夜の某駅発○○駅行き… 「誰も乗らないかな?」と思っていたら、一人の若い女性がやって来て「○○駅に行きますか?」と言った。私は「はい、行きますよ」と答えながら、「この女性、何かに似てるなぁ~」と思った。
背が高くて長~い金髪… ばっちりアイシャドーに長~い爪… “肉食系”の雰囲気を漂わせる風貌… しばらく考えていた私は「あ、とらだ! 漫画“うしおととら”の妖怪とらだ!」と、昔の漫画本で見た姿を思い出した。
発車してすぐに“とら”はケータイで話し始めた。が、私は“とらに食われる”のが怖く… 否、他に乗客がいないので、注意する理由はなかったのである。だから「他に一人でも乗客があれば、その時に注意しよう」と思っていた。
某駅を出発してから7つ目のバス停に、ようやく二人の女性が立っていたのだが… その内の一人がケータイで話しながら乗ってきたのである。一瞬、私は「2対1かぁ…」と思ってしまったけれど、そういう問題ではない。
私が「バスの中で電話は止めて下さい」と言うと、乗ってきた女が電話を切った。続いて“とら”も「何を今さら!?」みたいな顔をしながら電話を切ってくれた。ふぅ… 食われなくて良かった! ハハハ…