バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

ダイヤ改正で駆け込み増加!?

2013年05月19日 18時50分40秒 | バス運転士

昨年度は“いつも遅れる路線ワースト3”の一つだったのに、4月のダイヤ改正によって「だいたい定時で走れて、時間調整停車もたびたび…」という優良路線(?)に変身した感のある☆☆駅へ行く路線…(少なくとも、私が走った曜日と時間については…)

最初は乗客も「えっ… ウソ! もうバス来た!?」と戸惑ったかもしれないけれど、1か月以上も経てば慣れてきたに違いない… と思ったのだが、それは通勤通学などで毎日のように乗っている人の場合であって、たまにしか乗らない人には… まだまだ浸透していないのかもしれない。

あるバス停に1分ほど早く到着したので、乗車扱い後に「発車まで、もうしばらくお待ち下さい」と言った。そこへ一人の女性が駆け込んで「すいません、母が来ますので… 待ってもらっていいですか?」と言った。

そのお願いに対して、私は即答できなかった。なぜならば、その“母”の姿が見当たらなかったからである。私が「え~っと…」と言いながら「果たして、何秒、何分、何時間待てばいいのだろうか?」と思っているうちに、目の前の家の塀の陰から“母”が現れ、約30秒遅れで発車できた。

そして、ブォ~ンと緩やかな坂を上って行ったところ、左側の歩道上を全力で走っている女性を発見した。が、次のバス停まで200~300mあったので、私は「乗客… だよなぁ~?」と迷いながらも、やや速度を落として走り続けた。

幸いにも降車ブザーが鳴ったので、私は次のバス停で止まってから、「本当に彼女が乗客だったとして… 諦めずにバス停まで走って来るだろうか?」と思いながら左ミラーで後方を凝視した。すると、100mほど後ろのカーブを曲がって走って来る女性が映ったのである。

そこで私は「発車まで、しばらくお待ち下さい」と言いながら、中扉を閉めて前扉を開けた。20~30秒後、彼女は「ハァハァ… ありがとう… ハァ… ございました…」と言いながら駆け込んで、財布から200円を取り出して運賃箱へ入れた。

約1分遅れで発車して、次のバス停で止まり、その次のバス停へ向かっていた時… 先程の女性が通路を歩いてきて、助手席に座りながら「あのぉ… さっき200円を入れたんですけどぉ… 本当は土日切符を買うつもりだったんですけどぉ… 無理ですか?」と言ったのである。

私が「この(運賃箱の)中に入ってしまうと、取り出せないので… ちょっと…」と言いながら「何か方法はあるのだろうか?」と考えていたところ、彼女は「そうですよねぇ…」と言って諦めたのだが… 後で聞いたところ、乗客へ返金の必要が生じた場合に使う“バス専用の金券”で200円を返して、改めて土日切符代600円を現金で払ってもらうという方法があると聞いた。

しかし、彼女のように土日切符を使う人は、次回も土日切符を買うだろうから、200円分のバス専用の金券をもらっても使う機会がほとんどないに違いない。私が思うに… この金券を渡すのは、バスの行き先を確認しないで運賃を支払った人が「このバス、××へ行かないんですか?」などと言い出して、すぐに他のバスに乗る時のような… 「この金券、いつ使うんですか?」「今でしょ!」という場合くらいだろうなぁ~