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2004年11月6日(日)晴れ
午前10時くらいに北見を出発し、近くの網走川水系の渓流にヤマベ、アメマスを見に出かけた。ここにはオショロコマは生息せずアメマスとヤマベしかいない。この時期、産卵行動のため登ってきた大型アメマスや、サクラマスを追って遡上してきた大型ヤマベが釣れることがある。産卵行動でキズだらけになったヤマベも少し尾ヒレが修復されて、多少綺麗になってくるころだ。林道へ入ってすぐから大きなたまりを探りながら釣っていったが小型アメマスばかりだ。今年は海から遡上してきた大型アメマスはいなかった。以前に巨大アメマスを釣ったおおたまりには小型アメマスが多数群れていた。ときどきシンコヤマメが釣れる。そこから上流にむかったが、いつもの大ヤマベのポイントでは果たしてまあまあのヤマベが一匹とクロンボウヤマベ一匹が釣れた。しかし、この2匹しかいないとはちょっと期待はずれであった。何本かの支流を探りながら上流に向かうにつれて、今度はたまりというたまりには小型ヤマベが多くなってきた。振り込むとワッと群がってくる。1-2年魚ヤマベや小型アメマスたちと遊びながら源流域まで遡行し、気が付くともう夕方になっていた。暗くなると北海道の渓流は危険だ。足もとが明るいうちに引き上げることにした。
2006年10月17日
この日、この自然豊かであった渓流のヤマベ、アメマス、ハナカジカの多くが死んでしまった。美しかった渓流は汚染され岸辺は魚の死骸であふれ、目を覆う惨憺たる光景になった。死んだ渓流魚はエラに牛の糞尿に由来する微粒子などが付着し、悲惨な窒息死に至ったものである。この川の源流域の上部には美幌峠牧場振興公社が経営する広大な牛の放牧場が広がっている。この大間抜けの牧場の糞尿貯蔵タンクから牛の糞尿およそ370 トンが、この渓流に流れ出るという信じられない事故があったのだ。この日の午前8時ごろ、牧場の貯蓄タンクから汚水が流れているのを出社してきた職員が発見した。糞尿は、はるか下流の網走湖にまで達した。この川の水で原料のジャガ イモを洗っているでんぷん工場が操業停止に追い込まれ、糞尿で汚染された設備を洗浄するなどの対応に追われた。美幌町は対策本部を設置し、流出があったタンク周辺に土のうを積み、被害の拡大を防ぐ一方、美幌川や網走湖で水質検査を行ったという。その後の始末記は寡聞にしてほとんど知らない。
2007年7月3日。この川の下流域を釣ってみた。アメマスの稚魚とチビヤマベの当年魚が少しいたが、釣りの対象になるような渓流魚は完全に消えていた。渓流魚が事故前の状況に回復するにはしばらくかかりそうだ。一方、いったん壊滅した個体群が復活することは無いといった可能性も高い。いずれにしても様子を見てゆくしかないだろう。
それにしても実に腹立たしい出来事だ。すべてはあっと言う間の出来事で、多くの人たちはこのとても良くありそうな事故について、もう済んだことと考えるに違いない。 渓流魚は無主物なのでおびただしい数の渓流魚を殺してしまった罪は問われることはないだろう。この責任は一体誰にあるのか、きっと例によってうやむやになるのだろうが、今後このようなドジ馬鹿事件は絶対おこさないように美幌峠牧場振興公社は二重三重四重に予防策を考えていただきたいと思う。この牧場が出来てから、この下流域の水系は雨が降るとすぐ泥水の濁流になる不健康な川になっている。それだけでも苦々しい思いをしている釣り人は多いと思うが、今回の事件はそれに追い打ちをかける形になっている。
PS 2012-8-17 その後、美幌川上流域の渓流魚はかなり回復しています。しかし事故からもう6年もたちましたが往年の面影はありません。
いったん、うんこまみれになってしまった美幌川からは、なんとなく足が遠のいてしまった釣り人は多いとおもいます。
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2004年11月6日(日)晴れ
午前10時くらいに北見を出発し、近くの網走川水系の渓流にヤマベ、アメマスを見に出かけた。ここにはオショロコマは生息せずアメマスとヤマベしかいない。この時期、産卵行動のため登ってきた大型アメマスや、サクラマスを追って遡上してきた大型ヤマベが釣れることがある。産卵行動でキズだらけになったヤマベも少し尾ヒレが修復されて、多少綺麗になってくるころだ。林道へ入ってすぐから大きなたまりを探りながら釣っていったが小型アメマスばかりだ。今年は海から遡上してきた大型アメマスはいなかった。以前に巨大アメマスを釣ったおおたまりには小型アメマスが多数群れていた。ときどきシンコヤマメが釣れる。そこから上流にむかったが、いつもの大ヤマベのポイントでは果たしてまあまあのヤマベが一匹とクロンボウヤマベ一匹が釣れた。しかし、この2匹しかいないとはちょっと期待はずれであった。何本かの支流を探りながら上流に向かうにつれて、今度はたまりというたまりには小型ヤマベが多くなってきた。振り込むとワッと群がってくる。1-2年魚ヤマベや小型アメマスたちと遊びながら源流域まで遡行し、気が付くともう夕方になっていた。暗くなると北海道の渓流は危険だ。足もとが明るいうちに引き上げることにした。
2006年10月17日
この日、この自然豊かであった渓流のヤマベ、アメマス、ハナカジカの多くが死んでしまった。美しかった渓流は汚染され岸辺は魚の死骸であふれ、目を覆う惨憺たる光景になった。死んだ渓流魚はエラに牛の糞尿に由来する微粒子などが付着し、悲惨な窒息死に至ったものである。この川の源流域の上部には美幌峠牧場振興公社が経営する広大な牛の放牧場が広がっている。この大間抜けの牧場の糞尿貯蔵タンクから牛の糞尿およそ370 トンが、この渓流に流れ出るという信じられない事故があったのだ。この日の午前8時ごろ、牧場の貯蓄タンクから汚水が流れているのを出社してきた職員が発見した。糞尿は、はるか下流の網走湖にまで達した。この川の水で原料のジャガ イモを洗っているでんぷん工場が操業停止に追い込まれ、糞尿で汚染された設備を洗浄するなどの対応に追われた。美幌町は対策本部を設置し、流出があったタンク周辺に土のうを積み、被害の拡大を防ぐ一方、美幌川や網走湖で水質検査を行ったという。その後の始末記は寡聞にしてほとんど知らない。
2007年7月3日。この川の下流域を釣ってみた。アメマスの稚魚とチビヤマベの当年魚が少しいたが、釣りの対象になるような渓流魚は完全に消えていた。渓流魚が事故前の状況に回復するにはしばらくかかりそうだ。一方、いったん壊滅した個体群が復活することは無いといった可能性も高い。いずれにしても様子を見てゆくしかないだろう。
それにしても実に腹立たしい出来事だ。すべてはあっと言う間の出来事で、多くの人たちはこのとても良くありそうな事故について、もう済んだことと考えるに違いない。 渓流魚は無主物なのでおびただしい数の渓流魚を殺してしまった罪は問われることはないだろう。この責任は一体誰にあるのか、きっと例によってうやむやになるのだろうが、今後このようなドジ馬鹿事件は絶対おこさないように美幌峠牧場振興公社は二重三重四重に予防策を考えていただきたいと思う。この牧場が出来てから、この下流域の水系は雨が降るとすぐ泥水の濁流になる不健康な川になっている。それだけでも苦々しい思いをしている釣り人は多いと思うが、今回の事件はそれに追い打ちをかける形になっている。
PS 2012-8-17 その後、美幌川上流域の渓流魚はかなり回復しています。しかし事故からもう6年もたちましたが往年の面影はありません。
いったん、うんこまみれになってしまった美幌川からは、なんとなく足が遠のいてしまった釣り人は多いとおもいます。
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