考の経験を積んできた理工学系の人間であるべきだと考えている。そしてリーダーは、博士の学位ぐらい持っていて当たり前だろう。今時文科系の学士じゃ科学社会では役に立たない。

 そんな理工学系の政治家がいるのかといえば、かって存在した。ドイツ連邦共和国首相として16年間勤めたアンゲラ・メルケルさんだ。彼女は物理学の研究者であり、博士(Dr.rer. nat.)の学位を取得している。さらにイギリスのマーガレット・サッチャー元首相は化学の研究者だった。

 メルケルさんの最大の功績は、避難民100万人をドイツへ受け入れたことである。一時的に増えたためにドイツ国内では、ドイツ人の職業を奪うと批判を受けたが、国家の人的資源が一気に100万人増えることの意味はドイツの将来において大きな力を持つだろう。いずれ多民族国家ドイツの国力が強くなるであろうと私は予測している。

 人口減少の我が国をみれば、いま難民を受け入れ人的資源を増やすというのは将来において成長のチャンスだけど・・・。

iPhon13pro

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ドローイング615. 小説:小樽の翆539.  ロボティックス・エンジニアのサトウ君

2022年06月14日 | Sensual novel

 

 朝から眩しい光が射している小樽の街。

翠は珍しく病院勤務がお休みだった。

「翠ー、ロボティックス・エンジニアのサトウ君がお昼を食べさせてくれとメールがきた。なんかつくってよ!」

翠は、なんか頭良さそうな人ね、といいつつスーパーへ買い出しに出かけた。頭は良いけど・・・・!?、なんだよ。

その翠が帰ってきて・・・

翠「アチキー・・・、入船の坂道で小さなすごーく古いボロ車が、バタバタと音をたてて煙をまき散らしながらノロノロ走っていたよ!」

「何それ!?」

翠「白いさぁー箱車!。荷物一杯積んでんの!」

そのうちアチキの家へ、バタバタという音が近づいてきて、玄関前で停まった。

「こんにちはー・・・、サトウですぅー」

アチキが表に出て行くと、痩せ型で長身のロボティックス・エンジニアのサトウ君がやってきた。

おっ、久しぶりという挨拶も、そこそこに・・・・

「何!、その湘南ナンバーのフィアット!!、まだ乗ってんの?」

サトウ君「はい!!、去年エンジンを取り替えたから新車ですぅー」

「といってボディはボロだけど・・・。坂道で煙りまき散らして走っていたのは君かよ!!!」

サトウ君「煙吐くんですよぉー。時々エンストで停まるときもあって・・・。去年エンジンをバラしたけど限界だと思って新しいエンジンに乗せかえました・・・。でも、セッティングが今一だったかなぁー。一寸手伝ってぇー」

「新しいエンジンといっても中古のエンジンだろ!」

サトウ君「もちろん中古。だってボディに納まらないもん」

そういって荷物を下ろし工具箱を取りだし、後ろのボンネットをあけて治具で調整しだした。

サトウ君「こんなもんかなぁー・・・」

「バイクのエンジンみたいだなぁー。エンジンかけてみたらぁー?」

バタ・バタバタバタ・・バタ・・キューーん、シュ、シュ・・・・・

サトウ君「???・・・、あっ、ダメだ!!、応急用の治具じゃダメだなぁー」

なにしろエンジニアのサトウ君は、自分で全部修理できない車には、乗らないというボリシーなんだ。だから最近のハイブリッド車なんか部品の点数が多すぎて解らないといっていた。自分でエンジンをバラすからね。

「テスラにしたらぁー・・・」

サトウ君「あれ、全部電気だから修理簡単だよなぁー」

「その車で冬の北海道を回ってたんかい?」

サトウ君「設計部の仕事はリモートにしますっていうから、じゃあスキーをしながら仕事しようというので、北海道を走り回っていた」

「車内にある、あのボロいノートPCで・・・?」

サトウ君「一応ハイスペックの部品を集めてノートパソコンを組み立てたんですよ。見かけは廃物利用なのでしょぼいけど、動作は超ハイスペック。多分世界最速!。だけどすごく発熱するですよ。ホディが溶けるぐらい。そんときは雪の外にでて打つです。寒いっすよ!」

「あったりめえだよ!、(*^▽^*)」

サトウ君「苫小牧から大洗までフェリーで帰ろうと思って一寸立ち寄ってみたんですぅーー」

「高速でゆかないの?」

サトウ君「時速70kmまではでるけど、エンスト起こすから怖いっす。やっぱ下道ね」

・・・

翠「アチキー・・・お昼ご飯の支度ができたよーーん」

「じゃ飯!」

サトウ君「おおっ、ゴチになりますぅーーー!」

そういって飯を平らげ、ひとしきり遊んだ後、夕方バタバタと煙を吐きながら、サトウ君は苫小牧に向かった。明日は家のある湘南につくだろう。はて、国道6号線を都心方向に向かい上野、銀座をバタバタと煙を吐きながら通り抜けて、国道1号線を南下するのか・・・。

・・・

小樽の初夏の昼下がりは、湿度が低く気持ちがよい。

気持ちがよい時期に、気持ちのよい人が訪れた。

 

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ドローイング614. 小説:小樽の翆538.マルス!、マルスっと・・・

2022年06月13日 | Sensual novel

 

  人間の体型は、美しくてもはかなく消えてゆく。

特に女のボディは、子供を生んだ時から永遠の愛が一瞬にして消えてしまいそうになるぐらい別体型に変わる場合もある。もちろん、前より細くなったという例外もある。女の体型は、男のように体脂肪が減少して痩せるわけではなく、ホルモンの関係から筋肉が締まって細くなる。

そんなことを考えながらアチキは、描きためた裸婦のクロッキーを眺めながら着彩していた。

俺が描かないと、誰にも気づかれずに女の美ボディは消滅するんだ。「若い頃は美しかったのよ」と言われても、証拠がなきゃ誰も信じない。まあ美というのは、大方は記録されずに消え去る物なのだろう。その中で偶然描きとめられ、そして表現された物だけが残っている。ギリシャ彫刻がそうだったな。

ルーブル美術館にあるホルゲーゼのマルスなんか男の理想型のように格好が良い。見事な筋肉質でありながら、顔がものすごく知性的なのだ。それは「バカみたいに身体を鍛えれば良いというものではないだろう。もう少し理性が働くように頭も鍛えろよ!」そう言われているようだ。

もちろん現代社会でも筋骨隆々はいるけど、それしかしてこなかったとばかりに知性を感じさせる頭脳は欠落して、つまり顔がアホだ。それじゃホルゲーゼのマルスにも及ばない。

・・・

そもそも現代人の多くは、栄養過多だ。特に高齢者になると標準体重を超えるのが加齢の一般傾向だと勘違いされている。そうではなく実は単なる食べ過ぎなのだ。それもBグルメに走り出すと脂肪分の多い料理ばかりだから、太る一方だ。だから身体は四角くなり細いという感じはなくなる。当然お腹も出てくる。

これは、やがて高血圧になり、薬を服用され、その薬は認知症を引き起こす。最後は阿呆で逝っちゃうわけだ。こういうのは、反面教師としておこう。

そんなことを考えていたら、スマホがなった。

翠「アチキー・・今日はエアロビクスの日だよーーん。ジムで待っているからねぇー」

翠からショートメールが来ていた。

そうかジムで鍛えなきゃ、ホルゲーゼのマルスには遠く及ばないが。といって鍛えなければ、二度と見たくない体型になってしまう。ここはやはり、ゆかなきゃ・・・。

マルス!、マルスっと!!・・・・

そんなわけで夕方ナンタルのジムで翠と待ち合わせてトレーニングに没頭していた。

まだ空が明るい小樽の夕方である。

マルス、マルス・・・

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ドローイング613. 小説:小樽の翆537. "寿さん"

2022年06月12日 | Sensual novel

 

 今日は夕方から、マサヒロ君のパパのアトリエで裸婦のクロッキー教室。

小樽駅でマサヒロ君と腹ごしらえをしてアトリエに向かった。

クロッキーは教室は、美大出身の人もいれば、そんな経験がない人もいて、描くデッサンが違うからすぐわかる。それでもフォルムとは何ぞや、という思いでみんな描いているんだろうな。

マサヒロ君「あの人、すごいクロッキーが旨いんだ」

そうおもって注視すると、確かに上手だ。

「あの人絶対東京芸大出身だよね」

マサヒロ「描き方が技巧的だし上手だよ。人体のフォルムの捉え方なんか的確だしさ。"寿さん"というんだ」

・・・

クロッキー教室が終わって、その寿さんと帰り道が一緒だった。

「どちらの美大ご出身ですか?」

アチキはなんなく尋ねた。

寿「いやー、実は工学系なんですよ・・。私は建設会社に勤めているもんで・・・」

「あら!、美大じゃないの??。どこでデッサンを勉強したんですかぁー???」

寿「実は、デッサンを勉強した経験がないのですよ!」

「はあ!、それで、どうしてそんなに的確に描けるのですか?」

寿「小さい頃から自然に描けるようになっていったんですよ」

えっ!、そんな事ってある?。みんなアトリエに通ってデッサンを沢山勉強して美大の受験を目指すんだけど、最初から勉強もしないでもデッサンが描けるなんて・・・。返事につまったな。紋切り型の質問でも・・・。

「どちらのご出身ですか?」

寿「鹿児島市です!」

「勉強しないでデッサンが自然にできてきた?」

寿「はい、空気鮮明だから、いつも物や風景が立体的に見えるんですよ」

なんとなく解ってきた。つまり湿度が低く物や風景が否が応でも立体的に見える環境で育ったんだ。それは地中海で暮らしきたのに近い。恵まれた環境に育った人がいるもんだ。

寿「風景も描きます。それがこれです」

そういってカルトンの下から着彩した風景画をみせてくれた。

陰をちゃんと色としてみているし、すごい奥行きがある空間感がいいじゃん。

「素晴らしい環境で育ったんですね」

寿「鹿児島はなんでも立体的に見えてしまうんですよ。それに小学校の先生が美大出身だったので、少し技法を教わったらツルツルと描けてしまったんですよ」

そういって寿さんは、苦笑いしながら帰っていった。

彼は、恵まれた環境で育ったというべきなんだろう。多くの日本人はデッサンを勉強しない限り立体的に描けないのだが、寿さんは例外だった。

そういえば、鹿児島県出身の画家というと、黒田清輝、藤島武二、東郷青児など日本人なら誰でも知っているそうそうたる作家達を数多く輩出している。それは風土だったのかぁー。あの地中海の否が応でも物や風景が立体的に見える風土からミケランジェロを輩出してきた事情と同じだ。少し、うらやましいな。

・・・

小樽は初夏の爽やかに夜空である。

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ドローイング612. 小説:小樽の翆536.比較文化論

2022年06月11日 | Sensual novel

 

 青森のリュウ君の話の続き

リュウ君「フィリピンじゃ嫁にゆくときはみんな処女だという話は以前にしたよね。日本だったら処女で嫁にゆくなんて話は少ないんだろうね」

「そんなのは邪魔だというので、高校ぐらいの時大方は初体験を済ましているから、結婚するときは処女です!、なんて嘘こいて一緒に暮らし始めるわけ。だから仮面夫婦のスタートさ。ゴーギャンの処女喪失なんて日本ではあり得ないよ」

リュウ君「日本では嘘がまかり通るんだ!」

「男と女も、社会も、嘘に仮面だよ。何故かって!?。うーーん、神という概念が日本人の意識にはないのだよ」

リュウ君「フィリピンには歴然とある。」

そういってリュウ君と奥さんの過去チャットの一部を見せてくれた。

『神があたなを私にくれたので、私は神に感謝します・・・。主は私を無視しませんでした』

『神は私に賢明で寛大で思いやりある伴侶をくれました』

『主が私達に長寿を与え、そして私達がこの世界で歩き始めた事を、永遠に続ける息子を与えてくださいました』

・・・

「神という概念で一本筋が通っているよね。たけど日本人は意識の中に宗教がなく、精々生活習慣の中に初詣や七五三ぐらいはある。日本の生活で宗教と関わるといえば結婚式と葬式が主かなぁ。だからその間の伴侶とすごす時間を与えてくれた事に感謝するという概念自体が存在しない。精々神道の自然崇拝だから、自然に感謝ぐらいはするかな

リュウ君「じゃあ神道で行くか仏教で行くかの選択肢!。日常は、初詣があり七五三参りがあり、葬式はお寺だったりして神仏混合だよね」

「僕の先輩に彫刻家がいて『俺の実家は浄土宗なんだけど、真言宗や日蓮宗のお坊さんの彫刻もつくったし、新興宗教の像もマリア様もつくった!』と豪語していた。だから多神教かなぁー」

リュウ君「そうなると、伴侶も多神教なんだ!」

「まあ若気の至りで男の十人切りをした女が恋愛もどきに夢中になったり、男だって結婚前に筆下ろし!、という言葉があるぐらいだから、宗教が男と女の中に介在することは少ないよね。むしろ色事という言葉があるから、恋愛という概念自体がない。つまり農本主義なんだよ。五穀豊穣子孫繁栄だから、産めよ!、増やせよ!、増えれば農作物を育てる人出も増えるから、穀物も沢山採れるという発想かなぁー。だから民族習慣は乱交世界だよ。誰の子供でもいいからつくった方が勝ちというわけだ」

リュウ君「そういえば日本の建築って外壁に神話や神様を配することがないよね」

「近世は皆無だし、明治建築でも、外壁に神話や神様を配した建築はないよねぇー」

リュウ君「建築は神が与えたものという概念だよ。だから最後は神に返すんだよ。だからつまんないものはつくらない。イエスキリストの家は大工だったから、建築とキリスト教徒のつながりは深いよ」

「そうか、それで建築をやっているリュウ君とフィリピーナの奥さんとは相性がよいのか・・・。納得」

リュウ君と話していて、あっ、これは比較文化論だと思った。

遠くに見える石狩湾にも夕方の赤みが差してきた。

リュウ君「今、青森も田んぼが綺麗だし。今度遊びサこながし。上さんどちょーはいするかきゃかきやさ」

そういってリュウ君は、いつもの苫小牧からの夜行フェリーで青森へ帰るべくナンタルの駅に向かった。

・・・・

小樽も、初夏の薄暮が綺麗だ。

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ドローイング611. 小説:小樽の翆535.木をみて森を見ず

2022年06月10日 | Sensual novel

 

 月初めになると青森のあいつからショートメールがくる、というか来ていた。

リュウ君「お茶しようよ!」

そんなわけでインポの治療にやってきたリュウ君とナンタルのカフェだ。

「相変わらずラブラブでいいね」

リュウ君「神との契約みたいで、それが彼女たちの幸福感だろね」

「よく続くよね」

リュウ君「だって彼女が別れない限り一生に一人の男しか愛さないよ。だって処女で嫁にきたもん」

「日本じゃあり得ない。農本社会から発達したから貞操観念は日本の女達にはないのだよ」

リュウ君「彼女たちは、恋は結婚、そして出産だもん」

「まあ、そのほうがまともかぁー」

そう思ってツカモッチャン家の子供達の顔を思いでしていた。そうか幸せラインをまっすぐはしってゆくんだ。

リュウ君「僕の誕生日に何をプレゼントしてくれるのといったら、私は貧乏だから貴方を愛することしかプレゼントできない、というわけさ」

「それって殺し文句だよね」

リュウ君「それで処女だったもん。男は感激して女のために尽くすさ」

「それでインポの治療に毎月マメに通うわけ」

リュウ君「だって毎晩だよ。それをしないと寂しいと泣くんだもん。それに最近子供達のためにアパートをつくれというのだよ。私のように水も飲めなかった貧乏な経験は、子供達にはさせたくないというわけさ」

「給料というのをアテにしていないんだ」

リュウ君「それは政府の役人とか高給取りの場合だよ。平民は首にされればすぐ貧乏だもん」

「身につまされる話だよね。つまり目先の給料に一喜一憂しても本質は違うところにあるという論理かな」

リュウ君「木をみて森を見ず、という言葉があるじゃん。つまり日本人は給料だとか、給料の高い会社だとかに関心がゆくじゃん。フィリピンの彼女達からみれは、それは本質ではないというわけだ」

「所詮、雇われ人では首にされたらお終いだからね」

リュウ君の話も考えさせられるところがある。

「そうなると高校で初体験をして、その後は男の十人切りをして、ようやく高給取りと出会ってゴールインし高層マンションに住んで子供を一人もうけ、仮面夫婦、仮面家庭で暮らすという日本のライフスタイルとは違うよね」

リュウ君「日本の男と女は仮面で暮らす。その典型が京都の祇園じゃないかなぁー、すべて仮面と建前で押し通してゆくという感じかな。不都合なことは言わないスタイル。隠すというのが美徳とする世界じゃないかなぁー」

「木を見て森を見ずではなく、あえて森は見ない事にして本質には触れないとする建前社会だ」

・・・

リュウ君との話は続く。

 

 

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ドローイング610. 小説:小樽の翆534.自立の頃

2022年06月09日 | Sensual novel

 

 郊外のスケッチを1枚描いて街へ戻る。

いつもの小樽公園から海が見える街の定点観測描写だ。

小春「やっぱり来た!」

いつも同じ時間に放課後の小春に出会うぐらいだから、不規則な生活をしている割には絵を描きに行く時間は変わらない。この森は、この時間の斜光線で描きたいといった光の状態が念頭にあるから、いつも同じ所に同じ時間にくるのだろう。それに小さい街だしさ。

「今日は、話題がないよ!」

小春「私も。だって玲香姉ちゃんは子育てでしょ。一太郎兄ちゃんも子育て、小太郎兄ちゃんは横須賀の防衛大、美希姉ちゃんは札幌の学校に通っている、明菜姉ちゃんは個展の作品を描いている、それから忘れられていた人、ええーっと翼兄ちゃんは銭函ビーチハウスのアルバイトをしながら水産高校でしょ、小春はユウ君と午後のセックスとご飯づくりでしよ。ユウ君のママいつも食事代をおいてゆくの」

「じゃあ、まあ平和なんだ」

小春「今年になったら、みんなバラバラ。小春もだけど・・・。去年は愉しかったなぁ」

「何が一番愉しかった?」

小春「夜、ベッドの上で美希姉ちゃんと明奈姉ちゃんと3人で性教育」

「はあ!」

小春「美希姉ちゃんが怪しい本をテキストにして、正常位はこうやるんだぞ・・、なんて教えてくれるの。それで小春をモデルにするわけ。それでほらお尻の穴をもっと上あげて股間を上に向けるんだよ。足、をもっと開けよ!、といって教えてくれるの。小春が痛いといってもセックスは最初は痛いんだぞー、といって。美希姉ちゃんに処女喪失されるところだったよ!!」

「はっ!!!」

小春「愉しかったなあ、美希姉ちゃんの性教育。じゃあユウ君ちのご飯つくるからバイバイね」

「何にするの?」

小春「今日は、バックかなぁー・・・・」

「はっ!!!」

たくさんしゃべりまくって小春の背中を見送った。

7人の子供達がいたツカモッチャン家も、今年は一気に寂しくなってきた頃だろうか。

みんな自立の頃なんだろう。

それはめでたい事なんだけど、初夏の空気の中に時折冷たい風を感じる。

・・・

小樽も初夏だ。

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ドローイング609. 小説:小樽の翆533.ポンペイの石膏像

2022年06月08日 | Sensual novel

 

 先日マサヒロ君とクロッキー教室に出かける時に話していた会話を思いだしていた。

「我々は、職業モデルを描いているからよいけど、なんで普通の女は恥ずかしいの一点張りで自分のボディを記録しないのだろうか。裸婦では女らしさじゃないのかなあー・・・」

マサヒロ「つまり綺麗じゃないとか・・・」

「あっ、言えてる。多分普通の女はモデルさんほどには身体が綺麗じゃないかもな。といってデッサンのモデルのように、肉体的な特徴とかがあるわけではないから記録価値なしかぁーー。写真のモデルのようにハーフェクとではないしさ・・・」

マサヒロ「ならば羞恥心が支配するかなぁー」

「羞恥心がなくなる年代になると、記録したがったりして・・・」

マサヒロ「そりゃ身体が崩れているから遅すぎるよ。せめて描く価値があるのは20代前半まででしょう」

「そうねぇ、それすぎると描く価値なし!」

マサヒロ「ゴーギャンが処女喪失を描いたモデルは十代後半じゃないかなぁー」

「一番綺麗な時ね」

マサヒロ「それで彼氏ができて結婚して、あっというまに子供ができて・・・。なんて慌ただしいライフスタイルだったら、気がついたら描く瞬間を通り過ぎて価値無しになっていたとか・・・」

「まあそれが一般的だな」

マサヒロ「あっ!、記録に残っているボディがある。ポンペイの遺跡だよ。突然火砕流が襲ったから、逃げる間もなく飲み込まれて埋没した。2千年後の発掘調査では遺体はなかったが石中が空洞になっていた。そこへ石膏を流し込んだら、当時の生活していた状態で人体が復元できた。これは二十歳の女性の身体だよ」

そういってマサヒロ君がスマホをつついて見せてくれた。二十歳ぐらいの女性が火砕流から身を守ろうとしてうつ伏せになった裸婦の石膏像だ。

「骨太で格好いいプロポーションだね」

マサヒロ「多分標準的な若い女の子の体型だった」

「本人が予期せぬところで裸体が歴史に記録されちゃった。しかも作り物の彫刻ではなく、当時の生きていた瞬間で記録されている。これってものすごくリアルだよね。作り物の彫刻なんかぶっ飛んでしまうぐらいに・・・」

マサヒロ「スタイルよかったはずだよ、このホディ」

「だもん裸体を研究し尽くして、イタリアビーナスができたんだもん」

そんな会話をしていた事を思い出していた。

・・・

小樽の空も晴天だ。

郊外へ絵を描きにゆこうか。

あっ!、絵画論って女を脱がして描くための論拠だったかぁー・・・。

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ドローイング608. 小説:小樽の翆532. 優性遺伝!?

2022年06月07日 | Sensual novel

 

 マサヒロ君の仕事が終わる頃を見計らって、仕事場へ行く。

マサヒロ「行きますかぁー、クロッキー教室」

今日は、マサヒロ君のパパのアトリエでクロッキー教室の日だった。

「腹ごしらえに『なると』で手羽先でもかじってゆこうよ」

・・・

クロッキー教室は、相変わらず人が多い。

だから狭いアトリエの人の頭の隙間から、のぞき込むように描く事にした。

「最近、綺麗なモデルさんが多いじゃない」

マサヒロ「最近のモデルさん達は、みんな綺麗よ」

「昔と違うよなぁー、変わったね」

マサヒロ「優性遺伝!?、じゃない。その成果が出始めた((*^▽^*))」

「美女は美男子にくっつき可愛い子供が生まれる!、それかなぁー

マサヒロ「それしかないでしょう」

「並でも可愛いと思うときもあるけどねぇー」

マサヒロ「今時、並だとモデルさんになれないっす!」

「僕なんか学生時代手は、叔母さんモデルがおおかったよ。頭パーマでモサモサしててさ・・・」

マサヒロ「それ昭和の話じゃないですか。今はもう、そんなモデルさんはいないっす!!、いれば貴重!!!

「じゃ、二番目ももうじき生まれるんじゃない?」

マサヒロ「うーーんと、再来月ぐらいかなぁー」

「じゃあ美人だ」

マサヒロ「上さんに似ればね。僕に似たら残念でした((*^▽^*))」

そんなわけで、綺麗なモデルさんに没頭できるんだから幸せな時代だ。

・・・

小樽の晴れ渡った初夏の夜空を見ながら、翠の家に帰った。

 

追記

まだフィリピンのフィールドワークを続けている。合わせてそのブログ用の映像を制作している。なんでこんなことを始めたか?。多分異文化生活理解だろうか。異文化生活と比較しつつ日本の生活を振り返る、といったら格好が良すぎるか。単に仕事もあるが好奇心だけ。それを調べたからといって論文にするわけではない。そのフィールドワークも11日経過した。あと半分か。幾つかの仕事が片づいたら早めに帰国する方法もあるが、暑いのでマイペースでしか動けない。

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ドローイング607. 小説:小樽の翆531. つまんない人生に乾杯!

2022年06月06日 | Sensual novel

 

 晃子「翠ーー!、文さんのところへ飯食べに行こうよ!」

翠「OK、アチキは仕事で出張しているから丁度いいかーー」

そんなわけで、遅がけに文さんのところで、スモークステーキの夕飯。

・・・

翠「こんな時間じゃ誰もいないねぇー」

文「最近は、夜の客足が早くひくんだ」

晃子「パンデミック以降、夜遅くまで歩いているのはうちらぐらいだね。文さん一緒に飲もうよ!」

文「じゃ、やるか、暖簾を下ろしてくる」

さんなわけで女3人の宴会が始まった。

・・・

晃子「どう健さんは、最近?」

文「うん、馬喰の仕事も減ったし、お店も暇だし、退屈しているよ」

翠「夜は?」

文「きゃー、そこ!」

晃子「暇だと絶倫の健さんは、毎日?

文「うん、もちろん毎日だよ。あのねえ、この間健さんが悲しい顔していたの」

晃子「へーーっ、野生児の健さんにもそんなところがあるんだ!」

文「あのねえ、季候がいいから窓を開けておくと気持ちいいでしょう。それで健さんとやったあと、私裸でまどろんでいたの。そしたら健さんが私の身体をまじまじと眺めながら言うのよ。『愛する女の身体は綺麗だ』だって」

翠「突然、詩人になるんだ!」

文「そんな格好がいいものじゃないのよ。『悔しいな、その美しい身体を残しておけなくてーー、せめて絵が描ければ残せるのになぁー』っていうのよ」

晃子「ほう、野生児が文化的なこと言うじゃん」

文「だから、人に見せなきゃ写真に撮ってもいいよって私がいったの」

晃子「おおっ!、写真!!、写真!!!、あんの?」

文「そしたら写真じゃだめなんだって。見たときの気分があるから、絵にしたいんだって。でも健さんは絵なんか描けないから悲しい顔をしていたの・・・」

晃子「アチキが喜びそうなセリフだよね!。アチキは描かないの?」

翠「クロッキー教室のモデルさんしか描かないよ。素人はポーズがとれないし、気づかいもいるから面倒なんだって」

晃子「それじゃ、女の美ホディは彼氏が見ておしまいかぁー」

文「そうよ。スポーツジムに通ったり、食べたいものを我慢して、努力して美ホディをつくっても彼氏だけが見てお終い!

晃子「努力の結果は残らないんだ、女の身体は」

翠「そうよ。いずれ歳をとって消えちゃうかもね」

晃子「そうなると、サドマゾモデルのシホさんなんかいいよねぇー

翠「だって、みんなプロが撮っているんだよー」

文「私達の身体は、何も残さず美しく消え去る運命なのよねぇー」

晃子「つまんねぇー」

翠「みんなそうよ」

文「飲もうよ。つまんない人生に乾杯!」

乾杯( ^_^)/□☆□\(^_^ )・・・・・

・・・・

いつものように、夜も更けてきた。

文さんの店だけに灯りがともっている。

少し寂しい光景だけど・・・・

それが小樽のいつもの夜さ!。

 

追記

プーチンとゼレンスキーの馬鹿が、くだらない戦争を始めやがって。どっちも嫌いだ。お笑い芸人のゼレンスキーは、それまで微妙なバランスで生きてきたウクライナをNATOに入りたいとアホぬかし、プーチンの怒り心頭に触れて戦争に突入した。また欧州諸国がゼレンスキー支持をしたものの、ロシアにエネルギーを握られ、なんだ、あの優柔不断は。おかげで立ち直りかけた世界経済がガタガタじゃないか。アメリカは、武器の賞与で軍事産業が潤うので、うるさいことを言わず武器を貸し付ける。もうロシア人同士の戦争など無視すべきだ。自由主義経済社会の国同士で経済を盛り立てたほうが得策だと思うが・・・。

 

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ドローイング606. 小説:小樽の翆530. ミッドナイト・ティータイム

2022年06月05日 | Sensual novel

 

 翠は、今晩も続けて夜勤。

ミッドナイト・ティータイムは、いつものメンバー達が集まってくる。

晃子「翠ぃーー、感染病棟は死にかけた患者ばかりだから、オもろい話がないよ。なんかないーー。あっ、メキシカンタコスのチップだぁー、頂き!」

翠「それスーパーで88円で売ってたの。リンゴもあるよ!。あっ、外科の奈津実がきた」

晃子「餌の臭いを嗅ぎつけたか、オもろい話はないの?・・・」

奈津実「こんな時代にあるわけないよ。タコス頂き。精々おじいちゃんにセクハラされるぐらいよ」

晃子「セクハラかぁ・・、どんな風に相手してんの?」

奈津実「おじいちゃんがアタシのお尻触るじゃん。するとアタシは大きな声で『おじいちゃん、それは私のお尻よ!、奥さんのお尻触らなかったの?』というわけ」

翠「それで・・・」

奈津実「そしたらおじいちゃんは、独身なんだというわけ。確かにカルテには 緊急連絡先がなかったよね」

晃子「可哀想だから黙認した?」

奈津実「そうよ、そしたら今度は胸よ。だから私は『おじいちゃん、それブラのパットだからお乳じゃないのよ!!』というと静かになるの。回りの患者さん達がググッとこらえて笑っているよ」

晃子「それは、よくある話ね。他には?」

奈津実「夜勤の時に、若い患者さんがてこきしていたのは目撃したよね」

晃子「あるねぇー」

奈津実「突然カーテン開けると眼が合って、患者さんがが赤い顔していて、『すいませんだって』だって。だから私が『男の人も大変ねぇー。彼女がいたんじゃないの?』って尋ねたの」

晃子「ほいで・・・」

奈津実「そしたらその患者さんは仕事で福岡から出張してきて、彼女と1年間合ってなかったんだって。超遠距離恋愛だよね。そんで彼女の所にゆこうとしたときに駅の階段から転げ落ちて骨折、2週間ギブスだって」

翠「そりゃ、貯まりにたまるは!」

奈津実「でね私ピンときたの。毎日しこっているよね、もしかしたら・・・。でっ、勃起しているペニスを引っ張り出したら、もうすごいの。私の手が触れた途端にビュ、ビュ、−−−と精子が飛んでくるのよ。だから被せたガーゼがドロドロ。それで精子を全部根元から絞り出して最後にエタノールで拭いたら、患者さんがウグッと痛がっているの。でっ『ちゃんと見せなさい!』といってペンライトをあててみたら亀頭炎症よ。それでカルテに書いておいたら、翌日泌尿器科の先生がやってきて塗り薬を処方してくれた」

晃子「それって、しこりすぎなんだ」

奈津実「絶対そうよ、清潔にしてないもん。後日談があるの」

翠「ほう!」

奈津実「彼女が小樽に飛んできてナースステーションに来るわけ。でっ話を聞いてあげたの。でっ彼女は『亀頭が腫れてる、性病ですか!?』と怪訝な顔して尋ねるの」

晃子「つまり彼女がやってきて抜いてあげようとしたら、アラっ!ちゅうわけね。何処で浮気したんだというわけだぁー」

奈津実「そうなの。だから炎症を起こしていたので消毒してます、といったら不思議な顔して帰っていった」

翠「よかったじゃん炎症がみつかって。治療もできたんだからぁー」

晃子「貯まったら抜かなきゃならないし、下手すりゃ炎症は起こすわで、男の人のペニスも大変ねぇー」

翠「だって、うちの泌尿器科外来は、何時も患者さんが多いもん」

翠「病院の夜の面接時間って性処理タイムだもんねぇー、外科は特に・・・」

(*^▽^*)(*^▽^*)(*^▽^*)

・・・

深夜の小樽は晴天、星がランランと見えている。

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ドローイング605. 小説:小樽の翆529.悶絶の汽笛

2022年06月04日 | Sensual novel

 

 小樽も心地よい季節になってきた。

半年ぶりといってもよいぐらい締め切っていた窓を全開すると、少し冷たい風を感じる。

翠は夜勤から戻ってきてまどろんでいる。

もう午後か・・・・

翠「アチキー・・・」

「もう起きたか」

翠「うん気持ちいい日だね」

「北海道は梅雨がないから、これからすごしやすい季節だよん」

翠「抱いて!」

「はいはい、飽きるまで抱いてあげます」

そういって翠の布団に潜り込む。

冷たい風が室内の冬の空気をさらってゆくみたいだ。

翠が股間をすり寄せてくる。

翠「起つかなぁー」

そういってアチキのパンツの間に手をすべらせてくる。

翠「あっ、堅くなってきた」

「女はペニスが好きなんだ」

翠「それは男の人が乳房やヴァギナを好きなのと一緒よ」

「なんだろうね、人間って」

翠「生殖生物!」

そういって翠のヴァギナが潤ってきている。

翠の骨盤が前後左右にしなやかに疼きだした。

・・・

翠「あちきー。いれてぇー」

翠のスウェットを脱がせて翠の膣にペニスを入れる。

次第に翠があえいでいる。

翠の肩で息づかいが荒くなってくるのがわかる。

翠「ああっ!、いい!!、とてもいい!!・・・・」

マサヒロ君を産んだ経産婦の翠の身体は、女盛りだ。

・・・

翠の腰が上下に激しく動き出した。

動くたびにペニスが奥に導かれてゆくようだ。

股間と股間がぴったりくっついて一緒にビクビクと動いている。

翠の膣が収縮を始めた。

最奥に吸い込まれてゆく!・・・。

亀頭に子宮口の動きを感じている。

健康な子宮だ。

翠「アチキ・・、いこう!」

翠「ハァーッ、ハァーッ・・・・アッ、アッ、アッ・・・アアアアアアア・・・」

翠の骨盤が激しく動く。

もう精子を一滴も漏らさず吸い込もうという感覚だ。

ハアッ、ハアッ、ハアッと翠の荒い息づかいが続く・・・。

そして声が大きくなってくる。

翠「アチキー・・・いってぅー、ハアッ、ハアッ・・・アッ、アッ・・・」

もうこれが我慢の限界・・・

翠「アアアアアアアアアアアア・・・・・・・・・」

撃ちはなすと、翠の甲高い声が長く遠くへ響く。

悶絶の汽笛のようでもある。

重なったまま、ゆるゆると身体から力が抜けてゆく。

・・・・・

しばらくすると・・・

翠「アチキー、耳を澄ませてごらん。他所からもあえぎ声が微かに聞こえてくるよ」

耳を澄ませると「ハア、ハァ、ハァ・・・・」

そしてひときわ甲高い声で、「アアアアアアアアアアアアアアア・・・」

聞こえてきた。機関車の汽笛みたいだ。

翠「やだん、あたし達も汽笛みたいだったかしらん」

春を告げる悶絶の汽笛みたいで微笑ましい。

窓を閉めるのも忘れて興奮したのだろう。

冬の閉鎖的な世界から逃げ出すように窓を全開している家が多い。

そんな悶絶の汽笛のようなあえぎ声が、あちらこちらから聞こえてきたら面白い。

「ハアッ、ハアッ、ハアッ、アアアアアアアア・・・・・」

「ウッ、ウッ、ウッ・・・・・・・・・」

・・・・・

春の汽笛、いや初夏の雄叫びといってもよい。

そんな雄叫びがあちらこちらから聞こえてきて、小樽の初夏をつげるのかもしれない。

そんなイメージを浮かべながら、翠の腹の上に重なってまどろんでしまった。

・・・

風が部屋を通り過ぎる心地よさがある、遅い初夏の始まりの小樽だ。

 

追記

ブログはいつもの架空の話に戻ったが、私はフィリピンでリアルライフだ。毎日叔父さんのトライシクルを自家用車がわりにして、フィールドへ出かけている。

映像は7月に編集してアップさせることにして、メモ代わりに書き留めておこう。

SONYα6600はフィールドで活躍している。2時間のフィールドワークで大型バッテリーの残量が40%になっていた。つまり1本のバッテリーでは1日映像撮影できない。こうなると2本同時急速充電器を持参すればよかった。さらにバッテリーグリップは必要だが、この機種にはオリジナルが存在しない。やはり純正品を出すべきだろう。機材開発企業は、多分フィールドを歩き回るリアリティが想像できないのだろう。

レンズは28mmから200mmまでフルに使うから、この範囲をカバーする焦点距離が必須。SONYフルサイズだとレンズはTAMRONの28-200mmの一択しかない。そんんなことを考えると、大方の機材は都市のなかで使うことしか考えていない事がわかる。

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番外編546. "ANAK PAWIS"

2022年06月03日 | field work

 

 NIKKAが沢山の画像を送ってきた。

私は写真を選ぶ機会が多いから、それは良いことだ。NIKKAのコメントには短く"ANAK PAWIS"としか記されていない。ちゅんと記述しないと世界はわからないのだ、ということに彼女は関心がないようだ。 

しょうがないからWikの英語版で調べた。フィリピンのパーティーであり、国家民主主義、労働者の賃金の引き上げ、土地を持たない住民への直接配分、農業改革法などを掲げた政党と記載されていた。

NIKKAの記述には、伝統的と書いてある。過去にアナクパーウィスという政治家がたい。彼は農地改革や労働者賃金向上などの政策を実行し、いまの政党の礎を築いた。私は、そのように解釈していたが違うの!?。

それにしても、賑やかなパレードなのだろう。だから音がないのは寂しい。

前にもブログで書いたが、私は、3年前にフィリピンの町の教会で葬式に出会った。棺の前後には軍楽隊のような身なりの楽団が控えている。出発したらジャズ調の明るいメロディだった。あの葬儀のパレードはgoodだ!。

是非日本でも葬式は、楽団を前後に配したパレードスタイルがあってもよい。それを京都でやったら、「なんかパーティーどすか?」という京都人の前を棺が通過してゆくのは、面白い。

撮影:NIKKA PAGTALUNAN

 

"ANAK PAWIS"
NIKKA sent me a lot of images.

That's good because I have a lot of opportunities to choose photos. NIKKA's comment only briefly mentions "ANAK PAWIS". She doesn't seem to be interested in the fact that the world cannot be understood without a proper description. The

I couldn't help it, so I looked it up in the English version of Wik. It was a party in the Philippines and was described as a political party that advocated national democracy, raising wages for workers, direct allocation to landless residents, and the Agricultural Reform Act.

The description of NIKKA says that it is traditional. In the past, a politician named Anak Parwis is hard. He implemented policies such as land reform and raising worker wages, laying the foundation for the current political party. I interpreted it that way, but it's different !?

Even so, it's probably a lively parade. So it's lonely that there is no sound.

As I wrote on my blog before, I met a funeral at a church in a Filipino town three years ago. Before and after the casket, there are orchestras dressed like military bands. When I left, it was a bright jazz-like melody. That funeral parade is good!

Even in Japan, funerals may have a parade style with orchestras in front and behind. If you do that in Kyoto, it's interesting that the casket passes in front of the Kyoto people who ask, "What's the party?"

Photo: NIKKA PAGTALUNAN

 

追記 

マニラから1時間半のブラカン、NIKKAの家に滞在して9日目。毎日叔父さんのトライシクルを自家用車にしてフィリピンの田舎を走り回っている。さて持参してきてよかったものに翻訳機POCKETTALKがある。

しかしiPhoneに比べるとプログラムで日本製品の欠点を露呈する。なによりも2カ国語の会話を切り替えるときに余計な指示画面が登場し、一々消さなければならない。それに2カ国の言語設定が、勝手に切り替わるのも悩ましい。画面操作だから指が横に滑るということはよくある。しかしすぐにリカバリーできるところがiPhoneだ。

POCKETTALKは、いざ使おうとするときに言語設定が勝手に切り替わったままなのが悩ましい。それに頻繁に使用する言語は、リストのトップにくるようにすべきだろう。いつまでもあいうえお順では、バカじゃないの、これ!、としか思えない。

人間は、間違える動物だ。だからミスの予測工学が必要だし、この研究が必要だ。その上でiPhoneブログラムがつくられているが、日本製品は、ここが弱い。というか全く関心がない。ただブログラミングどおりに使えばOKではないのである。日本の製品開発者はわかってんのかなあ。

精々日本製品に存在するのは、配慮だ。配慮とは余計なお節介である。そんなものが一々画面に登場されては適わない。

配慮という面倒くさいこと、そしてミスに対する科学的アプローチをしない。日本の欠点だ。つまり科学の最重要概念である一般化という概念が日本人に希薄なのだ。ものごとを一般化することによって世界の人間達が使うことができる。

そんなことを知床観光遊覧船沈没事故の報道をみていて考えた。フィリピンにいると日本の報道もバラエティー番組かと思われる。というのも小さな現象に一喜一憂するという報道姿勢に科学的根拠はない。犠牲者はみつかりませんでしたなんていってるけど、当たり前だろ。船が沈むときに全員2階の屋外甲板に避難し、そのまま海に投げ出されてロシアまで漂流するということは、このブログでも随分前に書いた。誰がみてもわかることに余計な配慮をする報道番組。配慮ではなく科学の知見で語るべきだろう。

現代日本の生活文化に必要なのは、科学的知見で物事の全体像をつかまえようとする考え方だ。

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番外編545. 異文化!(Different culture!)

2022年06月02日 | field work

 

 ネグロスのファミリー達を、私に説明されてもわからない。

叔父さんの姉の息子とか、お姉さんの甥っ子といった具合にだ。

それは言葉上親戚だとわかるが、家系図でも書かないと彼らの関係性は理解できない。彼らの頭の中には、そうした家系の構造がある。しかし私にはない。

NIKKAは、子供が好きだ。子供達からも親しまれている牡牛座の女だ。

そして私にチョコレートとカップヌードルを送れというわけだ。だから私は段ボールに一杯のチョコレートとカップヌードルを詰めてEMSで送ってあげた。私は知らねえぞ!、NIKKAの街で虫歯の子供たちが大量発生しても・・。

 カップヌードルといっても一番人気が日清のシーフードヌードル。私は淡泊すぎてあまり食べないが、味覚の違いに私の関心が及ぶ。

NIKKAが、バプテスマと騒いでいる。そしてゴッドマザーだという。

それは何?。そして数人のベイビーの写真と花で飾られたゲートの画像を送ってきた。私は混乱。

しかし調べたらキリスト教の洗礼式だ。ゴッドマザーは洗礼の承認者だ。おおっ名誉ある役ではないか。それがわかるまで1日を要した。

異文化理解という言葉がある。私は、異文化を受け入れる土壌が貴方にありますか?、と質問されているようだ。大学人が言うところの異文化理解など、随分と形式的だと私は思う。

撮影:NIKKA PAGTALUNAN

 

Different culture!
I don't understand even if I explain the Negros family.

Like my uncle's sister's son or my sister's nephew.

I know it's a relative in words, but I can't understand their relationship unless I write it in a family tree. There is such a family structure in their heads. But I don't.

NIKKA likes children. She is a Taurus woman who is also loved by children.

And she sent me chocolates and cup noodles. So I packed a cardboard with a cup of chocolate and cup noodles and sent it by EMS. I don't know !, even if there are a lot of cavities in the city of NIKKA ...

Nissin's seafood noodles are the most popular cup noodles. I don't eat much because it's too light, but my interest is in the difference in taste.

NIKKA is making a noise with baptism. And it is said to be a god mother.

What is that? .. And she sent me pictures of several babies and images of the gate decorated with flowers. I'm confused.

However, when I looked it up, it was a Christian baptismal ceremony. Godmother is an approver of baptism. Isn't it an honorable role? It took me a day to figure it out.

There is the word cross-cultural understanding. I seem to be asked if you have the soil to embrace different cultures? I think that the understanding of different cultures, as university people say, is quite formal.

Photo: NIKKA PAGTALUNAN

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番外編544. 家族の肖像(Family portrait)

2022年06月01日 | field work

 

 NIKKAが送ってきた画像をみるとみんな親戚だ。

叔父さんの娘の子供と言われても、その叔父さんや叔母さんが沢山いる。

だから、私はわからない。

祭になれば親族が一堂に集まりゲームとカラオケと宴会を楽しむ。つまり乗りやすい人たちだ。大家族、それがフィリピンの基本だ。この楽天的な笑顔はどこから出てくるのか。

 私は、それがうらやましいと光景だと思う。日本では親子4人ぐらいが公園で遊んでいる姿をみると、子供本位で親族が一人もいない世界は、陰険でつまんない風景だと思う。

 昔、私は、横浜美術館が開催した針穴写真の教室に参加していた。1時間だけ子供達と共通の授業があった。そして父兄達が参観していた。その父兄達の自分の子供をみる眼が実に異常だ。うちの子供は優秀だと勘違いしている眼差しだった。そしてし子供達は親の期待を裏切ってもしょうがないから優秀な役を演じておこうという空気が漂う。まさに親馬鹿だ。そんなので勘違いされたまま家庭が回っている。それは異常な光景だった。

 それにひきかえフィリピンの子供達は天真爛漫に大人達の間をすり抜けてゆく。そうして少しずつ大人の社会を学んでゆくのだろう。

撮影:NIKKA PAGTALUNAN

 

Family portrait
Looking at the images sent by NIKKA, they are all relatives.

Even if it is said to be a child of an uncle's daughter, there are many uncles and aunts.

So I don't know.

When the festival comes, relatives gather together to enjoy games, karaoke, and banquets. In other words, people who are easy to ride. A large family, that is the basis of the Philippines. Where does this optimistic smile come from?

I think it's a sight to envy. Looking at the appearance of about four parents and children playing in the park in Japan, I think that the world where children are oriented and there are no relatives is a sly and boring landscape.

A long time ago, I participated in a pinhole photography class held by the Yokohama Museum of Art. There was a common class with the children for only one hour. And parents were watching. The eyes of the parents looking at their children are really abnormal. My child had a misunderstanding that he was excellent. And since children can't help betraying their parents' expectations, there is an air of trying to play an excellent role. It's just a parent idiot. That's why my family is turning around while being misunderstood. It was an unusual sight.

In contrast, Filipino children innocently slip through the adults. Then, I will learn the adult society little by little.

Photo: NIKKA PAGTALUNAN

 

追記

アップしている画像は4月にNIKKAが送ってきたものを素材にして書いている。時を同じくして、調度今私はフィリピン・ブラカンのNIKKAの家に居候して調度1週間経過した。ここでの体験記は7月のブログにアップさせよう。というのも予想通り暑くて気力は衰退し、いろんな雑事に忙殺され、ブログを毎日アップさせるなんて不可能だから。

思い出したままに書くと、あの関西空港は、さながら日本の田舎の空港のように、私達を運ぶフィリピンエア1機だけがポツネンと停まっており、多くの店が閉まり、税関を通過すると食べるところがない。昼飯を食べそびれた。

フィリピンは、検疫体制が厳しく空港内は検疫役人と軍人だけだった。フィリピン固有のへルスパスを予めつくっていたので難なく通過できた。このバスは必須だ。やだねぇー、こんな検疫厳戒態勢は。

空港内に部外者は立ち入ることはできない。待ち合わせは人と車が雑踏する空港前の道路だった。迎えの車が私を探し出すまで1時間。その後ピックアップされてジョルビーにゆき、ようやく到着し安堵感を感じた。

フィリピンは日本と同じ電気のプラグだ。だからといってガイドブックを信用してはならない。いつも日本のプラグを差し込むと火花を散らし接触不良をおこす。だから世界で使える変換プラグは必須。これにUSBのaとcタイプの4口充電器を接続し、Mac、iPhon、POCXKETALKの充電をしている。それで、このブログを書いている。

目下そんな山小屋みたいな暮らしをしている。

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